歌手で俳優・福山雅治(45)が7日、東京・グランドプリンスホテル新高輪内で『第37回 日本アカデミー賞』授賞式に主演作の『そして父になる』(監督:是枝裕和/配給:GAGA)で主演男優賞にノミネートされたことから登壇した。
6歳になる1人息子が、実は出産直後に取り違えられた他人の子どもだと判明したことから始まる、悩みや葛藤が描かれる作品。第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、現地でも反響を呼んだ。福山は、主演男優賞以外でも、主演作『真夏の方程式』が『話題賞』に輝き、この主演男優賞前にも一度ステージに上がっていた(参照記事:【アカデミー賞】福山雅治 ANN20年以上の初めての話題賞に万感!「光栄に思っています」)。
■以下、福山全文
西田敏行(以下、西田):父親という役は初めてですよね、どうでした?
福山:撮影に入る前に監督に、父親に見えないと思うんですけど、大丈夫なんですかね、何かやったほうがいいんですかねと、聞いたんです。『父になっていく話なんで、むしろその方がいいんで』という話をされて、まあ安心して、監督の好きにしていただこうと。
西田:長い時間子供さんと一緒にいて、どういうところに気を使われたり、どういう思いでした?
福山:やっぱり子供はすごいし、監督もすごいので、最初はなんかちょっと浮いてるなと思って、かなり戸惑いました。戸惑えば戸惑うほど、僕は余計なことするんですよね。
西田:役者ってそうですよ。いろいろ考えちゃうんですよね。
福山:考えちゃって(笑)。でも、そのうち、何やってもダメかもと思って、子供たちについていけばいいんですよね、是枝さんと言ったら、『ああ、そうです、そうです』と言われて、それ以降は、子供に着いていってましたね。
西田:公園のシーン好きでしたよ。
福山:ありがとうございます。
西田:是枝監督はフィクションはドキュメンタリーのように、ドキュメンタリーはフィクションのようにと常々おっしゃっていますけど、そういう思いは現場ではありましたか?
福山:はい。ただ、それを監督のファンですし、その作品のなかで、どういうふうにやれるのかなと思って。さっきの話なのですが、そうすると余計なことをしようとするものですから、そのたびにダメだなと反省の毎日でしたね。
西田:エリート意識の強い役でしたから、最初はみんなとちょっと空気が合わないというか、そういう空間のなかにいて、居づらかったりつらかったりというのはなかったですか?
福山:撮影の間は割と大丈夫だったんですけども、終わって、完成したものを見せて頂いた時に、こんなに僕って疎外されていたんだと、仕上がったものを観て、感じまして、そのときに、寂しくなりました。
西田:福山さんがこうおっしゃってるけどいかがですか?
是枝監督:タイプの違う子供に接するなかで、撮影始めてすぐに、『これは子供についていく映画なんだ』と、福山さんご自身で見つけられた、演技の方法だったので、逆に僕は、見つけてくれた福山さんについていくつもりでした。
樹木希林(以下、樹木):世の中に婚期を逃した女性がいっぱいいるんですけど、何もかもそろっていて、白馬に乗った福山さんがいつまでも1人でいるからだと、期待を持たせてくれるからなんだと思うんですけど、どうでしょうか、そのへん?
福山:これ、答えるべきなんですかね(苦笑)
樹木:お綺麗でしょ。この肌といい、艶といい、期待しちゃいますよね。婚期を逃しちゃいますよみんな。ごめんなさいね
西田:なんかお肌の手入れとか、されているんですか?
福山:(笑)
西田:前に、紅白歌合戦でゆずの2人が福山さんの歌っている姿を見て、『この人は欠点ってどこにあるんだろう』と小声で話し合っていたんです。そしたら以前、『僕、胃弱なんです』と聞いたことがあって、ちょっと胃が弱いらしいですよと言ったら、かなり、悦に行ってました。
福山:食事させていただいた時に、すごく大量に出るもので。
樹木:すごくいいお母さんに育てられていると思うんですね。『おかん、ご飯に虫入っとるよ』『大丈夫、死んどる死んどる』というおかんには育てられていないと思います。だから、中にはいいものがあるんだと思います。
司会:お2人に圧倒され気味の福山さんですが、樹木さんと共演されてどうされましたか?
樹木:私は忘れてるんだから!
福山:僕はよく覚えてますよ。樹木さんお芝居の現場も去ることながら、本読みのときに、干し芋を持ってきてくださって、あれ美味しかったです。
樹木:(焦り気味に)ありがとうございました。