世界5大バレエ団のひとつ、アメリカン・バレエ・シアター(ABT) にソリストとして所属するバレエダンサー・加治屋百合子(29)が19日、都内で翌20日からスタートするABT日本公演の記者会見に出席。待望の日本凱旋公演に、「ABTのダンサーたちもみんな日本が好きですが、私は日本人なのですごく楽しみ」と喜びを語った。
今回、公演するのは2010年にニューヨーク・ブルックリンでの初演以来、ABTの人気演目で日本初披露となる「くるみ割り人形」、破滅へと向かう壮絶な人間ドラマを描く「マノン」、ABTの魅力満載の「オール・スター・ガラ」の3つ。
この日は、芸術監督のケヴィン・マッケンジー、プリンシパル・ダンサーのロベルト・ボッレ、ポリーナ・セミオノワ、コリー・スターンズ、ソリストのジャレット・マシューズと、ABTの蒼々たる面々とともに同席した加治屋だが、今回の演目のひとつ「くるみ割り人形」は4年前の初演のときからキャストに加わっている作品。「(振付担当の)アレクセイが何をしたいのか最初からカラダで覚えてきているので、自分にとっても特別な作品。ぜひ、アレクセイの作品を日本のみなさんに観てほしい!」と熱烈PRした。
自身は2002年にABTに入団。’09年にソリストへの昇格を果たしたが、「私が入団したころは、いろんな国のダンサーがたくさん集まっていて、それぞれバックグラウンドが違うので、みんなカラーが強かった。私は10歳のときに上海に留学して、日本人であることに悩んでいた時期もあったが、アメリカに来たら、周りが日本人の”加治屋百合子”として見てくれた。みんな、自分の国に強い誇りを持っていて、さまざまな個性が出せるバレエ団」としみじみ。
今回の役どころについて、具体的にはコメントしなかったが、「バレエダンサーはカラダで表現するのでステップも大事だが、それだけではダメ。芸術は人の心を動かすものなので、自分が作品の世界に入りこんでいなければ、お客さんはその世界に入ってきてくれない。役柄になりきる、役柄になっていることが重要」と熱く持論を語っていた。
公演は20日、東京・渋谷のBunkamura オーチャードホールで開幕!