アニメ『残響のテロル』(監督:渡辺信一郎)囲み会見が6月、都内で行われナイン役・石川界人、ツエルブ役・斉藤壮馬、三島リサ役・種﨑敦美、柴崎役・咲野俊介が作品の見どころを語った。
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石川:僕は何を隠そう、カッコイイおじさんたちが出てくるアニメが好きなんです(笑)リアルな方向に振ってるアニメですので、警官たちもそれなりに、ベテランの方たちをキャスティングされているんです。僕個人も役者として勉強になるのはそうなんですが、物語の重みが配役1つでこれだけ変わってしまうものなのかと思っている部分があります。3話で一気におじさんたちが活躍する回があって、おじさんたちのバックボーンも解明されていくと思うと、僕自身もいち視聴者として楽しみになってきます。
斉藤:これからご覧になる方も、僕らも、謎というのがあるんです。われわれ、スピンクスは動画サイトを通じて犯行予告をしたり、動画を生放送できるサービスを使って謎かけをしていく。その謎かけを、解かれたくないという挑戦ではなく、解き明かした先にあるもっと大きなものを公に広めてほしいと思っている部分がある。そこが魅力的だなと。僕らも物語がどう帰結するのか分からないんですけど、演者側もすごく新鮮な気持ちで楽しんでいるので、一緒になって謎を楽しんで頂ければ。
種﨑:「日本でテロ!?」みたいな…。
咲野:べつにキャッチーなあれじゃなくても。全米が泣いたみたいな(笑)
石川:「日本よこれが映画だ!」みたいな(笑)
種﨑:この作品はお芝居もそうなのですが、普段見慣れている街並みがでてきたり映像表現がとても繊細で、リアルに、身近に感じられると思います
咲野:渡辺監督が「変化球ばかりの時代に直球を投げてみた」とツイッターで書いていましたが、謎という意味でいえば難解かもしれませんが、画面で起こることはストレートで、変化球的な描写がない。時系列もここ観てないとあそこがつながらないということもないし、人間ドラマを観て頂けるんじゃないかなと思いますね。30分じゃもったいないかな。
――この話のエンターテイメント性とは?
石川:謎かけを視聴者にして、キャラクターと一緒に解いていくというのが非常に視聴者をのめり込ませるのかなって。観ていて感情移入しやすいのは柴崎かなって思います。そこに感情移入するともっともっと楽しめるんじゃないかなと思います。本当にミステリー小説みたいな感じで観て頂けるかなと。一緒に推理しながら進めると思います。
斉藤:1話のリハVTRをチェックしているときに、ただただおもしろいと思って観ていました。なんでおもしろいのかと思った時に、スピード感、テンポがよかったと思います。1話でスノーモービルでツエルブくんが疾走するシーンがあるんですけど、そういうのも含めて、大きなスクリーンで観てほしい。動くところはものすごく動くし、繊細なシーンはすごくおさえたものになっている。そういう演出が、30分間をもっとみたいというリズムに繋げられているのではないかと思っています。
種﨑:最初からいろんなことが起こるので忘れがちになるのですが、3人とも10代なので、私、学生のときにこんなこと言ったよって言葉も言っています。「みんな消えちゃえばいい」とか…。
石川:えっ、言ったんですか!?
咲野:大丈夫かそれ(笑)
種崎:分かるんですよ(苦笑)学生時代の微妙な年に、本気じゃないけどそう思ったってところとか。
咲野:気分は銭形警部です。解決することによって、自分の人間性も回復できるんじゃないかということを柴崎はやっていると思うんです。いわゆる平和を守るとか、正義感とかヒーローとか“ドラゴン”だとかそういうことじゃなくて。(※「ドラゴン」とは “ノイタミナ”にて放送されていたTVアニメ「ピンポン」で咲野が演じていた役名。後ろで石川と斉藤が卓球の素振りをしだすなか)ある種自分のために動いてると思うんですよね。そういうところが、海外ドラマにもつながっているんですよね。自分の再生のためになると。ナイン、ツエルブ、リサも何かしらの再生のために1話から動き出している。そこのせーのという感じが、海外ドラマみたいな表現になっていると思うんですね。あと、僕はよく海外ドラマばっかりやっているんで、僕の声を聞くだけでも海外ドラマっぽいかもしれません(笑)
石川:そんなこと言ったら監督が怒るかもしれない(笑)そんなためにキャスティングしたんじゃないよ!って。
咲野:そんなことで済ますなってことだよね(笑)
――最後に作品を楽しみにしているファンへひとことお願いします。
咲野:話題作なのでみなさんの期待が大きいと思いますが、みなさんの期待を裏切らない作品になっていると思います。柴崎と一緒に、事件を解決してみないかい♡
3人:爆笑
種﨑:心の拠りどころのなかったリサが2人と出会うことでどう変わっていくのか私も楽しみにしています。ナインとツエルブがなんでこんなことをしているのかと分かると、なんとも言えない気持ちになると思います。毎回ちょっとずついろんなことがわかっていくので、1話も見逃さず観てほしいと思います。
斉藤:「残響のテロル」は青春ものであり、ミステリーであり、エンタメであり、とにかく30分×11話飽きることなく一瞬たりとも目を離さずに食らいついて見られるそんな作品になってます。われわれ自身も自分たちがどうなっていくのかまだ分からないですけど、そこも含めて、期待をしすぎても絶対にしすぎることはないと思います。残響のテロルよろしくお願いします。
石川:この作品はいろいろな視点で観ることができて、さまざまな視点で感情移入ができると思うので、そこの当たりは、視聴者の方々自身で取捨選択をしていただいて、どの視点から観ても楽しい、何回観ても確実に楽しめる作品になっていると思います。それこそ、作品としてのジャンルというのも渡辺監督がおっしゃっていましたが、類を見ないものですし、そこがいい具合にマッチングしていて、楽しいとか、いろいろな意味を込めた、面白いというのが心の底から出てくる作品だと思いますので、みなさま心して、観てほしいです。この作品の放映に備えてください。“テロに備えよ!”
取材を終えキャストが帰る際に、石川は“テロに備えよ!”のキャッチフレーズが気に入ったようで、「これはいいフレーズになるなぁ。使っていきましょうよ!」と、3人に呼びかけたが、斉藤から「全然しっくりこない」と、苦笑いを浮かべられるという一幕もあった。
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■キャスト・スタッフ
原案・監督:渡辺信一郎
助監督:立川譲
キャラクターデザイン:中澤一登
色彩設計:辻田郁夫
美術監督:金子英俊
CG監督:越田祐史
撮影監督:田村仁
編集:廣瀬清志
音楽:菅野よう子
アニメーション制作:MAPPA
制作:残響のテロル製作委員会
■STORY
ある夏の日――
突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。
平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった――。
“スピンクス”と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。
■主題歌
○オープニングテーマ
アーティスト:Yuuki Ozaki(from Galileo Galilei)
タイトル:Trigger
作詞:尾崎雄貴
作曲:菅野よう子
編曲:菅野よう子
○エンディングテーマ
アーティスト:Aimer
タイトル:誰か、海を。
作詞:青葉市子
作曲:菅野よう子
編曲:菅野よう子