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安彦良和総監督が語るガンダムのテーマとは?潘めぐみ髪バッサリの理由も明らかに

安彦良和総監督が語るガンダムのテーマとは?潘めぐみ髪バッサリの理由も明らかに
安彦総監督が語ったガンダムのテーマとは?

 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 赤の決意 哀しみのアルテイシア』初日舞台あいさつが10月31日、東京・新宿ピカデリーで開かれエドワウ・マス役の池田秀一、セイラ・マス役の潘めぐみ、シャア・アズナブル役の関俊彦、漫画原作の著者でもある安彦良和総監督が登場した。

 人気アニメーション『機動戦士ガンダム』にキャラクターデザインとアニメーションディレクターとして参加した安彦総監督が漫画家として新解釈を加えて描き累計1000万部を売り上げた大ヒットコミックス『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』をアニメ化。シリーズ人気キャラクターのシャアとセイラ兄妹の過去から、ジオン独立戦争の開戦に至る物語が描かれる。本作では、エドワウとセイラという名で平穏に暮らしていた2人がなぜ別れなければならなかったのかなどを描く。

 アムロ・レイ役の古谷徹も2階席から見守るなかでのイベントに。池田は少年期から青年期に差し掛かる若いエドワウを演じ、第一声から「ちょっと頑張ってみました」と、お茶目さを見せる。そんな池田の目の前で、シャア・アズナブル役と司会から紹介を受けた関は、「自分の役名を紹介されるのにこんなに緊張することはいまだかつてありませんでした(笑)。シャア・アズナブル役の関俊彦です。すんごく頑張りました」と、心情を吐露し場内の笑いを誘う。

 シャア・アズナブル役の話が来た時のことへ関は、「『THE ORIGIN』の原作を存じあげなくて、オーディションで資料を渡された時に、“本物のシャア”とあって、『これはなんかのジョークなのかな?俺に振られるぐらいだからガンダムのパロディーでもやるのかな?』と最初にちょっと思っていたんです」と、戸惑いがあったのだとか。

 それだけに、「資料を拝見すると、よくこんな設定を考えるなと思って。ファーストガンダムのときにこんなことをにおわせることがあったんだっけという、エドワウとシャアの関係を興味津々で演じさせて頂きました。とにかくエドワウ=キャスバル=赤い彗星のシャア=池田秀一さんなので、エドワウの存在感にどれくらい肩を並べることができるかが課題でした」と、しみじみと語る関。

 そこに池田が、「本物のシャアは普段敬愛する関さんがやってくれるといいなと思っていたんです」と言い出し、関は「やめてください~!お願いですから~!」と、大恐縮!しかし、池田のイジりは止まらず、「違うシリーズで仮面かぶってなかったでしたっけ?だから、安心してシャア・アズナブルを委ねられると思いました」と、かつて関が『機動戦士ガンダムSEED』で演じたラウ・ル・クルーゼ役を引き合いにニヤリと笑いこれに場内も沸いていた。

安彦良和総監督が語るガンダムのテーマとは?潘めぐみ髪バッサリの理由も明らかに
 

 『1』が公開されたから8ヶ月経つが、周囲の反響はどうかと問われた池田は「1はシャア中尉であんまり活躍できなかったんですけど、今回は活躍してるんで評判が悪いと不安です(笑)」と、おどける池田だったが、潘は、セイラという役になりきるためにロングの髪をバッサリ切ってセイラ風にしたそうで、「役に合わせて髪を切る機会がどこかであればいいなと思っていたんですけれど、アルテイシアのときには長かったんですけど、セイラになる時には切り替えるために、長年付き合ってきた髪と別れを告げました」と、プロ魂をチラリ。

 ちなみに、『2』のラストのシーンについて、安彦監督は「2章の終わりはこのシーンしかないと思っていました。ただ、このシーンはファーストのときからファンの格好の餌食になっていた。そのときに失笑を買うようではダメだと思って、このシーンには魂を入れました。音楽も含めてうまくできたと思っています。泣かせるのと笑わせるのは紙一重で、僕も試写を観て肩の荷が降りたなと思っています」と、コメントを寄せていた。

 ほかにも、安彦総監督からガンダムが一体何を描きたいのかについて触れることもあり、「きのうラジオでガンダムの番組をやっていて、そこで古谷さんが、ガンダムのテーマと言うのは『どうして人間は戦争をしちゃうんだろう』というので、僕も原作を書きながら痛感したんです。『誰も止められないのか?戦争の悲惨さも分かってる。だけど戦争をしてしまう。これからもしてしまうんだろう、たぶん。だけど変わらないといけないんだ』とおっしゃっていました。『ガンダム』というのは戦争のさなかの物語で、よくそれが戦争を賛美しているんじゃないかと言われたり、あるいはまったく逆に戦争の悲惨さを描いているんじゃないかと両極端に評価されるんです。ですが、はっきり言うとそれは両方とも違うんです。なぜ人間は戦争をしちゃうんだろというのがテーマなんです」と、話していた。

 また、作品の最後に『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN III 暁の蜂起』が2016年春頃に公開予定ということも明かされたが、安彦総監督は、「作画が佳境に入っているところです」という進行状況だそうで、「いろんな事情から原作と違う形で、物語をこしらえていくという形になっていますが、これが結果的によかったと思っています。3章はいろんな意味でだんだんガンダムらしくなっていきます」と、期待をさせるメッセージも寄せていた。

 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 赤の決意 哀しみのアルテイシア』は31日より11月13 日まで2週間限定で全国15館にてイベント上映!

 ■「哀しみのアルテイシア」STORY
 宇宙世紀0071年。サイド3、ムンゾ自治共和国を脱出して3年。
 ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアの兄妹は、ジンバ・ラルと共に地球に逃れ、テアボロ・マス家に身を寄せており、エドワウとセイラという名で平穏に暮らしていた。だが、彼らを追うザビ家の魔の手が、再び迫りつつあるのであった…。
 そのころ、サイド3はジオン自治共和国と国名を変え、ザビ家が実権を掌握し、支配体制を固めつつある一方、地球連邦軍に対抗するための新兵器、モビルワーカーの開発に着手していた――。

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