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柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」

柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
初の朗読劇に挑戦する柴小聖

 『日テレジェニック2012』で、現在、グラビアやバラエティーだけでなく、舞台、モデルなど活躍の場を広げている柴小聖(しば・このな、25)が、東京・渋谷の新宿全労済ホール/スペース・ゼロで19日と20日に出演する初の朗読劇『こゝろ』(脚本・演出:野沢トオル)へ向け、意気込みなどを語った。

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 前回インタビューしたのは、9月に行われた主演舞台『ハムレット ~赤いキツネとみどりのハムレット~』。初の主演舞台にして男役。歌あり、ダンスあり、殺陣もあって、躍動感に満ちあふれていたが、今回は打って変わって、「男性陣は動きがあるんですが、女性陣は着物姿で立ったり座ったり、舞台袖にはけるぐらいで、動きは少ないです」と、朗読に徹する。舞台衣装の渋い着物姿で現れた柴。「着物を着ると、シャキッと身が引き締まります」というように、所作や話し方など、ユッタリした雰囲気で全く違う印象。

 明治の文豪・夏目漱石の後期三部作のひとつである『こゝろ』を原作に、プロデュースと音楽をIZAMが担当する。生演奏と映像とともにつづられる新感覚のライヴ朗読劇。4人1つのチームが5組にわかれ、18日~23日まで6日間、2公演ずつ行う。柴は「orange」チームで、19日午後7時~と20日午後3時~の2公演に登場する。

 「朗読劇は初挑戦」という柴。稽古前と稽古後の「朗読劇に対する印象」から聞いた。
 柴 「ずっと、朗読劇をやってみかったので、お話を頂いた時にはすごく嬉しかったんです。ですが、実際にやるとなると、朗読劇ってどうしていいかわからない。朗読劇だから、ずっと読むんですけど、ずっとうつむいて読んでいると、お客さんとすごい壁がある気がしました。かといって、顔を上げて身振り手振りを入れると、『それはお芝居になっちゃう』と言われて、難しいぞと思いました。
 そこで、ポイントとなるセリフやタイミングだけ、パッと上を向いたり、言葉尻だけ顔を下げるとか。朗読劇ならではの芝居のしかたがあって、慣れるのに大変でした。これはちょっと芝居になっているなぁ。これはガッチリ読んじゃっているなぁと」

柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」

 実際に、稽古が始まると、全てが初めてなため、戸惑い、慣れるまで大変だったという。また、「お客さんも正面向いて聞く人もいれば、うつむいて聞く人も朗読劇には、けっこういるんだよ」ともいわれた。
 柴 「うつむいて聞く人には、声だけで感情や場面を想像していただかないといけない。だから、身振り手振りを入れても、うつむいて聞いている人には伝わらない。その感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使うなぁと思いました。
 セリフを聴きこんでくれると、観てくれる人も役者と一緒に呼吸してくれるんです。それをプツプツ切っちゃうと、お客さんの集中も切れちゃうので、いかに引き止めておくかという読み方をしています。朗読劇ってゆっくりペースを変えないで読むんですけど、(次に)つながるようにしています。風景や感情を見てなくても耳だけで伝わるように、息遣いを大事にしたり、速度変えたり、急にポーンと間を開けたり、飽きさせない読み方を工夫しています。他の人のを見て、目を閉じて聴いてみて、勉強していいとこだけをもらってます」

柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う

 「ニュアンスで台本を見ているだけなのかなぁと思ったので、本当にセリフを全部暗記したりしなくていいんですか」という素朴な疑問をぶつけることから始まり、自分なりに工夫した読み聞かせ方がどんな感じなのかに注目。さらに、今回の役どころは、「今までやったお芝居手の中で最年長の役」だという。後半はお母さんの役も演るので、30歳後半~40歳の年齢を声だけで演じるという。
 柴 「今までのお芝居の役は、8割、9割がキャピキャピの女の子の役が多かったんです。今回は、『少女か奥さんの役しかない』と言われたので、少女の役だと思っていたら奥さんだったんです。年上の方も同じチームにいるんですけど、その人以上に年上に演らなきゃいけない。冷や汗が流れましたが、(9月に行われた主演舞台『ハムレット ~赤いキツネとみどりのハムレット~』で)男役を演った時に低い声を出すことを習得したので、どっしりした声で演ってみようと。そしたら、演出家さんやIZAMさんから、『こんな声出せるんだ』といってくださったので、大丈夫かなぁと思っています。でも、見た目をみると年齢が下がってしまうので、耳だけで年を感じさせるように読むテンポなど努力をしています」

 柴は、以前、IZAM主宰の劇団『ベニバラ兎団』の舞台に出演したことがあったが、彼女のことをわかっていたIZAMや演出の野沢トオル氏を驚かせたという。ひとつひとつの仕事がつながっているし、それを通して成長しているという証だ。

 今回の原作となっている『こゝろ』はちゃんと読んだことはないそうだが、学校の教科書で勉強した記憶があるため、「なんとなくお話はわかっていました」という。
 柴 「おじさんが国語の教師をしているので、学生時代に、『なんで、恋人を取り合って死んじゃうような暗い話が教科書に載っている』と、突っ込んだ話を聞きました。そしたら、『「こゝろ」っていう題材の通り、人の心情は、嘘をついてしまったり、遠慮から生まれる負の連鎖であったり、でも、純粋にこの人好きっていう気持ちだったり、そういうのが一見、暗い話に見えるけど、人間って本当はこんなステキな感情をたくさん持っているんだよ、と知ってもらうためだよ』と教えていただきました」

柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
夏目漱石の『こゝろ』を朗読する

 そこで、柴自身は、友人を捨てて恋人を獲ることは罪悪感なのかどうか?
 柴 「結婚ならありだと思います。この人と一生いるという決意ならありだと思います。でも、学生のようにちょっと付き合うなら、なしだと思います。友だちを差し置いてというのは、ちょっと罪悪感だなと思っちゃいます。実際に、学生時代6人グループで、密かに私がいいなぁと思っていた人がいたんですけど、一人の子が(私と同じ人を好きになって、)みんなに相談していたんです。私は、その男子のことを好きだと言っていなかったんですけど、ある日、その男子から直接告白されたんです。でも、そんな状況で私が付き合うのはないなと思ったので、自分の気持にフタをして断りました。女子っていうのはいろいろ大変ですから(笑)。結局、もう一人の子は、直接、好きな男子に告白したんですけど、振られました。でも、その男子は、私のことが好きだとか、告白して振られたことなどは、一切、彼女に伝えることはなかったんです」と、誰もが経験あるような青春のほろ苦い想い出を恥ずかしそうに語った。

 最後に、あらためてこの朗読劇の見どころを語ってもらった。
 柴 「気に入っているところは、生演奏なところです。役者が感情を無視して音楽に合わせるんじゃなく、その日の空気感、テンションでちょっと違ったりするので、それに音楽が乗っかるという心地よさが伝わる生演奏の良さを聴いていただきたい。あとは、初めての朗読劇、年長者役ですね。とっても落ち着いている年長者役というのを、こういう顔もあるんだというのを見てほしいなぁと思います。夏目漱石の『こゝろ』と言われると、小難しい、堅苦しいイメージあるんですけど、そんなことなく、いつの時代も変わらない純粋な気持ちを共感するところがいっぱいあると思うので、文学と肩肘をはらずに、気軽に来てくれたらいいなぁと思います」

 朗読劇『こゝろ』
 場所:新宿 全労済ホール/スペース・ゼロ
 12月18日~23日まで。
 柴小聖の出演日時:19日午後7時~、20日午後3時~
 当日券5800円(税込)~
 ※開演1時間前から劇場内受付にて販売開始

 

柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」


柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
柴小聖
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着物姿でシットリした雰囲気
柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
ポイントとなるセリフでは顔を上げるなど工夫も
柴小聖、初の朗読劇!「感情を耳だけに届けるのは、すごく労力使う」
 


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