俳優・中村蒼（22）が22日、東京・有楽町スバル座で主演映画『東京難民』（監督：佐々部清／配給：ファントム・フィルム）初日舞台あいさつに女優・大塚千弘（27）、山本美月（22）、『劇団EXILE』の青柳翔（28）、俳優・金子ノブアキ（32）、井上順（67）、佐々部監督、原作者の福澤徹三氏（52）とともに登場した。
普通の大学生が、父親の失踪によって学費の未納から大学を除籍になったことから始まり、坂道を転がり落ちるように、ネットカフェ難民、裏社会と繋がるホストクラブでの勤務、過酷な土木現場の日雇い、果てはホームレスになってしまう様が描かれる。
中村は「初日を迎えられて、すごく嬉しいです。この日を迎えるために芝居をして、1人でも多くの方々に見てもらいたいなという気持ちでしたので、たくさん集まっていただいてうれしいです」と、感無量な様子を。
半年でホームレスまで転落した時枝修役を演じた感想について中村は「カフェ難民の話は聞いていましたが、どこか人ごとで見てたんですよね。この役を演じて、全然、自分にもありえると思うし、そういう危機感を持ったら、今までスルーしてた気づかなかったことも感謝できるようになったので、この役を通じていろいろ学べることが多かったです」と、心境に変化があったそう。
現場の雰囲気については「緊張感がかなりあって、撮影していくと慣れてきちゃうんですけど、今回はなくて毎日現場に入る時は背筋を伸ばして行きました。役者としてはいい現場に入れたと思います」と、得るものが大きかったという。
今回ラブシーンに挑戦した看護師・茜役の大塚は「緊張して、ドキドキしました。監督とは電話でよく話し合いました。監督さんから中村さんと私に吉田拓郎さんの『制服』を聞いて欲しいと言われて、そこからインスピレーションを得ました」と、思い出を。天真爛漫なホストクラブに入り浸る瑠衣役の山本は「私と真逆の存在で演じるのが難しかったです。でも、誰とでも仲良くなれる性格は憧れました。シャンパンコールには感動しましたね」と、振り返っていた。
佐々部監督が「僕の映画は比較的年齢層が高いものですから、若い人や女性が多いのがうれしいです。イケメン集めた甲斐がありました！」というほど、若者も集まったが、会場内では、21日に67回目の誕生日を迎えた井上にサプライズで佐々部監督から花束が送られることに。これには井上も、「僕のモットーは毎日うれしいこと、楽しいことを探すことなんですけど今日は劇場でみなさんにお会いできて、綺麗な花束をいただいて、思い出に残る公開日になりました！みなさまありがとうございました！」と、笑みがこぼれていた。
最後に中村から、「みなさんが何かを感じてくれてるだけで、僕は嬉しいです。『東京難民』のタイトルがついてますけど東京だけをアピールしたいわけではなくて、日本のどこにでも、こういう問題を抱えているのではないかとみなさんに伝えられれば。僕もこの映画を通して、今日1日過ごすだけでも大変な人たちもこんなにもいるんだなということを知ったので、みなさんにも知っていただけるというだけで、今まで当たり前とスルーしていたことに気づいて感謝したり、より良い日常になるんではないかなと思います。みなさんの力で『東京難民』を大きくしてくれたら嬉しいです！」と呼びかけていた。
映画『東京難民』は22日より有楽町スバル座ほか全国ロードショー！
