子役の鈴木福くん(10)が10月27日、都内で開催中の『第27回東京国際映画祭(TIFF2014)』で映画『天才スピヴェット』舞台挨拶に登場した。出席者はアメリカの天才子役カイル・キャトレットくん(12)、ジャン=ピエール・ジュネ監督。
『アメリ』のジュネ監督が脚本に惚れ込んだという同作。科学の天才少年として主演するのは自身も6ヶ国語を話し、10歳以下の武道選手権の世界チャンピオンであるカイルくんだ。ジュネ監督が初めて本格的3D表現に挑戦し感動と驚きの物語を作り上げた。日本では11月15日公開。
タキシード姿で登場したカイルくんは英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、北京語、ラテン語、そして日本語で挨拶し、その天才ぶりにたちまち客席からは感心する声が広がった。ジュネ監督は「日本にも私のファンが何人かいるのは知ってます。モンマルトルのカフェの近くに住んでいるんですけど、日本の女性がよく食べにくるんです。(『アメリ』の)ポスターが貼ってあるんですが、『ちょっとどいて』と言われることも」とユーモアを交えて笑いを誘った。
作品について「アメリカの映画となってますが、これはニセのアメリカ映画なんです。フランスとカナダの共同制作の映画。フランスには自由があるから。ただ、自由ということは私にすべての責任があるということですね」とニヤリ。主演のカイトくんに「彼は本当にタフで文句もいわない。真の意味で俳優です。スタントも全部自分でこなしてます」と絶賛した。
本作が自身初の3D映画ということだが「子供のころのビューマスターというオモチャがあって、昔から3Dが大好きなんです。脚本も3Dで撮るというもので、読んでみると3Dにピッタリだったんです」と明かした。
花束を持って登場した福くんは「このような場所に呼んでいただきすごく嬉しいです。映画のスピヴェットくんを意識した格好で来ました」としっかりとした口調で語った。2歳年上のカイルくんにも「初めてなのに、たくさん出ているような素晴らしい演技でした。アクションシーンも格好よかったです」と賞賛。カイルくんが三節棍、青龍刀、ヌンチャクの演舞を披露すると、目を丸くして驚いていた。
福くんはお礼に最近ハマっているというけん玉の技を見せることに。しかし、緊張のあまりうまくできずに失敗してしまう。福くんは残念がりながら「カッコいいところを見せれなくて。負けちゃいました」と日米子役対決に白旗を揚げた。しかし、ジュネ監督からは「今度、けん玉をやる少年の脚本を書くので、ぜひヌンチャクとけん玉で戦ってください」とラブコール。福くんも笑顔で「やりたいです」と応えた。
最後にジュネ監督は「アメリカの雑誌は『これは最高の3D映画』と書いてくれました。私も賛成です」とアピール。福くんも「この映画は発見と驚きのつまったおもちゃ箱のような面白い映画です。若い人からおじいちゃんおばあちゃんまで見れる面白い映画なのでぜひ見てください」と大人顔負けのコメントで締めくくった。