NO IMAGE

常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…

常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_06
映画公開に感激の常盤

 女優・常盤貴子(40)が18日、都内で行われた映画『汚れた心』(監督:ヴィセンテ・アモリン/配給:アルバトロス・フィルム、インターフィルム)ジャパンプレミア試写会舞台挨拶に俳優・伊原剛志(48)、奥田瑛二(62)とともに出席した。

 第二次世界大戦後のブラジルを描いた同作品。当時の日本とブラジルは国交が断たれており、ブラジルに住む日系移民の大半は、正確な情報を得られず、日本が戦争に勝ったと信じ込んでいた。元日本帝国陸軍大佐・ワタナベ(奥田)は、大和魂の名のもとに裏切り者の粛清に乗り出す。ワタナベによって、刺客に仕立てられた写真館の店主・タカハシ(伊原)は、血生臭い抗争に巻き込まれ、妻のミユキ(常盤)との関係も引き裂かれていき…。

 3人が登壇すると、一般客が拍手で迎え入れたが、奥田が何を思ったのかMCの伊藤さとり(41)のほうに近づいていく。すると、奥田は「“よごれた”心じゃなくて、“けがれた”心」と、映画のタイトルを間違えて紹介した伊藤に注意! 伊原も「(裏で)4回ぐらい言ってました」とこぼし、場内は笑いに包まれ、伊藤は「大変申し訳ございません!」と反省しきりだった。

常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_02
奥田(右)がMCの伊藤に近づき…

 その後の挨拶でも、伊原、常盤、奥田ともに「きょうは“けがれた”心を…」と、ことさら強調する悪ノリで、観客を笑わせる。主演の伊原は、「2年前に撮影したものが、ようやく日本で公開されて、皆さんの目にとまることを嬉しく思います」と感慨深げで、「オーディションのときに実際、こういうことがあったと話を聞いて、まったく知りませんでした。ブラジルって日本から一番遠い国だけど、遠ければ遠いほど故郷を思う気持ちって強いんだなって、この映画で思いました」と、2000年にブラジルの新聞記者フェルナンド・モライスが発表した小説をもとに、映画化された同作品について語った。

 常盤も「どこか遠い国でのお話と思ってたけど、(台本を)読み終わってから、だんだん自分の中で恐怖が膨らんでいった」と、この話を知らなかったことから入ったようで、「一番大きかった恐怖は、報道の規制。それによって、みんな不安をあおられて、どんどんエスカレートしてしまうのはいまにも通じること」と、シリアスにコメント。

 日本人の大佐を演じている奥田は、「自分が俳優の中で年長者で、軍隊の役も経験しているけど、なにせ異国の地の話。日本の間逆であるブラジルにおける日本人のアイデンティティー、当時戦時中にあっても大和魂にどう自分が対峙するか、役作りの中で入れ込んでいった」と、役作りのこだわりを。撮影中はずっとブラジルの森の中に一人でいたとのことで、「だからつらかった~! この人たちはね、休みのときにリオデジャネイロとかイグアスの滝とか行くんですよ」と、伊原と常盤を指差し、場内が笑いの渦に。さらに「森の中にヤモリがいて、真っ黒なヤモリにはクロちゃん、白いほうにハナコと名前をつけて友達にして、それが唯一の僕のなぐさめだった。あとカピバラもいましたね」と続け、周囲を和ませる。
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_11

 これに伊原も「たしかに奥田さんはどこにも行かなかったですね。毎晩、集まって酒は飲んでましたけど」とうなずき、「日本から行ったキャストが一致団結して、いい意味で闘ったというか。日本で公開されるときに“なんちゃって日本ストーリー”にならないように、向こうの役者さんに演技指導をしたのは奥田さんです」と、“奥田塾”が開かれていたことを明かす。それも、「監督はブラジル人で、日本語がわからないから、奥田さんがOKだったら、OKを出してました。奥田さんは自分の出番がない日も、ずっと現場に来ていた」という気合の入りよう。

 演技指導にあたった奥田は、「日系三世の方とかいるから、奥田軍隊を作って、『進めー!』『止まれー!』とか言って。胸を張った立ち方、敬礼、万歳の仕方とか全部きちっと教えました」と熱く語り、「最初はダラッとして、『オハヨウ、オハヨウ』とか言ってたのが、『おはようございます!』ってなるんですよ。ならなかったらビンタ張ろうかというぐらい、容赦なく鍛えました」と、スパルタ教育を仕込んだようだ。

常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_04
「遠い国の話だと思っていた」

 ここで常盤が観客に向かい、「この中で、ブラジルに行ったことがある方って何人ぐらいいらっしゃいますか?」と聞くと、一人だけが挙手。これに常盤は、「一人しかいないぐらいほとんどみなさん知らないんですよね。日本以外の国で一番日本人が多い国なんですけど、だけど、私たちはほとんどブラジルのことを知らない」とし、「私たちも現代に生きていて、あの時代の常識とはずれてしまっているので、夜中にインターネットで調べたりしました。初めての経験だったけど、撮影の中に出てくる“消え物”という料理を自分で作って、現場に持っていきました」と、貴重な体験談を語る。そして、「公開できることが奇跡的だと思えるぐらい嬉しい。きょうここに来てくださってる方は、この映画で言うなら知識人だと思う。それをぜひとも、大変な思いをするかもしれない人たちに伝えていただきたい」とメッセージを送った。

 伊原も「誠心誠意、魂を込めてやってきた作品なので、ぜひご覧いただきたい」と、同作品に対する思いは熱く、「第二次世界大戦直後のブラジルにおける話だけど、最近のオウム(真理教)の事件も見ていて、いまの世の中にでも通じると思う。人間の弱さ、洗脳される弱さとか。会社の中でも上司に『会社のためだから、お前やれ』って言われて、本当の気持ちが言えなくて、同期の人間をリストラしてしまう自分がいたり。いつの時代にでもある出来事なんじゃないかな」と現代社会に警鐘を鳴らした。

 奥田が「これをやろうと思っていた日本の監督が何人もいたと聞いた。それをブラジルの監督にステキな目線で撮っていただいた」とPRした『汚れた心』は、21日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開!
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_08

 

 

常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_07
常盤貴子
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_01
常盤貴子
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_09
伊原剛志
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_03
「誠心誠意、魂込めた作品」
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_10
奥田瑛二
常盤貴子 ブラジル映画日本公開に「奇跡」と感激!奥田がMCにチクリ…_05
表情豊かな常盤
広告