バレエダンサー・熊川哲也氏(42)が26日、東京・松屋銀座8F階でスタートとなった創立15周年特別記念『バレエに愛された男 熊川哲也とK バレエ展』オープニングセレモニーに出席し、司会はTBSの出水麻衣アナウンサー(31)が務めた。
日本に西欧発症の芸術・バレエを根付かせ、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル(主席ダンサー)として世界の頂点を極めた熊川氏。そんな熊川氏が自ら芸術監督を務めるKバレエカンパニー創立15年を記念したもの。第1作から最新作『カルメン』まで11作を網羅し、衣装、舞台美術模型や衣装デッサンなど歴史的価値も有する140点以上が展示される。
黒のコーディネートでシャープな印象で現れた熊川。「自分の名前で展覧会をするというのは恐縮です。42(歳)で過去を振り返るというのはいいのかとも思っています」と、はにかむ。
展覧会を軽くめぐってみて、「われながらよくこの年数のなかで、これだけの作品を積み上げたなぁという自負があります。若かりしころの自分のライジングサンみたいな輝かしいものを見ると、切なさもあるけど豊かさもあるよね。自分を振り返るいいきっかけになるのか。こみ上げてくるものがあるね」と、しみじみしつつ、「手前味噌になってはいけないので、作品とか豪華絢爛な衣装とで、観てちょっとビックリした」と、続けた。
印象的な展示を問うと、「すべてですよ(笑)。でも僕個人ということではなくて、先人のたちの偉大な功績のリスペクトがあっての古典芸術ですから、僕というところを超越した時空を超えた世界がここにはあると思います」と、アピール。
ちなみに、今回のコレクションは、「結構金がかかった(笑)」ともぶっちゃけ報道陣を沸かせつつも、バレエというものについて、「身近というより遠くなってほしい。こんなのがあるというので、みんなが舞台に足を運んでくれるようになってくれればいいなと。サブカルチャーもすばらしいけどハイカルチャーも同時に進行していかないといけない」と、情熱的に持論を展開。
ほかにも、後進の若手へ、「憧れはいいけど、僕みたいになろうとは思わないほうがいいと思う」と意外なコメントで、この真意は、「僕は僕のラインで生きていて、(バレエは)点数で測る世界じゃないので、お客さんに訴えかける芸術。自分らしい生き方をして、素晴らしい人間になってもらいたい。それが素晴らしい芸術性を生むのではないかと思います」と、メッセージを寄せた。
最後に、「10万人くらい来てほしい。誰でも来てほしい。バレエ好きじゃなくても、一般ポピュラーなみんなの存在に近くないバレエが隅々まで見られる。それがここまで観られるのは、必ず自分の中に豊かな時間になると思う」と、PRしていた。
創立15周年特別記念『バレエに愛された男 熊川哲也とK バレエ展』は26日から3月9日まで松屋銀座8Fにて開催中!
■詳細
◯会期:2月26日~3月9日
◯時間:午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで。入場は閉場の30分前まで)
◯場所:松屋銀座8階イベントスクエア
◯入場料:一般1000円、高大生700円、中学生500円、小学生300円、親子ペアチケット(一般+小学生)1100円
◯問い合わせ:松屋銀座03-3567-1211(大代表)