ミュージカル俳優ユニット『StarS』の井上芳雄（34）、浦井健治（32）、山崎育三郎（28）が9日、都内ホテルで『第5回 岩谷時子賞』授賞式に登壇し『奨励賞』を受賞した。
音楽文化の向上・普及のために、その活動において功労のあった人物・団体に栄誉をあたえるとともに、奨励・振興に寄与することが目的となる。昨年CDデビューすると、デビューCDはオリコンウィークリー7位、デイリー3位と注目を浴び、その後も同11月に日本武道館公演を成功させ、今年2月にリリースした初のライブツアーDVDも売上が好調となるなど、ミュージカル界で今後に大いに期待がかかる逸材なことから、『奨励賞』を受賞となった。
ビシッとしたグレーのスーツ姿で登壇した3人。まずは、井上から「本日はこのような素晴らしい賞を頂いて本当にありがとうございます。僕は『StarS』のリーダーをさせて頂いております井上と申します。『StarS』は舞台で育てられた、舞台から生み出させてもらったもので、演劇界、ミュージカル界を少しでも活性化とか、元気になれる一因にならないかと思いまして、自主的に3人が集まりました。1人だとなかなか目を引かない者も、3人寄れば、少しは観てもらえるんじゃないかと淡い期待を持って始めました。それが、思った以上にたくさんの人に応援して頂けて、今に至って、そのミュージカルをやっている僕達が、ミュージカルで素晴らしい、素晴らしい詩を残している岩谷先生の賞を頂けるというのは縁を感じますし、ものすごい励みになりますし、とても感謝しています」と、スピーチ。
続けて井上が「3人組なのであいさつも3分割しています」と、おどけつつ、浦井にタッチ。「リーダーのあいさつはいつも的確で、僕は次を任せられる“次男”なんでとても緊張しています」と、少し硬い表情の浦井だったが、「『StarS』は先日、日本武道館でもコンサートをさせて頂きました。1万人強のファンのみなさま、お客様に支えられてのコンサートでしたが、そのときに肌で感じたのは、ミュージカルの偉大さ、岩谷さんが書いてくださった（ミュージカル『レ・ミゼラブル』の）『民衆の歌』という作詞、言葉の力というのをすごく感じました。同時に、スタッフさんやお客様の温かい眼差しやご助言に支えられて舞台に立っていられるんだなということをひしひしと感じたコンサートでした」と、万感の思いを語りつつ、「僕は感謝担当です（笑）ありがとうございました」と、爽やかな笑みを見せる。
そして、山崎。「副リーダーの山崎育三郎です（笑）。僕自身はミュージカルデビューが『レ・ミゼラブル』のマリウス役で、岩谷先生にも直接お会いしたことがありますし、僕の思い入れのある、岩谷先生の賞を頂けて、本当に嬉しく思っています。岩谷先生から『「StarS」武道館コンサートなんてすごいわね。私も好きよ。これからも頑張ってね』と、言ってもらっているような気持ちで、今回、賞を頂きたいと思っております。今後も、『StarS』は新たな次の夢に向かって走って行きたいと思っていますので、今後もどうぞよろしくお願いします」と、あいさつした。
あいさつが終わると、ミュージカル『レ・ミゼラブル』から『民衆の歌』を舞台上でライブパフォーマンスすることに。その力強い歌声は場内で伸びやかにハーモニーを奏で、聴く者を勇気づけるような気持ちにさせるものとなった。
終了後の囲み会見では、井上は、「ミュージカルでたくさんの素晴らしい歌詞を残してくださった岩谷先生の賞を自分たちが頂けるというのは光栄で、『奨励賞』との名前の通り『もっともっと頑張れ』と言って頂いているような気がしています。感謝しています」と、現在の心境を。
くしくも昨年5月8日にCDデビューして、今回の受賞となったことに、山崎は、「実は去年結成しましてきのうがちょうど1周年で、その次の日にこうして岩谷先生の賞をもらえたということは、岩谷先生も応援してくださっているのかなって。『もっとあなたたちでミュージカルを広げるのよ』って言って頂けるような気持ちです」と、岩谷さんへの思いも交えて話す。
続けて、井上は、「まだ僕達は1年しか経ってなくて、それぞれも俳優もしているので、『StarS』としての今後の予定はまだ、何もないんです。だけど、このタイミングでこの賞を頂いたので、やっぱり何か、もっともっと、新しくて楽しいことをやりなさいと言われているのかなって。背中を押されているのかなって」と、今後の活動の意欲になったよう。
ここで、浦井にもコメントが求められることとなったが、なぜか井上と山崎が苦笑いを浮かべるなかでのものに。「岩谷先生のそういった温かい言葉を胸にこれからもやっていけたらいいなと思っています」と、浦井が言葉を選びながらしっかりと言い切ると、2人ともやはりなぜか胸をなでおろした様子を見せる一幕も見られた。
また、審査委員の都倉俊一氏からは、「われわれ音楽関係者・作曲家・プロデューサーという立場でやっと出てきたなと。本当に地道に努力して勉強して、舞台の場数を踏み、ありとあらゆる歌を歌いこなし、技術を磨いた若者たちが、1万人コンサートができる時代が来た。舞台とはまだまだ地味なジャンルですが、岩谷先生も多くの訳詞を務め、『舞台は命だ』とおっしゃっていましたが、その舞台からスターが出てきて、非常に喜んで期待をしています。彼らに続く若手が出てくることを期待しています」と、激励のコメントを寄せることとなった。
■受賞者
○第5回 岩谷時子賞：佐渡裕
○岩谷時子賞 特別賞：八千草薫
○岩谷時子賞 奨励賞：StarS（井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎）
○Foundation for Youth：藤井冴
