女優・八千草薫(83)が9日、都内ホテルで『第5回 岩谷時子賞』授賞式に登壇した。
音楽文化の向上・普及のために、その活動において功労のあった人物・団体に栄誉をあたえるとともに、奨励・振興に寄与することを目的で、昨年10月に亡くなった岩谷時子さんが創設した賞として知られる。八千草は、岩谷さんと10代の宝塚歌劇団時代から深い親交があり、以来、昨年まで同賞のプレゼンターを務めるなど、尽力したことから特別賞を受賞することとなった。
八千草は、盾を授与されるとしげしげと眺め、「特別の喜びがあります。いまこうして(岩谷さんの)お名前を拝見して胸がいっぱいになりました」と、声を詰まらせつつ、「遠くの方で、きっと『よかったね』と言ってくれていると思います」と、しみじみ。
囲み会見では、音楽のことについて語りだし、「私は宝塚出身ですけど、歌はやめてから本格的に歌ったことはないですけど、歌は大好きで、『蝶々夫人』の映画を私が24歳のときに撮ったことがあったんです。オペラがそのときに素晴らしいと感じまして、いまも音楽がないと生活していけないというくらいでして、芝居を考えるときも、クラシックの音楽が聴こえてくるという環境です」と、熱を込めて語り、受賞式でプレゼンターを務め、さまざまな人と触れ合えたことに、「頑張って仕事してきてよかった」と、笑みを見せた。
岩谷さんとのことを問われると、「ずいぶん長いお付き合いで、私の悩みを聴いてくださったり、主人(映画監督の谷口千吉さん)の米寿のお祝いのときにも、『よく頑張ったね』と声をかけて頂きました」と、懐かしげな様子を見せていた。
■受賞者
○第5回 岩谷時子賞:佐渡裕
○岩谷時子賞 特別賞:八千草薫
○岩谷時子賞 奨励賞:StarS(井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎)
○Foundation for Youth:藤井冴