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「台風のノルダ」新井陽次郎監督 作り方にこだわり!「危険なやり方ではありますけど…」

「台風のノルダ」新井陽次郎監督 作り方にこだわり!「危険なやり方ではありますけど…」
「台風のノルダ」初日舞台あいさつが開催!

 劇場アニメーション『台風のノルダ』(監督:新井陽次郎/配給:東宝映像事業部)初日舞台あいさつが5日、東京・新宿のTOHOシネマズ新宿で開かれ俳優・野村周平、キャラクターデザインで作画監督を務めた石田祐康氏、新井監督が登壇した。

 2013年に石田氏が監督した『陽なたのアオシグレ』で話題となったスタジオコロリドによる2年ぶりの最新作。文化祭前日の中学校が舞台。主人公の少年・東(野村)とその親友だった西条はあることがキッカケでケンカする状態となっていた。そんなとき、観測史上最大級の台風が学校を襲おうとしていたのだが、東は不思議な少女・ノルダと出会うこととなり…。

 外は強い雨が降りしきるなかでの舞台あいさつとなったが、場内は観客の熱気であふれ“台風”も吹き飛びそうな熱気の中でのものとなり、新井監督も石田氏も「感無量です!」と、感激。新井監督は、「作るのに1年くらいかかっています。『陽なたのアオシグレ』を作っていた時は少人数だったんですが、今回は多くの人の力を借りました。壁が高くて、それをみんなで乗り越えるという形になったんですけれど、なんとかここまで完成することができた」と、しみじみ。

 作品の構想へはタイトルにもある“台風”だったそう。新井監督は「台風が来た時の不思議な感覚を描きたくてスタートした企画でしたけれど、男の子の友情というのをやりたくて、今回それを一番のテーマにしてやっています」と、説明。

 普通のアニメ制作では、脚本を作り、そこから絵コンテを起こすという流れになるが、本作は違っているようで新井監督は、「変わったやり方をしていて、監督がこういうのをやりたいんだというのを、絵コンテを描いていくというやり方で、石田くんも含めて、企画会議みたいなのをやってホワイトボードに、起承転結を書いていって、貼っていくんです。そういうふうに物語を作って、そこで僕がミニコンテを描いて…。危険なやり方ではありますけど、うまくま踏まえつつ、キャラクターの各能力を最大限発揮してもらうためにしてみました。それもまとめられれば、うまく作用すると思います」と、熱弁。ただし、「要素が多くなっちゃってて、ちょっと詰め込み過ぎたかなという感じです」と苦笑いも浮かべ、「そういうところも楽しんでもらえれば」と、アピールした。

 一方の野村は本作で声優初挑戦となるが、「声優という仕事は初めてで、監督と話し合いながら作っていきました。」と、しっかりとコミュニケーションを取りながらだったそうで、「声だけで表現するというのは普段あまりやらないので、音を立ててNGとかもあって、結構難しくて」と、苦労もあったそう。

 さらに、野村は「僕は逆にすごく恥ずかしいんですよね」と心情を話すこともあったが、これは「初めての声だけの出演というか、普段は俳優という職業で、初めてのドラマに出るような気持ちで、それをたくさんの人に自分の初めてを観てもらうというのは恥ずかしい。自信がないというわけではないですけど恥ずかしいというか、新鮮な気持ちという形ですね」と、気恥ずかしさがあったようだ。

 ほかにも、東というキャラクターについて、野村は「こんなに僕の青春は淡くないなぁ」と、振り返る一幕も。石田氏もキャラクター話を展開し、「東と、西条は頑張ったんですけど、ノルダを描くのは苦労しました(苦笑)。その目でしかと観て頂ければ」と、苦労を語っていた。

 最後に野村からは「自分の青春時代に戻らせてくれるような作品です」とPRがあり、石田氏からは「あんな事やこんなことがてんこ盛りな映画になっているので、肌に感じてもらえれば」と、呼びかけ。新井監督からも、「素直に伝えるということの大切さを2人の関係性から感じてもらえれば」と、伝えていた劇場アニメーション『台風のノルダ』は5日より3週間限定で劇場公開!なお、『陽なたのアオシグレ』も同時上映となる。

 ■STORY
 その少女は、台風にのってやって来た。
僕たちに「本当に大切なこと」を教えてくれた、不思議な少女との一夜の物語。
 舞台はとある離島、文化祭前日の中学校。幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで親友の西条とケンカした東は、突如現れた赤い目をした不思議な少女ノルダと出会う。「“地の渦”と“空の渦”と“私”が一つに繋がれたとき、この星は生まれ変わる…」。その頃、観測史上最大級の台風が学校を襲おうしていた──。

「台風のノルダ」新井陽次郎監督 作り方にこだわり!「危険なやり方ではありますけど…」

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