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レスリー・キー氏&河瀬直美監督 2人で生きる意味など熱い思い!死ぬ気で臨む仕事論

レスリー・キー氏&河瀬直美監督 2人で生きる意味など熱い思い!死ぬ気で臨む仕事論
レスリー・キー氏が河瀬直美監督と熱いトークを繰り広げた

 写真家のレスリー・キー氏が16日、東京・シネスイッチ銀座で映画『あん』(監督:河瀬直美/配給:エレファントハウス)大ヒット御礼3夜連続トークイベント最終日を河瀬監督(46)とともに開いた。

 その感動の物語が話題となり公開14日間で興行収入2億4000万円になり16日で20万人を動員のヒットを見せている本作。どら焼き屋「どら春」を舞台に雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)。ある日、「どら春」の求人募集の張り紙をみて、そこで働くことを懇願する1人の老女・徳江(樹木希林)が現れる。徳江の作るどら焼きの粒あんはあまりにもおいしく、みるみるうちに店は繁盛していくのだが、徳江が昔ハンセン病を患っていたということが近所の噂となり、それが彼らの運命を翻弄しだす…。

 2人はMCが注意事項を読み上げているときに待ちきれないとばかり登場。この日はこれまでの2日間とは少し違い、2人がトークする後ろにキー氏がカンヌ国際映画祭で撮影した、河瀬監督らがレッドカーペットを歩く姿の写真を展示。これについて、キー氏は「入っちゃいけないエリアで1時間待って撮影した。命かけて撮りました」と、さっそく写真家魂を披露した。

 カンヌ国際映画祭の本作オフィシャルカメラマンはキー氏が務めたが、これは数日前に河瀬監督からの呼びかけがあったからだそうで、キー氏は「これは私の人生の中で絶対に間違いがないと思ったらそこしか考えないから、いろんな方に言って、マネージャーに言ってスケジュールを変えてもらって」と話したが、河瀬監督は「藤原紀香さんの撮影の約束があったんでしょ。今だったら許されないよ(笑)」と、裏話も飛び出した。

 作品について河瀬監督は、「徳江さんが最後に遺したメッセージに尽きます。“見なければ何もない”というシンプルな哲学なんです。若い世代の人には、何かになった方がいいんじゃないか、夢や希望もあった方がいいんじゃない?と思うかもしれませんけど、そういうことを言っているのではなくて、もちろんあった方がいいんですが、何かになれなかったとしても大丈夫だよ、私たちが見る世界はこんなに素晴らしいんだよということを言ってるんです」と、解説。

レスリー・キー氏&河瀬直美監督 2人で生きる意味など熱い思い!死ぬ気で臨む仕事論
 

 すると、キー氏は「映画を観てあんなに泣いたのは久々、10代以来かもしれない。それは自分が生きる意味とか、いつも探している。私の写真も、その人のために何か役に立つのかとか考えてるんです。直美さんにも伝えましたけど、『感動しましたよ!』とメールしました」と、そのときの気持ちを。

 キー氏は河瀬監督と『ビジュアルアーツ専門学校』大阪校の先輩と後輩だそうで、2007年にカンヌ国際映画祭で面識を得るに至ったそう。キー氏は河瀬監督の作品作りについて「自分の作品作りに対しての本気さが直美さんの隣にいたら、よく分かります」と、伝わってくるものがあるそうで、河瀬監督は、いま着ているヨウジヤマモト氏の服を引き合いに、「この服を作るために命を捨てられるか?という話なんです。究極なんだけど、ハサミ1つ布1つ断つというときに命と引き換えにするくらいの気持ち。情熱を傾けて何かを作ってますかということなんです。私も、その都度、その都度、それを撮るために命をかけてやってます。ここに生まれる何かの方が大事と言えます。2年前にカンヌ国際映画祭で審査員をして、スティーブン・スピルバーグ監督とご一緒したときに、彼はいつもハングリーでした。不幸になれとかそういうのではなくて、なにかを求める気持ち、嘘偽りがない。スピルバーグ監督ですらそうなんです」と、熱弁。

 さらに、河瀬監督は「レスリーは最近、『直美のためなら死ねる』と言ってますよね」と話し、キー氏は「これいるの幸せだと思わない?」と、笑みを見せていた。

 ほかにも、なぜキー氏が写真家という道を志したのか、きっかについて河瀬監督が尋ね語られることとなり、13歳の誕生日の際に、それまでのキー氏の姿が写真として残っておらず5歳になる妹の姿を残してあげたいと初めてカメラをねだったことや、日本に興味を持ったきっかけについて、日本人とともに働いていた時に、仕事に対する誇りを持っているのが分かり、それが知りたくて、日本に23歳のときに10年分くらいのお金を貯めてやってきたことを告白。

 その撮り続けるモチベーションについて、キー氏「コンプレックスがいっぱいあるから、親いないし、それまでいいこともなかった。日本が好きというのがあった。周りがどう思っても好きというのがあった」と、熱い気持ちを語る。

 河瀬監督は、その話を受けて「私もそのときのその瞬間を失いたくなかった。その瞬間なくなるでしょ。思い出すのは。だからレスリーの写真だったかもしれないけど、私は動く絵に出会った。撮ってた時の自分と、現場から観た、撮ってた時の自分が蘇ってきて、タイムマシーンだと。あのときに出会えるというのは、記憶はね、それぞれの人の中にあるから、写真とか映像は記録なんです。絶対に変わらない記録なんです。『あん』の記憶は誰かに結びつくと思うんです」と、自身が映画を撮る理由を。

 さらに、河瀬監督は「記憶、記録なんですが、それだけで人生やっていく価値とか意味があると思うんです。今、あらゆるものを表現できる。でもいくら技術が進歩しても、私たちの心が普段何に感動して豊かなものになりえるかが大事だと思います」と、感情的に訴えていた。

 映画『あん』は絶賛上映中!

レスリー・キー氏&河瀬直美監督 2人で生きる意味など熱い思い!死ぬ気で臨む仕事論

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河瀬直美監督
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キー氏撮影の写真パネル
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キー氏撮影の写真パネル
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キー氏撮影の写真パネル
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