俳優・三浦春馬（24）と行定勲監督（46）が27日、東京・新宿バルト9で映画『真夜中の五分前』（配給：東映）初日舞台あいさつを開いた。
作家・本多孝好氏の同名ベストセラー小説が原作。過去に恋人を失い傷をかかえながら孤独に上海働いている日本人青年（三浦）が、ひょんなことから美しい双子の姉と恋に落ちるというオール上海ロケのロマンティックなミステリー作品となる。中国の人気女優リウ・シーシー、台湾を代表する俳優チャン・シャオチュアンの出演など、3ヶ国のライジングスターの豪華共演も見逃せない。
銀座にある劇場から連投しての作品上映後、舞台あいさつ。一部ファンはスタンディングオベーションで出迎え、その周囲のファンも約1分間の拍手を送るという大きな反響となり、三浦は感謝の意味を込めて深々と一礼。
その拍手へ、三浦は、「僕は監督の奮起を中国の現地で見ていたので、その熱意や頑張りがみなさんの心に届いて拍手を頂けることは本当に嬉しいです」と、お礼を述べた。
行定監督は海外と組んで撮影したことに政治的な問題なども乗り越えての撮影だったと苦労話をしみじみと語りつつ、「乗り越えないといけない壁が出てきて、どうしようかとスタッフに話したら、『三浦春馬、中国語練習してるんです。すごいやる気ありますよ』と言われて、逃げらんないなと思いました。キャストが中国語に向き合ってると聞いただけで、諦めないように背中を押してもらって感謝しています」と、三浦の姿が行定監督の背中を押したと感謝のメッセージ。
これに三浦は、「『真夜中の五分前』という船に乗っけてもらって、自分の努力を熱心に頑張って頂いて、形にしてみなさんに届けられたことが嬉しくて、ありがとうございます」と、逆に行定監督に頭を下げていた。
アジア、日本との公開へは、「もらえた役を真摯にやっていければいいなと考えているんですが、今までに見たことない形式、中国語で芝居をさせていただき、海外から公開がスタートするというのは初めてだった。自分の役者人生だけでなく、1人の人間として大きな経験をさせていただいたなと思っているのですごく楽しかったです」と、手応えを見せた。
さらに、中国スタッフについて行定監督が「映画の撮影への喜びがあるんだなって。観客にそれを伝えなきゃいけないわれわれとしては、考えさせられるものになった。すべてのスケジュールうまくいくようにと念頭に置いて作る日本映画と、かたやこの先の段取りは考えてないけど、撮ってるときに『俺たち映画ってすげーだろ！』というのは教えられたりします。こちらは胃が痛くなるのですが（苦笑）。そういうことって良し悪しがあって、アジアと組んで映画を作るというのは大変だけど、考え方によってはすごくいいことがある。やっぱり一緒にやっていくべきなんだろうなと思います。海外だったら3年くらいかけてやりたいかな」と、海外作品へ意欲を見せると、司会が三浦にその海外話を振り、「オファーを頂けるならぜひ参加させて頂きたいと考えています」と、希望を挙げていた。
続けて、中国での舞台あいさつの話題へ。三浦が「記者会見もいま考えると台本がなかったなって。司会が主役でバラエティみたいな感じで、僕達がしゃべっているときに効果音で、『ビヨヨ～ン』とか、『ポーン！』みたいな音を出してくるんです（笑）。こちらとしては作品を多くの人に観てほしいから、いいことを、興味を持ってもらえるようなことを言おうと思っていろいろ用意した言葉とか考えていたんです。そのときに『ビヨヨ～ン』って（笑）。これはもう笑うしかないなって。あれには驚きましたよね」と、SEが入ったことに思い出し笑いをしながら熱弁。
その印象的な舞台あいさつ話は続き、行定監督が「ダーツ大会やったよね。最初の1言だけしかあいさつさせてくれなかった。あとはミニゲームが主体だった（笑）。投げたら『監督（ダーツ）やってるねぇ～』って言われて（笑）」と、漏らすと、三浦もダーツを投げる仕草をしながら、「ダーツの腕を褒められるために来たわけじゃない（笑）」と乗っかる。行定監督はさらに興に乗ったのか「日本の舞台あいさつは堅苦しいんじゃない？記者の人も飽きてると思うからダーツ、やりましょダーツ（笑）！」と、話し場内は大爆笑。
しかし、そこだけでは止まらず、行定監督が「行った場所によっては双子当てクイズやったよね」と三浦に振ると、「僕達向けだったから、お客さん側は双子のお尻しかみえなかった（笑）。当たっても何もなかったですよね！」と、さらなる盛り上がりを見せ、三浦の「本当に勉強させて頂きました（笑）」という声を始め、場内の笑いは止まらなかった。
ほかにも、好きなシーンについて三浦は、冒頭のシーンを挙げ、「主人公の何気ない始まりのシーンで、街が見えてくるというカットがすごい好きで、そこでまず鳥肌が立ったんです。最初からインパクトがすごかった」と話していた。
最後に三浦から「ラブミステリーですが、みなさんが心の中に持っている愛という普遍的なテーマを描いています。その愛ということを考えて頂いて、話し合って頂ければと思っています」と、呼びかけると深々と観客にお辞儀してPRした。
映画『真夜中の五分前』は新宿バルト9ほか85館で全国公開中！
