
歌舞伎俳優・市川猿之助(38)、片岡愛之助(41)らが2日、東京・浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』鏡開きを行った。
1980年から続く、新年伝統の歌舞伎公演。若手歌舞伎俳優の登竜門としても知られているが、今回は猿之助の名跡が19年ぶりに同所の公演に戻ってくることでも話題。さらに、当日には“お年玉”のような行ってみないと分からないサプライズな企画もあるなど親しまれているものだ。午前11時からの第1部では『義賢最期』『上州土産百両首』、午後3時30分からの第2部では『博奕十王』『新口村』長唄の『屋敷娘』『石橋』で送る。
2年前にも同所での興行に登場していたが、猿之助襲名後初のものとなり、この日は、周囲からの「澤瀉屋!」の声も一層高く周囲に響くことに。「猿之助となって、浅草にご恩返しの意味も込めまして、浅草歌舞伎に出演させていただきます」と、あいさつすると、「僕も浅草があっていまがあると思います。感謝の意味を込めて猿之助となって帰ってきました」と、約束を果たすこととなった。

続けて猿之助は、「素晴らしい若手たちがいます。みなさまどうか昨年以上、今まで以上の熱い声援を彼らに」と、後輩らの紹介をしつつ、後ろ手に持っていた同席していた中村隼人のカレンダーをおもむろに広げ、「僕はこれを売りにきました。どうか、どうか熱い声援を!」と、呼びかけると、突然の紹介に隼人が顔を真っ赤にして恥ずかしげにしてしまうことも。
そうかと思いきや、坂東巳之助と中村壱太郎から、亀治郎時代に渡したバトンを「来年も返還しにきてください」と、それぞれ赤と黄色のものを返却され、1人ずつに渡したものが、2本になってブーメランのように返ってくるという“倍返し”をされてしまい、笑みが絶えないものに。

一方の「毎年ここに来ることを卒業と言いながら、去年も今年も来ています」という愛之助からは、「昨年の紅白歌合戦の審査員にも出させて頂いて」と昨年のことをしみじみ。さらに、昨年出演したドラマ『半沢直樹』(TBS系)では、子供マネされる程人気となったオネエ言葉の国税局検査官・黒崎駿一役を演じたが、「オネエ卒業して元の愛之助として頑張りたいと思います」と、新年の抱負を。
また、愛之助は舞台上では午前の『義賢最期』、午後の『博奕十王』でともに死んでしまう役だが、「朝も死に夜も死にに行きますが、本当に若手たちが並んでいますので、今後ともお願い致します」と、後進の紹介をしていた。
その後、全員で鏡開きをし、舞台の成功を祈ると、観客へのふるまい酒でもてなしていた。
『新春浅草歌舞伎』は2日から始まり26日に千穐楽となる。
■ほか3日の出演者
市川男女蔵、中村亀鶴、坂東巳之助、中村歌昇、中村壱太郎、中村種之助、中村米吉、市川門之助、上村吉弥、中村梅丸、中村隼人


























