トムス・エンタテインメントのアニメ制作50周年を記念した『あしたのジョー+エースを狙え+アタックNo.1+巨人の星=スポコン展』が8月26日、東京・松屋銀座8階のイベントスクエアにて開幕し『巨人の星』の星飛雄馬役の古谷徹と『エースを狙え』の岡ひろみ役・高坂真琴が来場した。
トムス・エンタテインメントの前身である東京ムービー制作によるスポコンといわれる原点となる4作品をアニメ原作漫画を通じて紹介するというコンセプト。セル画や絵コンテ、漫画原作者描き下ろしイラストなど500点を超える展示で当時の熱気が会場に蘇っている。
展示を一巡りしてみて、古谷は、「よく貴重な資料が残っていて、僕は飛雄馬と出会って47年すばらしい展示で感動しました。第1話の絵コンテが展示されていて初めて観たんですけど、しっかり1カットずつ絵が描き込まれているのは驚きました」と、感慨深げで高坂は「私の宝物の『エースを狙え』がみなさんに観て頂けて嬉しいです」と、感想を。
収録当時のことを尋ねると、古谷は「当時は滝のように流れる涙がとても印象的で、飛雄馬になり切って演じるときに本気で泣いてしまって台本が見えなくなってしまって、よくNGを出しました（苦笑）。それ以来、セリフを覚えるようにして、台本がなくてもセリフが読めるようにしました」と、エピソードがあるのだとか。
飛雄馬役が自分に決まった時は、「マガジンを買って読んでて涙していたので、完全にファンで頭の中に役はできあがってました。ただ、大人の役者さんもオーディション会場にはいっぱいいたので自分が飛雄馬をやれるとは思いませんでした。決まったと聞いてすごい嬉しかったですけど、すっごいプレッシャーで、アニメ声優としてはほんの駆け出しで口パクが難しくて。みなさんにご迷惑をかけながら、『巨人の星』を通じてお芝居を勉強させて頂きました」と、振り返っていた。
高坂も、「大絶叫シーンが多かったので、気持ちを入れるのが難しかったですね。絶叫といっても、ただの絶叫じゃなくて、『感情がある絶叫なんだ！』って何回かテイクしました。一番印象的なのは、藤堂（貴之）さんから頂いた手紙が飛んでいって、『ものすごい声を出せ』と言われて、どのような声かと思って悩んだんですけど、一番大事な人が死んだ時のことを思えと言われてそうしました。あとは、試合のときに息継ぎで『ハッ、ハッ』というのがあるんですが、めまいがするんですよね（苦笑）。熱が入って動いて、マイクの前からはずれそうなぐらいでした。いまでも『エースを狙え』の最終回とかは泣いちゃいますね」と、力の入ったものだったようだ。
現代ではスポコンという言葉はあまり聞かなくなったが、最近のスポーツアニメと合わせて尋ねると、「『巨人の星』のテーマになっているぶつかり合って生まれる友情とか、突き放される親の愛とか、どの時代にあっても普遍的であって、心に響きますし、そういうものは変わらないと思いますね」と、根底に流れるものを語っていた。
『あしたのジョー+エースを狙え+アタックNo.1+巨人の星=スポコン展』は9月7日まで開催！なお、松屋銀座内では会期中1日5回の2時間おきに古谷による星飛雄馬でのアナウンスで「とうちゃん！これは見逃せないぜ！姉ちゃん、花形と一緒にどうだい？初公開となるセル画や絵コンテ、貴重な漫画原画など、なんと500点。500点を超える圧倒的な展示数!! 見応えあり過ぎ感動しすぎ動悸息切れに気を付けろ！」など熱のこもったものが流れている。
