西川美和監督「夢売るふたり」カナダ・トロント舞台に立つ!オリジナルにこだわる理由とは

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西川美和監督「夢売るふたり」カナダ・トロント舞台に立つ!オリジナルにこだわる理由とは

トロントでの舞台あいさつに立った西川美和監督

 女優・松たか子(35)、俳優・阿部サダヲ(42)共演で話題となった8日から公開中の映画『夢売るふたり』(配給:アスミック・エース)。そのメガホンを取った西川美和監督(38)が10日、カナダ・トロントで開催された『第37回トロント国際映画祭』での舞台あいさつに立った。

 夢に向って東京の片隅で小料理屋を営んでいた夫婦は、火事のため財産などすべてを失ってしまう。夢を断ち切れなかった2人が始めたのは、妻が計画し、夫が女を騙す結婚詐欺だった。しかし、繰り返されるウソがそのうち、2人の間にさざ波のような不和を生んでいくこととなっていく。

 上映前の舞台あいさつで、満席の観客に迎えられた西川監督。「是枝裕和監督から、トロントはとてもいい映画祭だといつも聞いていたので、ここに来ることができて本当に嬉しいです」と、笑みを見せることに。

西川美和監督「夢売るふたり」カナダ・トロント舞台に立つ!オリジナルにこだわる理由とは

 上映後にも登壇した西川監督には質問が投げかけられ、「オリジナルの脚本にこだわる理由は?」と尋ねられると、「今の日本では、原作がある映画がほとんどです。物語を作るのは一番大変な作業です。苦しいんだけれど、最もやりがいを感じる作業でもあります。私の場合は、自分が作った物語だからこそ、責任をもって監督ができるんです」と、考えを語り、今後も続けていくと約束する。

 「結婚詐欺に騙される女性へ対する警告の意図はあったのですか?」という問いには、「考えていませんでしたが、今の日本では、女性の生き方が非常に多様化していて、生き方にいろいろな選択肢があるだけに、そのぶん悩みが多く生きづらい世の中になっていると感じるんです。そんな女性たちの悩みを描きたいと思いがありました」と、コンセプトを説明して応対することに。

 さらに、西川監督は、「傍から見たら、満足しているように見える女性でもどこか欠落していて、その欠落している部分に付け込まれるというのは誰でもあると思います。誰でも詐欺に遭う可能性があるのではないか、と。だから気をつけてください」と、ニヤリと笑う場面もあった。

 最後に、「ちょうどこの映画の準備中に、日本では大きな震災がありまして、映画を作ること自体に疑問を抱いた時期もありました。でも、震災に遭われた方が、いつか日常に戻れた時に、また新しい物語を観られる環境を作っておきたいと思って、頑張りました」と、秘めていた思いを語り、終了となった。

 また、同作は今後、トロント国際映画祭に続き、9月27日からの『第31回バンクーバー国際映画祭』、10月10日からの『第56回ロンドン映画祭』、10月11日からの『第48回シカゴ国際映画祭』などに出品予定となっている。

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