俳優・宍戸錠(80)が7日、東京・円谷プロ本社内でSF特撮ドラマ『スターウルフ』(東映株式会社・東映ビデオ株式会社)DVD-BOX2発売記念座談会に、アニメライターの氷川竜介氏(55)、三池敏夫監督(52)とともに登場した。
1970年代後半、日本で沸き起こったSFブームを受け企画された1978年放送のテレビドラマシリーズ作品。登場人物同士の葛藤や政治劇を硬質なタッチで描いた本格SF連続ドラマとしてスタートし、第14話からは『宇宙の勇者スターウルフ』に改題され、より明快な1話完結シリーズとしてエンターテインメント性で人気を博した。宍戸は本作で物語の鍵をにぎる1人キャプテン・ジョウを演じていた。
劇中に登場するバッカス三世号を前にトークが展開。作品が映画『スター・ウォーズ』の公開時期周辺とSFが盛り上がっていた時期だったが、当時、日本ではCG技術がなかったため、三池監督は「重ねて合成するというのを、アナログで重ねようと努力した。コンピューターはないけど、勘で合わせようという手法などもとられている」と、涙ぐましい努力もあったのだとか。そのかいあって、「驚くのは最終回です。スターウォーズでいうとデススターの中みたいななのを、ミニュチュアワークでやっています。日本の特撮を見ろ!という勢いを感じますよね」と、熱を込めた。
宍戸には本作を観直してみての感想を尋ねると、「これがよく寝れる!いい!映画観ているうちに寝るのが僕は好きで!」と、上機嫌。当時のことは、「そのときレギュラー5本やってて、そのときにこれは『出れねぇよ』と言うと、セリフ2つくらいで2、3本撮って終わりでって言われて。でも、これやってて面白いんですよ。若手ばかりで、しゃべってて、これは何時までに上げるかというのを決めて、監督にお願いして、『みんな悪いな、おつかれさまでした』というのでだいたい1日、長くても8時間、一番短いのは7分くらいの出演だった。7分くらいしか出てないのが2回くらいあったけど、ギャラは一緒ですよ。だから円谷さまさまでありがとうございます」と、ニヤリとすると、同社関係者はこれには苦笑いだった。
さらに、宍戸は「円谷さんは日本の特撮ではプロ中のプロですから、それについていらっしゃる方も優秀ですから、これからも期待しています」と、持ち上げたが、「なんかあったら仕事頂戴」と、お茶目に笑い、「90歳までには、『90までには死ね』という殺し屋映画を作りますから、俺んち土地が去年焼けちゃったから、あれを売れば映画を1本撮れるなと思っています」と、構想もぶちあげていた。
囲み会見が始まると、宍戸は、「何聞きたい?収入はいくらかか?」と、報道陣へのリップサービスをしていたが、あまりに自由すぎるため、司会が割って入る一幕も。
宍戸へ、今、いまもしまた、現代でキャプテン・ジョーをいまだにやりたいかどうかと問うと、「悪いほうがいいんじゃないか(笑)でも、隊長やってもいいですよ。俺はこうやるんだよという指南役でもいいです」と言いつつ、「映画しかできないから。死ぬまで映画屋でいたいなと思っていますね」と、真面目に語る一幕もあった。
また、昨年2月に東京・世田谷の自宅が全焼したことへ、話題を自分で話しだし、書きためたセリフの元ネタ帳が「5冊くらい燃えちゃったなぁ。いまはどこに住んでいるかって?近所にいるようないないような。あちこちで見られて、近所の人はあの爺元気だなと思っていると思いますよ」とのこと。このあまりに違う話題に、関係者から制止が入ったが、宍戸の舌は止まらず、「女性にちょっと危機を感じています。少ないというので」と、語り報道陣を爆笑させていた。
『スターウルフ』DVD-BOX2は『宇宙の勇者 スターウルフ』編(第14話~第24話)を収録し、14日より1万1400円(税抜)で発売予定!