
映画『道~白磁の人~』(監督:高橋伴明/配給:ティ・ジョイ)初日舞台あいさつが9日、都内で開かれ吉沢悠(33)、酒井若菜(31)、石垣佑磨(29)、塩谷瞬(30)、黒川智花(22)、近野成美(23)、田中要次(48)、手塚理美(51)、高橋監督がそれぞれ登壇した。
日韓双方の教科書に載る80年前に実在した人物・浅川巧を描いた作品。日韓併合の4年後となる1914年から始まり、23歳で韓国に渡った浅川(吉沢)は、林業技士として朝鮮の山に緑を戻そうと理想に燃える青年だった。浅川は朝鮮人が当時軽蔑されるなか朝鮮語を学び、白磁に代表される工芸品などのすばらしさに目覚め、朝鮮語の先生でもあるチョンリム(ペ・スビン)との友情を深めていくこととなる。しかし、時代はそれを許さず、抗日運動の罪でチョンリムが投獄されてしまうという事態となってしまい…。日韓合作でKOFIC(韓国映画振興委員会)の支援を初めて受ける外国映画としても注目される同作がついに公開となる。
この日は関東圏も梅雨入りし、あいにくの雨模様となったが、主演の吉沢から、「僕が白磁のイベントにかかわると雨が降ります。もともと晴男のはずなんですが、吉沢さんがな浅川さんが亡くなったときには雨が降っていたという話でした。そこにはリンクするものがあるのではないかと思います」と、しみじみすれば、浅川の後妻・咲を演じた酒井も、「きょうは雨ですけど、初日に雨が降るとヒットするジンクスを聞きました」と乗っかりつつ、「タブー視されていた時代背景に浅川巧さんのことが描かれていて、キャストスタッフ全員が思い入れのある作品です」と、一丸となって臨んだものであることを話した。
1ヶ月にわたる韓国ロケで団結力も深くなったようで、浅川の父で思想家・柳宗悦を演じた塩谷は、「考えることがたくさんあって、白磁チームは毎月集まっている。彼らが生きた人生はものすごいことなんだなと。お芝居をしたとき、全部は分かっていなかったんですけど、自分の中に生命がいただけたのは嬉しく思います」と、終了してから理解するということもあったそう。
さらに、ロケ中に石垣が「『これが白磁ですか』って吉沢さんのマネするのもはやったよね」と、言い出すと、塩谷も「韓国でいるから普段と違う友情がありましたよね」と、うなずき、手塚による『手塚会』なるものが開催され、吉沢が「瞬が怒られていた」と、笑いながらエピソードを明かすことも。
「浅川さんの妻は大変そうだと思います」と、役についての感想を語った酒井だが、吉沢自体には、「10年ぐらい前にド新人で吉沢さんと共演した時にすごく優しくしてくれて、それ以来すごい大好きで吉沢さんと浅川さんがごっちゃになっている。浅川さんの夢に力になれるならなりたいな」と、恥ずかしかったのかしばらくその場で赤面し苦笑いしながら答えていた。
なお、降壇時には、モデル・冨永愛(29)と、料理研究家・園山真希絵(34)との“二股騒動”で騒がれた塩谷に対し、報道陣から「落ち着きました?」「新しい恋は?」などの声が飛んだが、こちらに答えることはなく、その場を後にした。
吉沢から、「浅川さんを通じて、未来をつかむきっかけになればと思いました。何かあすの糧になるようなものだと思います。応援よろしくお願いします」と、PRした同作は、6月9日より新宿バルト9、スバル座ほか全国ロードショーで7月12日から韓国で20館を目標に公開される。















