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ミニシアターブームを呼んだ高野悦子さん死去…岩波ホール総支配人

 東京・千代田区の岩波ホール総支配人で、文化功労者の高野悦子さんが9日、都内の病院で大腸がんのため死去していたことが、分かった。83歳だった。

 高野さんは旧満州(現中国東北部)生まれ。日本女子大学を卒業後、1952年に東宝に入社。58年に退社し、映画監督を志してパリ高等映画学院に留学。帰国後、衣笠貞之助監督の助手を務め、テレビドラマの脚本や演出を手掛けた。

 68年、岩波ホールの創設に伴い、義兄で岩波書店社長だった岩波雄二郎さんに誘われて総支配人に就任することに。川喜多かしこさんと埋もれた名作映画を上映する組織『エキプ・ド・シネマ』(映画の仲間)を結成すると、同ホールを拠点にインドの『大地のうた』、ギリシャの『旅芸人の記録』、ポーランドの『大理石の男』、米国の『八月の鯨』などを公開し、ミニシアターのブームを呼んだ。

 15日付のデイリースポーツ、東京中日スポーツ、スポーツニッポン、サンケイスポーツ、スポーツ報知、日刊スポーツ各紙が報じており、岩波ホール関係者によると、高野さんは数年前から静脈血栓塞栓症を患うなど体調を崩し、昨年9月に定期検査で大腸がんが見つかった。手術は成功したが、その後、がんが肝臓に転移していることが分かり、入退院を繰り返していたという。

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