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荒牧伸志監督「ガンダム」影響の“宇宙の戦士”最新作成果に手応え!“呪縛”にも

荒牧伸志監督「ガンダム」影響の“宇宙の戦士”最新作成果に手応え!“呪縛”にも
劇中に登場するモデリングを見ながら制作秘話などを明かす荒牧伸志監督

 フルCG映画『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』(配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)劇場公開直前に控えたスペシャルトークショーが17日、都内で開かれ荒牧伸志監督(51)と宮武一貴氏(62)が登場した。

 『機動戦士ガンダム』の作風に影響を与えたSFの巨匠バート・A・ハイラインの小説『宇宙の戦士』を映像化した『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズ最新作が公開。作品にはモーションピクチャー技術が駆使されたフルCGアニメーション映画『APPLESEED』などでメガホンを取り、アニメーション界の最先端を行く荒牧監督が抜てきされ、その手腕を遺憾なく発揮した意欲作だ。今回はそのゲストに、『超時空要塞マクロス』のマクロスのメカニックデザインや劇場版『銀河鉄道999』のアルカディア号デザイン、そして小説『宇宙の戦士』装丁のビジュアルデザインをしたことで知られる宮武氏が招かれた。

 本作を先に観賞した宮武氏は、テーブルにあった『宇宙の戦士』の装丁を指しながら、「ようやくこれの呪縛から逃れられるかな。ファンの方には申し訳ないけど」と、しみじみ。「パワードスーツのデザインをやったのが1977年ですから、こんな昔のものに何年縛られているんだろうと。小説の挿絵で矛盾のないようにやったのは確かなんですけど」と続けることに。

荒牧伸志監督「ガンダム」影響の“宇宙の戦士”最新作成果に手応え!“呪縛”にも

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“呪縛”について熱弁を振るう宮武氏

 実際、『宇宙の戦士』がアニメ化された際、宮武氏もスタッフとして参加したが、「文句を言われるんですよ。変えてくれるなとか、でも、小馬鹿すぎるから変えてくれとか言われて、バズーカを前に倒したらフレームが切れるから、でも変えるな」など、相当に難しい注文もあったといい、「理論はそのままでいいと思うんですけど、メディアが変わったらデザインっていうのはダメなのかと痛切に思いました」。そんな経験を通じ宮武氏は、本作で荒牧監督が提示したパワードスーツで“呪縛”から解放されたのだそうだ。

 その話を受け、荒牧監督は「原理主義ではありませんが、最初に観たパワードスーツはこれなので、それは原点にあります。自分でデザインをしたわけではないですが、ゲーム業界にいたデザインの方に頼んで、別のアプローチをお願いしました、逆に中途半端にやるとよくないなと思って」と、前を向く。宮武氏も、「10数年前の小説を映画化しようというのはそのままでできるはずがないんです。どこまで行っても素材でしかないと思うんです。僕はこのアプローチは正解だと思います」と、満面の笑みを見せ、荒牧監督も「感無量です」と、深々と頭を下げた。

荒牧伸志監督「ガンダム」影響の“宇宙の戦士”最新作成果に手応え!“呪縛”にも
トークショーが開かれた

 ほかにも、本作の見どころでもある一からCGを組んだフルCGへも話が掘り下げられることに。荒牧監督が、「線画の質感がないわけではないですか、CGだと質感を後でつけれて、鉄に見えたりとか、発想は変わってきたなという気がするんです。以前は線で質感とかを現すというので楽しんではやっていたんです」と、これまでのアニメの現場の空気感を語りつつも、「CGはやりたい放題だけど、もっと練りこまないといけないような気がするんです。質感でプラスアルファになったとき、メカを表現している人間からしては嬉しい時代にはなりました」と、口にする。

 宮武氏もCGについて、「アニメーションからCGは普通の人間といいますか役者がそのまんま演技していることと変わらない、間の部分が埋まって来ましたね。CGはリアル調の最右翼に来たなという感じです」と、考えを明かし、本作のモデリングテスターを眺めつつ、「駆動用の可動フレームをつけた方がいいんじゃないか。でも、CGになると隙間が空くからそれが非常にうっとうしいのでこの形になったんじゃないか」と、見識を交えつつ推論すると、荒牧監督もこれには脱帽のようだった。

荒牧伸志監督「ガンダム」影響の“宇宙の戦士”最新作成果に手応え!“呪縛”にも
モデリングを見つめ

 また、荒牧監督は本日まで米カリフォルニアのサンディエゴでのプレミアイベントでコミコン・インターナショナルにも参加したそうで「反応はよかった、笑ってくれるかなというところで笑ってくれていたので狙い通りでした。終わった後のQ&Aも、ほとんどみなさん残って頂いて、突っ込んだ質問がありました。『なんで実写じゃないんだ?』とのにはスケール感を取り戻したいからっていうのと、キャラクターの表現に自信がついたからというところですね」と、見どころも交えてアピールすることも。

 本作にかかわってみて、荒牧監督は、「僕の中では『宇宙の戦士』がスタートになっています。それを『スターシップ・トゥルーパーズ』とうまく自分の中で1つにするという作業だったと思います。パワードスーツというものを『スターシップ・トゥルーパーズ』の中に存在させるのが1つのミッションだった。それは、まだまだだとは思いますが形にできたのではないか」と、成果を感じているようだった。

 終盤にはデザイナーというものについて、宮武氏が「デザイナーは描き上がって瞬間に過去なんです。描いてる瞬間だけが今なんです。みなさんに分かってほしいのは、メディアが違えば作品は違う。これは新しいメディアにたいして正解なんだと思います」と、熱弁を振るっていた。

 映画『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』は7月21日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!

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荒牧伸志監督
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荒牧伸志監督
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宮武一貴氏
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宮武一貴氏
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「宇宙の戦士」を手にトークを繰り広げる荒牧監督
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劇中に登場する人物のモデリング
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シリーズではリコ役を演じたキャスパー・ヴァン・ディーン が劇中の台詞を
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ジョニー・リコ
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カルメン・イバネス
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場面写真
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