お笑いコンビ『爆笑問題』の太田光（49）と田中裕二（50）が27日、東京・恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAで映画『ゼロの未来』（配給：ショウゲート）を手がけたテリー・ギリアム監督（74）来日記念イベントに登場した。
本作はコンピューターに支配された近未来が舞台。企業に雇われ荒廃した教会に1人こもって謎めいた数式「ゼロ」に挑んでいた孤独な天才プログラマー・コーエン（クリストフ･ヴァルツ）。ある日、パーティーに連れだされ魅力的な女性ベインズリーと出会う。同じ頃に「ゼロ」の秘密を知る青年ボブと知り合い、友情が生まれ、愛と友情に気づいたコーエンの人生は大きく変動し本当の幸せに気づいていくのだが…。
まずは、ギリアム監督が作務衣を着て登場。「またこうやって日本に戻って来られて嬉しく思います」と、感謝のコメントを寄せると早速質疑応答へ。オープニング・シークエンスは東京・秋葉原をギリアム監督が訪れた時にインスピレーションを得たそうだが、そのときのことを問われ、「人生初めてのカルチャーショックを受けました。広告だったりネオンだったりが瞬いていて、ローマ字だったり数字だったりの自分が分かる文字がなく、疲れてしまったので、汗をかき始めました。それでホテルに帰って寝ました」と、相当に衝撃的体験だったのだとか。
エネルギッシュでユーモアあふれるギリアム監督とは正反対な孤独な男を描いているが、「若い人に観てほしい。リアルなものに触れていってほしい」と、現代の若者へのメッセージが込められているからだそうだ。
続けて、『爆笑問題』が登場。5年前のギリアム監督作品『Dr.パルナサスの鏡』での来日のときも、『爆笑問題』がプレゼンターを務め、気心が知れているということもあり、太田が、「金儲けのしかたを彼は知らないなと。（監督にとって）重要な作品になると思うけど、相変わらず中身は分かりにくい。俺どうやって宣伝していいのか分からない。アカデミー賞獲ってから来てくれよ。じゃあ日本アカデミー賞を目指すか」と、歯に衣着せぬ物言いで、ギリアム監督も「それは認めます（苦笑）」と、ちょっとヘコミ気味。
しかし、太田が、「俺も映画の企画は出すけど却下され続けて通らない」とコメントした際には、ギリアム監督は大きくため息をつき、「映画ビジネスはワンチャンスしかない。失敗してるから無理」と“応酬”！田中はそのやりとりを見て、「似た感じのタイプなんだよ！やること一緒なんだもん！」と、呆れ返っていた。
そんな『爆笑問題』とギリアム監督でゲーム3本勝負をすることとなるのだが、太田がギリアム監督の金的を触れば、ギリアム監督はオーバーアクションでふざけて大暴れで、関係者が何度も「スクリーンだけはさわらないで下さい！」と、28日からオープンする同所が“破壊”されることなくオープンを迎えられるのかハラハラしながら見守る姿も。ゲームはギリアム監督が勝利し、なぜか、『爆笑問題』がギリアム監督にキスをするというもので、田中は「オジサン3人でキスって誰が喜ぶの？」とボヤきつつも、しっかり画になるキスを披露し報道陣を沸かせていた。
最後にファンへ向けてコメントを求められた際に、ギリアム監督は「大金稼ぎたいです。観ていただいた方はつまらなくてもいいです。観てもらえたので」と、ジョークを飛ばした後、真面目モードに戻り「ご覧になった方々が違う意見を持てる作品だと思います。夕食などでディスカッションしながら観てもらえれば」と、キッチリ締めていた。
映画『ゼロの未来』は5月16日よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほかにてロードショー！
