俳優・三浦友和(60)と元歌手で女優の山口百恵さん(53)夫妻の長男・三浦祐太朗(28)が16日、都内で行われた『三浦祐太朗』ソロデビュー&舞台『旅立ち?足寄より?』(演出:稲垣雅之)合同記者会見に出席した。
同舞台は、フォークシンガー・松山千春(56)のデビュー35周年に併せて企画。松山が77年に『旅立ち』でデビューしてから2年後の79年、23歳のときに書き下ろした唯一の自伝的小説『足寄より』が原作。松山の生い立ち、生き方、生みの親で恩師のSTVラジオの故・竹田健二ディレクターとの出会い、デビューするまでの道筋、別れを感動的に描く。『平成の松山千春を探せ!!』と題して一般公募が行われ、全国823人の応募者から1次、2次オーディションの末、最終選考に進出したのは9名。松山のファンクラブ代表も含んだライブ形式の最終審査で、三浦は、審査員全員一致で見事に松山千春役を勝ち取った。その裏には、原作を何度も読み、松山の音楽を聴き込み、映画版も繰り返し見るなど、強い思いがあったという。また、松山特有のギター奏法『2フィンガー』も、独自にマスターするという努力もあった。
三浦は、「俳優というものを通じて、自分の音楽の幅を広げていきたいと思い応募しました。松山千春さんご本人と会いました。包容力があって力強くて、それでいて優しい風のような方でした。『楽しみにしているから』と言っていただきました。期待をしてくれている千春さんに納得していただけるような舞台にしていきます。演技というものには初挑戦ですが、選んでいただいた以上、全身全霊をかけて臨みます」と、あらためて報道陣に意気込みを見せ、オーディション合格後は、自らの意思で松山の生まれ故郷である足寄をひとりで旅したことを明かしながら、「千春さんが育った場所を見て、イメージがわいてきました」と述べた。
三浦は、02年にロックバンド『Peaky SALT』を結成しギター、ボーカルを担当。08年にメジャーデビューするもバンドは活動休止。11年からはソロ歌手として活動を継続しており、今回、松山のカバー曲『旅立ち』でソロシンガーとしての再起もかける。「偉大なアーティストの素晴らしい楽曲なので、モノマネにならないように意識しています。この曲の良さを自分の歌で伝えたい。ソロアーティストとして、ラジオ出演やライブを積極的にやっていきたい」と歌手活動についても意気込みをあらたにした。また、かつて両親が共演したCMに使われていた『季節の中で』(カップリング曲として収録)を歌うことに、運命を感じるか、と聞かれると、「まあそうですね。運命というか、夢にも思ってなかったです」と照れくさそうに笑顔を見せ、「(CM映像は)Youtubeで見ました。自分の両親の若いころの映像なので、なんと申し上げたらいいのか、不思議な感覚でした」と苦笑気味にコメント。
今回の出演を両親に報告した際には、「ビックリしていましたが、“おめでとう”と一言もらいました。父は日頃からあまり多くを語らない感じですが、それでも気持ちは伝わります。僕の方にも、わかってもらえてる実感はあります」と続け、母・百恵さんについても「同様ですね。うちの家族を影から見守ってくれる、非常に包容力のある母です」と三浦ファミリーの親子の絆の深さを表した。
また、この日は舞台共演者として、タレントだった故・逸見政孝氏の長男で、三浦と同じく“二世タレント”となる俳優・逸見太郎(39)、名優の故・若山富三郎氏を父に持つ、こちらもまた“二世タレント”の俳優・若山騎一郎(47)も出席。逸見は「三浦くんとの共演を非常に楽しみにしていました。ジュニアつながりで、プライベートでも仲良くなっていけたら」と、笑顔でエールを送る。若山が、「素朴さを持ってるのに、何でも吸収してやろう、という目はさすがだなと。六本木へ飲みに行って、ちょっとハメを外してみたいね」と誘うと、出席者からは大きな笑いが。会見は欠席となった風間トオル(49)は、ビデオレターで三浦に向け、「お父さん(三浦友和)とは何度か共演させてもらいました。まっすぐでカッコいい人。その息子なので、まっすぐな千春さんを演じてくれると思う」と、期待のコメントを寄せた。
会見にはほかに、フォークシンガー・杉田二郎(65)、グラビアアイドル・鎌田奈津美(23)、ら共演陣、演出・稲垣雅之氏、プロデューサー・渡邉裕二氏が出席。この日は若山の結婚が報じられていたため、それぞれの共演者から祝福コメントが若山に送られるなど、終始和やかなムードで会見を終えた。
舞台『旅立ち?足寄より?』東京公演は赤坂・草月ホールにて7月30日?8月3日に全9公演を予定。来春に地方公演(大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌)も予定されている。三浦のソロデビューシングル『旅立ち』は、8月1日に1260円(税込)にて発売。