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【総選挙直前】ニコニコ討論会を元に政党間の主張を再録!~消費増税について

 いよいよ明日12月16日に投開票が行われる衆議院議員選挙。各世論調査では、「自民党有利、民主党惨敗、第三極は伸び悩み」と、報じられている。とはいえ、「どの政党に入れるか決めかねている」人が半数近くいるのも事実で、まだまだ予断を許さない。

 そこで、株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴがniconicoの主催する「ニコニコ動画」で、11月29日東京・六本木のニコファーレで10党首が一堂に会して、政策を訴える「ネット党首討論会」が行われた。

 <消費増税について>

 ■日本共産党・志位和夫 幹部会委員長
 今のデフレ不況はですね、国民の所得が減り、消費が冷え込み、内需が落ち込む。そしてまた所得が減るという悪循環に陥っております。こんな大不況の時に、大増税を被せたらどうなるか。国民に13.5兆円もの負担増を強いる。これは結局、所得をそれだけ奪うということですから、これは日本経済の底がどーんと抜けてしまうことになります。そして、経済が悪くなったら、税収も入ってこなくなります。1997年に、消費税を5%に引き上げた時に、当時、若干上向きだった景気が一気に不景気になった。その引き金を引きまして、国と地方の税収は、結局90兆から76兆にどーんと減ってしまいました。ですから、増税は、暮らしも経済も財政も壊すもので、これは中止すべきだと。私達は、消費税に頼らない別の道があるということを具体的に提案しておりますが、そういう方向を本当に探求すべきだと思います。

 ■日本未来の党・嘉田由紀子 代表
 日本未来の党は、現状における消費税増税には、凍結でございます。まず、不況下における増税により、より経済が悪化するということがございます。今やるべきことは歳出を徹底的に削減をし、無駄をなくすことでございます。私は地方自治をお預かりして、よく分かるんですが、霞が関で決めた予算というのは、本当にいろいろな無駄が含まれております。たとえば水害対策で「400億円のダムをつくれ」。これをたとえば滋賀県でしたらば、10分の1で、40億円で同じ水準の水害対策をしました。ですから、無駄を省く。合わせて「稼ぐ力をつける」。地域の中で、女性、若者。特に子育て中の女性、今、340万人が仕事を欲しがっております。この方たちが、望み通りに仕事についたら、7兆円の内需が拡大できる。女性と若者の稼ぐ力をつけることによって、内需を拡大し、元気な経済を内側から作ることが重要だと思っております。

 ■新党日本・田中康夫 代表
 古今東西、増税で景気浮揚した国家はどこにもありません。イギリスは、消費税に当たる付加価値税を昨年1月に2.5%上げました。2ヶ月で、買い控えのために消費税収が減りました。そして1年経った今は、所得税も法人税も減少して、全体の税収がマイナスです。私は野田さんにお聞きしたいと思いますが、財務大臣のときに、日本の株式会社、あるいは連結決算を導入している超大企業が何%税金を払ってらっしゃいますか、法人税をと、いう質問に対して、わずか3割であるとお答えになりました。これは公正な税制ではありません。利益に対して課税しているからです。ですから、わたくしは、広く薄く、各企業が活動量に対して納税をする外形標準課税を入れれば、今の法人税の3分の1になっても、すべての企業が払えば、3かける3で9、10%法人税収が上がる形になります。なぜこのような不公平を、一票の格差を是正するとおっしゃるあなたが放置してらっしゃるのか。ぜひ後ほどお聞かせいただきたいと思います。

 ■社会民主党・福島瑞穂 党首
 この不況下で、このデフレ下で、これだけ格差が拡大している中での消費税増税はおかしいです。それから、民自公が、今回、消費税を増税するにあたって、富裕層への増税を全部カットしてしまった。これは問題です。一番ピーク時で、法人税と、それから所得税の累進課税。所得税の部分で、18兆円、これは減税に今なっている。その差額があるんですね。どうして、法人税は下げ続け、そして所得税の最高税率は下げ続け、今回、証券税制、相続税、所得税の最高税率を上げることなど、全部をやめてしまったのでしょうか。やはりこれは、富裕層へ配慮していて、それから広く薄くとって、生活が困ると思います。ヨーロッパは所得税が高いと言われるけれども、イギリスでもスウェーデンでも、消費税が高くても、軽減税率があり、食料品やそういうものは、税率ゼロか軽減税率がある。10%に消費税率がなったら、35%、国税に占める消費税の割合、ダントツになります。おかしいです。この不公平は我慢ならない。

 ■自民党・安倍晋三 総裁
 先ほど志位さんが言わたんですが、1997年の事例はですね、我々も参考にしています。ですから、経済の状況が悪い状況、いわばデフレがどんどん進行していくという中においては、我々は消費税は上げません。しかし、毎年1兆円、年金・医療・介護、そして子育ての給付が増えています。それに対応していくという責任感を私達は持たなければいけない。既に900兆円近い借金があります。この金利の問題もあります。世界の信任を得ながら財政再建を目指していく。ただ、これは税金を上げるだけではなくてですね、先程田中さんがおっしゃったように、やっぱり経済を成長をさせていく。デフレから脱却しなければ、残念ながら税収は増えて行きませんから。我々はデフレ脱却について、今までのレベルではない、新しい、日銀の伝統的な方法でない新たな次元のデフレ脱却政策を進めて行きたいと考えているんです。そしてもちろん、無駄遣いをなくしていく。経済成長、そして無駄遣いをなくす、これが大切だと思います。

 ■民主党・野田佳彦 代表
 どなたでも人生のどこかで社会保障のサービスを受けざるを得ません。年金、医療、介護、子育て。それはタダではありません。給付があるということは負担があるんです。今までは、現役世代を中心に過重な負担がありました。でも、支える側が少なくなっている時に、これは持続可能性がありません。今、現役世代ではもう任せきれないから、将来世代のポケットに手を突っ込んで、社会保障をまかなっているんです。これも持続可能性がありません。

 だとすると、どなたもどこかで社会保障の出番を待つならば、みんなで等しく分かち合おうというのが、これが消費税なんです。その安定財源を確保することによって、将来の年金、社会保障、まさにこれを安心なものにし、子育てを応援しようということです。これは負担だけではなくて、給付があるんです。社会保障っていうのは、再分配機能があるんです。その、まさに給付の面も考えていただきたいと思います。また、所得税や資産課税、金融税制のお話がありました。これは格差是正の観点で、当然のことながら見直していくべきだと思っておりますし、そうしなければいけないと思いますし、低所得者対策もきちんとやっていくことが必要だと考えております。

 ■公明党・山口那津男 代表
 一体改革では、社会保障の機能強化をするために、税制全体の改革が必要だということで、所得税や相続税についても再分配機能を高める、累進度を高めると、こういう改正をやることになっております。中核は消費税でありますけれども、この消費税については、制度設計にあたって低所得者対策、中でも、我々は軽減税率を採用すべきだと、8%段階から取り入れるべきだと、こう考えております。軽減税率はヨーロッパで長い経験を有しております。生活必需品、食料品など、あるいはメディア、知的媒体など、こういった物に軽減税率を適用しております。そして、国民の皆さんにもアンケートを取ったところ、600万人を超える方々から賛同の書面を既にいただきました。国民のみなさんから理解を得られやすい、そういう軽減税率が最もふさわしいと思います。景気対策をしっかりやって、この消費税の制度設計を完成させるべきだと考えます。

 ■みんなの党・渡辺喜美 代表
 消費税が社会保障の財源であるという大前提が間違ってるんですね。社会保障は、所得の再分配というのであれば、これは所得税の体系の中でやればいいだけのことです。消費税というのは、所得のない人も、小学生も払う税金なのであって、こういう税は全額、地方の財源にするのが相応しいのであります。我々はまず「税と保険料の一体改革」を提案します。歳入庁を作れば、これは、保険料の取りっぱぐれが、およそ10兆円ぐらい回収できるようになります。なぜこれをやらないのか。また、保険料でも、医療保険料のように、官民格差があるものがあります。こういうものを、料率を一律にしてしまえば、2兆円からの増収になります。医療保険料の上限を撤廃すれば、またこれも不公平是正になります。

 ■新党大地・鈴木宗男 代表
 3年3カ月前の政権交代選挙で、ときの鳩山代表は「4年間は消費増税の議論はしない」と、明確に言いました。それがどうして、1年後、政権取ってですよ、間違って菅首相になったら、消費増税なんですか!TPPなんですか!民主主義というのは、手続きが大事なんです。その次に大事なのが中身なんです。手続きも取ってない、中身も取ってないのは、民主主義に反するんです。同時に、消費増税で国民に新たな負担を強いるならば、まずは国会議員の定数削減です。衆議院は100人!参議院は115人ぐらい切る!国家公務員、民主党は2割削減を言いました。2割削減をすれば、1兆8000億円の財源がでるんですよ。こういった、まずは国会議員や国家公務員が身を切る、血を流す!これをやってから初めて、私は、消費増税の議論だと思っているんです。原点に返ってください。

 ■日本共産党・志位和夫
 私ですね、先ほどの総理の発言を聞いて「社会保障の財源だから仕方がないのだ」という話だったんですけど、なぜ不公平税制を正そうとされないのでしょうか。今ですね、所得税というのは、所得が1億円を超えますと、逆に税の負担率が下がると。富裕層に対する、減税のバラマキをやってきた結果です。それから、大企業の法人税の実行負担と、中小企業の実行負担は、大企業が19%に対して、中小企業は26%ですよ、国税で見て。これは大企業優遇税制をずっと続けてきた結果です。まず、この不公平税制を正してですね、やはり大企業、富裕層、応分の負担を求めることがまず先ではないでしょうか。その上でですね、私達は社会保障を抜本的に良くしていくためにはですね、所得税の累進を強化する。この累進課税の強化によって新たな財源を作ればいい。なぜ消費税でなければいけないのか。なぜ弱いものいじめの税金に固執するんでしょうか。

 ■民主党・野田佳彦
 今の志位さんのお話ですけども、先程申し上げた通り、税制の抜本改革をやらなければいけないんです。消費税の引き上げを行って、国民の皆様にご負担をお願いする分は、これは全額、社会保障にあてる。その説明をさっき申し上げましたけども。一方で、所得税であるとか相続税などの資産課税、これについては格差是正の観点からの見直しが必要だと思っていますし。いつも共産党からご指摘をいただく証券優遇税制についても、平成27年1月をもって廃止をするということでございますので、こういう抜本改革の中の一つであるということであります。

 それから鈴木代表からお話がございましたように、マニフェストには確かに書いてありませんでした。しかし、ヨーロッパの金融危機等を踏まえて、財政と経済の両立を図らなければいけない時に、「待ったなし」の状況に来ていると思い、判断を致しました。そのための党内手続きは、丁寧にやってきたつもりでございますので、別に私が暴走して決めているわけではございません。そして今回はこういう形で、まさに国民の皆様に信を問うという選択をさせていただいた次第であります。

 ■新党大地・鈴木宗男
 今の話でね、ちょっと一つだけ。総理、鳩山首相のころ、鳩山首相はこう言いました。「菅直人財務大臣が海外に行く度に、『増税の話をさせてくれ。増税を言っていいか』と言ってきたけど、『俺は4年間やらないと言ったから、駄目だと言ってきたんだ』」と。鳩山さんが現役総理の時ですね、こう言ってましたよ。今の総理の話と齟齬(そご)がありますよ。

 ■社会民主党・福島瑞穂
 それから、3党合意も、消費税増税しないってことでしたよね。

 ■新党日本・田中康夫
 野田さんは、私のご質問にまだお答えになっておられません。日本は株式会社の7割が法人税、法人事業税を1円も払っていない。経団連に代表される連結決算を行っている超大企業の66%が、法人税も法人事業税も1円も払っていない。なぜか。累積赤字の会社を、資本金があるので買うと、一旦赤字になると。その翌年に黒字になっても、最大7年間、法人税も法人事業税も1円も払っていないわけです。そして「財政規律を守るために消費税を上げる」と、おっしゃった。しかし、今国会において、民主党は財政規律を破る赤字国債、特例国債を国会の審議なしで、3年間、青天井で出せるということを決められた。これはまさに、戦前戦中に軍部の予算を、国会も政府も審議をすることができずに、戦時国債を発行してきたことと同じです。一票の格差、そして財政規律を守ると言うのならば、なぜ法人税を先程言ったように、外形標準課税にして3分の1にしないのですか?

 ■国民新党・自見庄三郎 代表
 誰も消費税なんか「上げろ」とは言いたくないですよ。15年前の1997年、3%を5%に上げた時も、私は橋本(龍太郎)内閣の郵政大臣でした。消費税は景気が悪い時に上げると、バーっと北海道拓殖銀行と山一證券が崩壊しましたからね。いかに、消費税というものが恐ろしいことか分かっていますけども。私はなぜ賛成したかと言いますとね、私は本職が医者なんですよ。やっぱし、高齢化社会に向かって、医療、福祉、年金、介護と、お金がいるんですよ。やっぱ安定したね、社会保障のためには、安定した財源はやむを得ない。いるんですよ。私は6月まで金融大臣でしたが、今、総理も言われましたように、非常に国際投機筋がね、「日本は多分、消費税、財政規律をする能力も意志もないだろう」ということがございましてね。だから、安倍さんが言ったように、私は景気がやっぱ良くないとね。1%、3%強化ありますよね。あれをきちっと守ることが私は必要だと思いますけども。「やむを得ない」と私は思っております。

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