“欽ちゃん”こと萩本欽一(72)、女優・田中美佐子(54)、俳優・的場浩司(44)、元プロレスラーの佐々木健介(47)らが6日、東京・明治座で欽ちゃん奮闘公演『THE LAST「ほめんな ほれんな とめんな」』(演出:萩本欽一)ゲネプロを開催した。
欽ちゃんによる2003年2月の人情コメディー舞台『江戸の花嫁』から数えること6公演目となる明治座での公演。本作で明治座舞台への出演は最後と銘打ったものとなる。
江戸時代の瓶屋「鶴亀屋」にシノ(田中)が嫁ぎ先から、欽爺(萩本)、茶太郎(小倉久寛)とともに出戻ってきたことから物語が始まる。鶴亀屋の旦那(野添義弘)はこれに妹のサトを嫁に出すときは相手をよく調べたほうがいいとシノから忠告され、サトを嫁がせる予定の暖簾分けした浩二郎(的場)の店にシノを仮の嫁として5ヶ月間行かせることに。浩二郎の悪い部分を探すシノだったが、そのうち2人はお互い惹かれ始め…。
舞台は、欽ちゃんならではの笑いがさまざまに詰め込まれた、観ていて朗らかな気持ちになるもの。アドリブ箇所も多いようで、それぞれキャスト陣のリアクションが楽しめたりする。
劇を終了した瞬間の全員並んでのあいさつで、劇中最後のセリフは欽ちゃんの「辞めないよ!」となっていることに、欽ちゃんは、「(脚本の)君塚良一出会ったの何年前だろう。最後にこうしてできたの嬉しかったなぁ。スポットライトが気持ちいい」と、明治座最後の公演に万感の思い。
的場は、「まだまだ、萩本さんについていきます!」と心情を吐露すると、はしのえみ(40)からは、「結婚の発表も明治座さんの舞台だったし、欽ちゃんのところでさせて頂いているからこうして、舞台に立てた」と、涙ぐむ様子も。
さらに、プロレスラーを引退した佐々木も、本作で俳優初仕事となり、引退した相撲取り役として出演。欽ちゃんとの絡みでは、何度も持ち上げたりと、その力をいかんなく発揮しているが、欽ちゃんは、「24時間マラソンのランナーをやったときに、あいさつがピシっとしてしっかりしていて、いつか一緒に仕事をしたいと思っていた。でも、『俳優なんて俺できないです』と言われたのを(佐々木の妻の)北斗さんが『やらせますから』って言って」と、エピソードを明かし、佐々木を苦笑いさせることも。
その後の囲み会見では、欽ちゃんをリフトアップすることへ、佐々木は「アドリブだったんですけど、緊張しますよね。必要以上に力が入りますよ」と、台本にないもので恐縮していると口にすると、欽ちゃんは、「あんまり練習しないでいい。そこが気持ちいい」と、欽ちゃんらしい哲学で話をすることに。
すると、そんな佐々木へ、田中が、「稽古ほとんど来てないよね」と、不穏なことを言い出すと、萩本も、「5分でセリフを覚えて、『芝居って楽だな』と言ってました」と、ニヤニヤ。慌てて、「そんなこと言ってませんよ!」と、火消しする佐々木に報道陣も爆笑。欽ちゃんからは「舞台で時間が経ってくれば僕をどのように料理しようかなというのになってくると思うから楽しみにしています」と、エールを送っていた。
一方の的場は、これが欽ちゃん明治座ラストとなることに「自分は舞台に初めて立ったのが明治座さんで、その舞台に初めて立たせていただいたのは萩本さんだった。本人は覚えていないと思いますけど、そのときの千秋楽で一言頂きまして、『またやろうな』って言われて楽しみにしていたんです。そうしたら、引退公演だと言って。萩本さんに『何とかして出たいです!』って言ったんです」と、猛アピールの末での出演だったのだとか。それでも萩本は、「僕の事務所の方に『俺出るからな』って言ってきて、慌てて『かしこまりました』って返した。脅しみたいになってる(笑)」と、ウソか本当か分からないやりとりを話し笑いを誘っていた。
そして、報道陣から明治座公演の引退について問われた欽ちゃんは、「昔より息が切れるようになってね。自分の中での最高が分かっているので、止まるというのは自分の中で申し訳ないという気分があるから」と、真意を。それでも、田中が、「体全部使ってツッコんでみたら、意外と行けましたよね」と、欽ちゃんの袖を引く姿も。
また、劇中の「辞めないよ!」のセリフを言った時の思いを問われた欽ちゃんは、「辞めちゃいけないよと言う気持ちになるんですが…、そうだねぇ言いづらいセリフ。本番はなるべく小さい声で、はっきり言わ(発音し)ないと思います」と、思いを語っていた。
「やっているよというのだけ伝われば」と、思いを語っていた欽ちゃん明治座公演『THE LAST「ほめんな ほれんな とめんな」』は3月7日より30日まで明治座にて上演!
■主要キャスト
欽爺:萩本欽一
シノ:田中美佐子
浩二郎:的場浩司
茶太郎:小倉久寛
新吉:風見しんご
山スケ:山口良一
ハマ(ダブルキャスト):松居直美、はしのえみ
旦那:野添義弘
関取:佐々木健介