俳優・役所広司（58）、オダギリジョー（38）、女優・小松菜奈（18）、中谷美紀（38）が5日、東京・新宿バルト9で映画『渇き。』（監督：中島哲也／配給：ギャガ）大ヒット舞台あいさつに中島監督とともに登場した。
物語は成績優秀、容姿端麗、学園のカリスマ女子高生の加奈子（小松）が失踪することから始まる。加奈子の元刑事でロクデナシの父親・藤島（役所）は、離婚した元妻（中谷）から連絡を受け、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うが、行く先々で語られるのは、“知らない加奈子像”。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体を目の当たりにし、やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる――。
そんな作品なだけに、「観てるこっちまでおかしくなる」、「一刻も早く上映中止にすべきだ！」という否定的な意見とともに「とんでもない映画だが、こんなにエネルギーに満ちた作品はない！」など、賛否両論が巻き起こっている本作だが、役所もそこは認識しており、「当然ですね。賛否があるということは、それだけ映画に個性があって、映画としては健全なものだと思います。映画はたくさんの人に平均的に愛される映画があると思いますが、賛否があるのは当然。監督の思いがこもっている健全なものだと思います」と、朗々と思いをぶちまける。
するとオダギリも、「寝れないくらいショックを受けて、なんかテンションが上がったのを覚えています。忘れられなかった。個人的にここ数年で観た映画のなかで断トツでおもしろくて、これを観ない日本人はちょっともったいないと思うくらいの映画です」と、相当にインパクトのある映画であることを熱弁し、「自分が役所さんの年になったときに、こういう役が演じられるようになってたらな」と、俳優として1つの目標であることも口にした。
そんな“劇薬”のような作品だけに反響がすさまじいため、小松がツイッターで『渇き。』とコメントしただけでも、大きな反応があったそうだが、「良かったという人もいればクズな映画という人もいて面白い。私はこの作品は中毒性のあるものだと思っています」と、正直に話すと、中谷も観客に向かって「クズな映画ですか？観に来たみなさん勇気があると思います。ぜひ伺いたい？」と、けなしているのか讃えているのか分からないコメントとなり、中島監督は小松に「あとで話があるから（笑）」と、ジロリと小松を冗談っぽく見て語り、場内は笑いに包まれた。
そのキャストらの思いを受けて中島監督は、「人間の個性と一緒で個性的であればあるほど、全員にまあまあだったねと言われるよりは本当に嬉しい事です」と、手応えを口に。さらに、本作で女優デビューとなった小松が女優業を続けたいと言ったことに、「女優でない人がこの映画の中で、女優になっていったんだなと。これからも女優で行きたいと思っただけでも抜てきしてよかったと思います」と、得るものがあったと顔をほころばせた。
ほかにも、役所が本作に出演したことによって、“臭そう”というインターネット上で意見も出たことから、「毎日風呂に入ってます。衣装とかも衣装さんが毎日洗ってくれて、綺麗な汚しの衣装を着ている！」と必死に訴え、小松と中谷ともに「臭くなかったです！」との“援護射撃”も受けていたり、本作出演の半分以上のキャストとキスしたという小松は「いい経験になりました」というと、中谷も、「私もキスしていますけど、よかったと思います」と、何かドキリとさせる発言も飛び出すなど盛り上がっていた。
映画『渇き。』はTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国大ヒット炎上でロードショー中！
