俳優・浅野忠信（41）が15日、東京・シネスイッチ銀座で映画『あん』（監督：河瀬直美／配給：エレファントハウス）大ヒット御礼3夜連続トークイベント2日目を河瀬監督（46）とともに開いた。
5月30日から公開され今月7日までには興行収入1億4869万9400円（観客動員数12万7293人）のヒットを記録し話題となっている本作。物語はどら焼き屋「どら春」が舞台。雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎（永瀬正敏）。ある日、「どら春」の求人募集の張り紙をみて、そこで働くことを懇願する1人の老女・徳江（樹木希林）が現れる。徳江の作るどら焼きの粒あんはあまりにもおいしく、みるみるうちに店は繁盛していくのだが、徳江が昔ハンセン病を患っていたということが近所の噂となり、それが彼らの運命を翻弄しだす…。
河瀬監督が本作を観てほしいと願う俳優・斎藤工（33）に引き続いて、2日目は浅野がゲストとして呼び込まれることに。
2人はその昔、カンヌ国際映画祭ですれ違ったことがあるそうで、それまで面識もなかったそうだが、河瀬監督が「カンヌやしなんとなく日本じゃなかったから親近感があって」と話すと、浅野は「覚えてますよ。そのときぜひ使ってくださいと思いました！」と、意識したのだとか。
話題が海外と日本の俳優の違いという話題となると、浅野は、「『君はなんでここにいるの？』というのを強く持っていたほうがいい、これがやりたいんだよというのがあればあるほど周りは共鳴してくれるんです。そういうのがなくても、いてもいいというけれど、やっぱり人は力がある方向にそれぞれ行ってしまう。『君はどう思うの？』と聞かれた時に何も言えないのは、学校というところから始まっているような気がするんです。考えないでいいような環境があって、それは悪いことではないと思うんですけど、役を演じるときに、こう思うんだよというのがあって、そうなったときに『あぁ』となっちゃう」と、思いを熱弁することも。
河瀬監督も、浅野に続いて俳優について論じ、「映画は俳優の力が作用すると思うんです。日本の俳優さんは、持っているものを出せないんじゃないかと思うんです。出ている人たちの心が動いてないと、そこは観ている人の心も動かないんじゃないかって。私も泣かされたシーンがあって、録音部とかもそのシーンを観てないけど、『うん！』ってうなずいていたんです。良いシーンはいい音も取れるんです」と、語った。
イベント中盤からは、永瀬正敏（48）が台湾からサプライズで駆けつけることに。永瀬と浅野が隣に並ぶというレアな光景に河瀬監督は「この光景は感動的です！」と、感激する一幕も。
司会から、今後、永瀬とともに浅野の起用もあるかと問われると、河瀬監督は「浅野くんがいいと言ってくれれば」と誘い、浅野はその言葉を待ってましたとばかり「そのためにきょう来たようなものですから」と、下心を隠さずガッツポーズが飛び出していた。
浅野は約40分ほどのイベントだったが楽しかったのか終始ニコニコと笑みを浮かべ、「お話伺っていると撮影中、とてもいい瞬間を過ごされていたんだろうと思います。それは作品からも伝わってきています」と、作品をPRしていた。
なおイベント中、永瀬が浅野の頭を何度かナデナデするという、ほかでは見られないような場面も見られ、フォトセッションでもカメラマンからも多くナデナデリクエストがかかることとなった。
映画『あん』は全国公開中！
