映画『アウトレイジ ビヨンド』(監督:北野武/配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野)初日舞台あいさつが6日、東京・新宿バルト9で開かれ北野監督(65)、西田敏行(64)、三浦友和(60)、加瀬亮(37)、高橋克典(47)、桐谷健太(32)が登壇した。
一作目でヤクザ社会の熾烈な下克上抗争が繰り広げられ、その際に死んだと思われていた大友(ビートたけし)が生きていたことから、ヤクザ壊滅を図る警察も巻き込み“関東VS関西”の巨大抗争へと発展していくというもの。『第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミア上映』などでも上映されるなど、公開前からさまざまなトピックが飛び交っているのも本作ならではのもので、北野監督作品では初となる200館以上での上映も決定している。
作品の内容に合わせて、それぞれスーツ姿で登場したキャストら。まずは、MCから「人に勧めたいと思いますか?」と観客に投げかけ、場内のほとんどが手を挙げたが、その反応にたけしは、「手を挙げないとまずいんじゃないという空気で、こんな押し付けがましいインタビューはないと思います。でも、その中で手を挙げなかったやつが2人くらいいたので、あとで殴ってやろうかと思います」と、あいかわらずの毒舌が炸裂し笑いを誘うことに。さらにその毒舌は止まらず「『アウトレイジ ビヨンド』というタイトルはプロデューサーがつけたものです。本当は『朝のラジオ体操』ってつけようと思った」などの裏話で、盛り上がることとなった。
本作は緊迫した場面で笑ってしまうほどのものに仕上がっており、その部分についてたけしは「あんまり笑わそうと思ってないんだけど、葬式とか結婚式とか緊張した場面というのは、お笑いが悪魔のように忍び寄ってくる。結果的にお笑いになってしまう」と、すべてが計算ではないことを強調。それでも「ベネチアに行ったら違うところ、ドキドキしてほしいところで笑ってた。違う感覚なのかなと。そうなったら仕方ないというのはありますけど」と、当時の様子を振り返るたけしは、「お笑いを撮るとその人の実力がバレてしまうというのがある。(映画)『みんな~やってるか!』は私の汚点と言われてますが、あれが一番好きなんです」と、告白し笑いを誘うことも。
ちなみに、一番悪い役については、西田が「大友ですよ」とぶっちゃけ、隣のたけしは苦笑い。三浦と加瀬は小日向演じる刑事を挙げ、三浦が「あの刑事ロクでもないですよね!」と真面目だったが、たけし同じ質問が飛ぶと、「(製作の)テレビ東京と(配給の)ワーナー・ブラザースですね。やくざ映画なのになんでこんなにコメディーやらなきゃいけないんだと。三浦さんとかみんなにひどい目に遭わせて、バラエティーに出てもらって全然関係ないことやってもらって申し訳なかったです」と、三浦に頭を下げ、三浦はこれに恐縮しているようだった。
「一作目はちょっと女性の方には見るに耐えないシーンがありましたけど、暴力をわりかし少なくしてサスペンスを入れたりしました」と、PRがあった映画『アウトレイジ ビヨンド』は6日より全国公開中!