歌舞伎俳優の市川團十郎さん(享年66)の通夜が5日、東京・目黒区の自宅でしめやかに行われた。
自宅には安倍晋三首相(58)をはじめ、松本幸四郎(70)、娘の女優の松本紀保(41)松たか子(35)、坂東三津五郎(57)、尾上菊五郎(70)、尾上菊之助(35)、寺島しのぶ(40)、中村吉右衛門(68)、中村福助(52)、中村獅童(40)、市川猿之助(37)市川中車こと香川照之(47)、海老名香葉子(79)、林家三平(42)、朝丘雪路(77)、娘の真由子(38)、中村玉緒(73)、三田寛子(47)、伊藤英明(37)、バレエダンサーの熊川哲也(40)、宇宙飛行士の野口聡一さんら800人が名を連ね、長男の市川海老蔵(35)の妻でフリーキャスターの小林麻央(30)の姉・小林麻耶(33)も駆けつけた。
弔問の後、安倍首相は都内の私邸前で「世界に誇るべき歌舞伎の宝である団十郎さんを失ったことは本当に残念だ。第1次安倍内閣の時のパリでの『勧進帳』公演が思い出される。ご冥福をお祈りします」と追悼した。
団十郎さんの遺体は1階の稽古場に安置され。スーツ姿でおだやかな表情の團十郎さんの写真が置かれているという。関係者によると、遺影は08年7月に『婦人画報』で希実子夫人と一緒に撮影した写真をひとりに加工したものが選ばれた。
祭壇は胡蝶蘭を中心に沢山の花で飾られ、右側には4月に開場する歌舞伎座で上演するはずだった「助六」で使用する蛇の目傘が置かれ、左側には高円宮家から贈られた胡蝶蘭が置かれた。團十郎さんは紋付袴姿で棺に納められ、棺の上には「勧進帳」の弁慶役の巻物と数珠。中には「助六」の衣装と紫の鉢巻が入れられた。
後日本葬を行う予定で、喪主は長男の海老蔵が務める。神式のために戒名はない。