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板尾創路、故・原田芳雄さん振り返り「あの時、原田さんキレてた」

「楽しい現場じゃなかった」

 お笑いコンビ130Rの板尾創路(48)が6日、東京・渋谷の渋谷ユーロスペースでニュープリント公開中の映画『ナイン・ソウルズ』(監督:豊田利晃/配給:リトルモア、ヨアケ)の公開記念トークイベント『ナイン・ソウルズの現場を振り返る』を俳優の渋川清彦(38)、豊田利晃監督と行った。

 故・原田芳雄さん主演の同作は03年に公開され松田龍平、千原ジュニア、板尾、渋川、伊東美咲、京野ことみ、鈴木杏、松たか子など出演。物語は、刑務所から脱走した9人の男達が1台の車に乗り込み、大金の隠されているという富士山麓の小学校を目指す…というもの。豊田監督は「この作品の公開が9年前の7月19日。芳雄さんが亡くなったのも(昨年の)7月19日」と原田さんの一周忌を偲び「(当日は)スペシャルなイベントがあるので楽しみにしてください」と呼びかけた。

映画『ナイン・ソウルズ』公開記念トークイベント

 監督は「9年前の映画を、映画館に観にきてくれてありがとうございます」とあいさつ。同作で本格的な映画初出演だったという板尾は「原田さんが映画の終盤に雨の中走るシーン。当時原田さんが『なんで虎吉は雨の中を走るんだ?』ってちょっと首をかしげてて、半分怒ってた」と笑いながら当時を振り返った。

 自身も映画『月光ノ仮面』などで映画監督としても活躍する板尾は「僕も最初観た時、そのシーンにはグッとくるところなかった。何度か映画館で観てると『雨の中で虎吉が走るシーンいいな』と思うようになった。すごく意味のあるシーンで好きなんですよ。そのことを機会があれば原田さんに言おう言おう思ってたんですけど…今どう思ってはるのかな…」と原田さんを偲んだ。

 『ポルノスター』や『青い春』など豊田作品には多く出演する渋川は「僕は『ナイン・ソウルズ』が一番印象に残ってます。芳雄さんが龍平に田んぼの中に突っ込まれた後、みんなで田んぼに裸で横になるというシーンがあったんですけど、撮影したのが春なのに寒い日だったんですよね」と語ると、板尾が「ずぶ濡れに毛布かけられると逆に寒いんですよ。それで原田さんキレてた」と続けて会場を沸かせた。

 撮影中には監督から突然揺さぶりをかけてくることが多々あったということで板尾は「台本にないセリフを監督が『言え』っていうんです。当時、原田芳雄さんと芝居するときに新人がリハーサル通りにやらへん、どんな心境か」と思わず苦笑い。豊田監督は槍玉に挙がりながらも「あんまり覚えてないですね」と涼しい顔だった。

 そんな“ひとクセ”ある豊田監督に板尾は「演出が無いぶん、すごく自分で考えて動いて気持ちを作っていかないといけない。良かったのか悪かったかも最初わからない。常にもやもやした感じが残る現場で、苦しい感じがあるんですよね」と漏らし「遠くの方からいつも見られてる感じがして、楽しくはないんですよね」とざっくばらんに語っていた。

 『ナイン・ソウルズ』は渋谷ユーロスペースにてニュープリント公開中。以降順次全国公開。

板尾創路
渋川清彦
豊田利晃監督
映画『ナイン・ソウルズ』公開記念トークイベント
映画『ナイン・ソウルズ』公開記念トークイベント
映画『ナイン・ソウルズ』公開記念トークイベント
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