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4つのベクトルが不思議に重なるエレクトロニカ・バンド「us」−期間限定で楽曲無料ダウンロード可能に−

4つのベクトルが不思議に重なるエレクトロニカ・バンド「us」−期間限定で楽曲無料ダウンロード可能に−
エレクトロニカ・バンド「us」の楽曲『her/his』が期間限定で無料ダウンロード可能に

 カタルシス的な全体の音響を保ちながら、そこはかとなく漂う生々しくダーティなサウンドを鳴らす。両極の音でありながら不協和音にならず、クラシック的な理論も兼ね備え、絶妙なバランスで構成されているエレクトロサウンドで注目を浴びているのが「us」(アス)だ。

 そんな彼らの楽曲『her/his』が現在、アーティストとファンをダイレクトに繋ぐ音楽サービス「Frekul(フリクル)」のサイトで期間限定で無料配信されている。

 トラック全体を彩るノイジーでミニマルな楽曲構成に、響きのある叙情的で豊かなメロディーラインがキャッチーに重なる。それぞれ違った雰囲気のサウンドでも、お互いの個性を潰すことなく共存しながら広がる音に、聴き手の心は徐々に解放されていくような浮遊感を味わえる。アンビエント寄りになるバンドが多い近年の日本のエレクトロニカ・シーンで、usの作り出すポップなメロディーは誰の耳にも入りやすい。

 「常に今までの自分たちになかったものを求めて作品を作っている」「ベクトルが違うからこそ、お互い目に入らないものを持ってこれる」と、メンバー達が語るように、彼らは決して同じ音楽性で組んだバンドではない。RADIOHEADやBjörkが好みの大崎翔太(vocal)と及川創介(keyboard,electronics)、natsumi (keyboard,electronics)はクラシックの要素を持ち、タダヒロヤス(noise,electronics,guitar)はノイズが好みだったりする。だが、お互いの音楽の特徴を協調し合いながら一つにサウンドを重ね、そこには奇をてらう“新しさ”ではなく、それぞれ違った者同士がゆっくりと細部にわたって重なり合い生まれる“新しさ”がある。4人の絶妙な距離感が生む化学反応は、今までになかったものを生み出すことができる。そこがこのバンドの魅力であり、強さだと言える。そんな楽曲が未発表も含め何百曲もあるというから、驚きだ。

 明確なジャンルで括れない独特で新しい彼らの表現は、さらに注目を浴びるに違いない。(津田 聖治)

 【us】
 ■大崎翔太(vocal)、及川創介(keyboard,electronics)、タダヒロヤス(noise,electronics,guitar)、natsumi (keyboard,electronics)の四人編成のエレクトロニカ・バンド。2007年に結成し、2008年に自主制作EP「S-S ep(エスエスEP)」発売、2012年には1stアルバム「QUARTZ」をノベルサウンズより全国リリース。電子音楽を基盤としながら、変化と進化を求め続けることで叙情的な旋律と、どこか生々しさのあるノイズが引き合うように同居する独特なサウンド、中性的な響きを持った声、様々な人物を想起させる物語性の強い詞の世界で、様々な楽曲を作り出す。

us 楽曲無料ダウンロード(Frekul)

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