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日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古

 韓国No.1ミュージカル『パルレ Vol.3』の公開舞台稽古が21日、東京・日本橋の三越劇場で行われ女優の小林亜美、韓流歌手のJUST(34)、岡まゆみ(56)、元宝塚の美羽あさひ(31)らが本番さながらの演技を展開した。

 同作は150軒ちかくの小劇場が集まる韓国の演劇街・大学路(テハンノ)で人気を博し2005年からロングランが続けられる大ヒットミュージカル。7年間で35万人を魅了し、今もなお記録を更新し続け、日本でも今年3月に初演されそのわずか3ヵ月後には再演。初演と再演では元SDN48の野呂佳代(38)が主演したことでも話題となった。そんな、韓国語で“洗濯”を意味するパルレが満を持しての再演される。作・演出はチュ・ミンジュ、音楽はミン・チャンホン、共同演出は鈴木考宏がつとめ、19曲のミュージカルナンバーとともにステージから届ける。

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古

 舞台は韓国の首都・ソウル。急成長も目覚しい都会の片隅にある長屋街にナヨン(小林亜美/大塚加奈子)が引っ越してくるところから物語は始まる。そこで描かれるのは希望に燃え、地方から上京しながらも低い給料で書店員として働き糧を得る鬱屈した“ままならなさ”だ。ナヨンの住む雑多な路地裏には同じような境遇の人で溢れている。口やかましくがめつい大家の老婆・“大家さん”(岡まゆみ)、隣り住むの“ヒジョンちゃんママ”は結婚に失敗し同棲する男とケンカが絶えない。そして不公平な境遇や差別にあえぐ外国から出稼ぎにきた労働者たち。そんな一角でナヨンはモンゴル青年ソロンゴ(JUST/上杉輝)と出会う。

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古

 ナヨンはワンマン社長に口ごたえしたことで「書店で働きたい若い女なんていくらでもいるんだ!」と店頭から外され、倉庫作業を命じられる。ナヨンは語る、ソウルに来てから5年、その間の恋は2度。27歳になり、さまざまな曲がり角に直面している。一方、ソロンゴは給料の未払いや遅延に泣き、ちょっとした景気の上がり下がりであっさり解雇されてしまう。韓国だけではなく、日本でも、世界中でも繰り広げられている普遍的な光景。そんなある日、ナヨンが屋上に干した洗濯物が風に飛ばされ、隣りに建つソロンゴの屋上小屋に届く。そんな偶然の出会いからはじまったふたりは、やがて立場は違うけれど、ままならない境遇に負けずに日々をたくましく生きる姿を鏡のようにお互いの中に認め合う。

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古

 モチーフになっている洗濯について印象深い場面がある。物語終盤で古くなった服を捨てようとするソロンゴにナヨンは「洗えば新しくなるじゃない」と語りかける。私たちは知っている。いくら洗濯をし、アイロンをかけても服は新品に戻ることはない。繰り返される洗濯は確実に寿命を縮める。だからといって洗わなければ汚れはそのままだ。溜まっている洗濯物はひとりでに綺麗になることはない。だからこそ、彼女たちは手を動かし洗濯する。日々のままならなさを更新し、そして新たな活力を吹き込む。舞台を締めくくる登場人物たちの笑顔は、まさに洗いざらしの笑顔だ。

 三越劇場で8月22日から27日まで上演。

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演

日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
左から小林亜美、JUST
日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
岡まゆみ
日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
美羽あさひ
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ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古
日々のままならなさを“洗濯”する韓国No.1ミュージカル『パルレ』上演
ミュージカル『パルレ Vol.3』公開稽古
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