元『AKB48』で“あっちゃん”こと女優・前田敦子（22）、俳優・康すおん（54）、伊東清矢が23日、東京・新宿武蔵野館で映画『もらとりあむタマ子』（監督：山下敦弘／配給：ビターズ・エンド）初日舞台あいさつに登壇した。
“モラトリアム”の言葉が指す通り、社会に出るまでの猶予期間のような生活を送る前田演じるタマ子の1年が描かれた作品。元は音楽チャンネル『MUSIC ON！（エムオン！）』のステーションIDから生まれた企画だったが映画化され、2013年釜山国際映画祭正式出品されたりするなど話題となった。主題歌は俳優で歌手・星野源（32）の『季節』が起用されている。
ファンから「あっちゃん！」との声が飛ぶなかあいさつがスタート。たまに、同映画館に足を運んでいるという前田は観客との距離の近さに「タマ子はこれくらいの距離がいいですね。とっても観てもらいやすい映画なのでみなさんに会いやすいですね」と、等身大に近い作品にのんびりとしたあいさつを。
タマ子の唯一の友達になる男子中学生・仁役の伊東は、前田との共演に「本当に僕でいいのかなと思って1時間くらいポカーンとなってました。やることになって、何も感情はないんですけど、最初は緊張してたんですけど、後らへんから、少し話しかけてくれたりしたので、最後の方は緊張しないで演技できたかなと思います」とはにかむと、前田は、「すごいイジってました。カワイイんですもん！ダンスが得意という話とかしてくれるようになって」という。
さらに伊東が「先輩とかに観てもらって清矢のままじゃん！とか言われて、部活とかでも『恋に忙しいんだよね』としか言われなくて、頭叩かれちゃって…」と、役柄のことで言われることもあるそうだが、前田が「大丈夫？イジメられてない？」と気遣うと伊東が「大丈夫です。イジられてるだけなので」と、ほほ笑み合うことも。
独り身の父と娘が描かれる作品だけにMCから「お父さんへ何かしたくなりました？」と、問われた前田は「離れては暮らしてないのですけど、お父さんには観てほしいかなとは思っています」と、自信のある作品であるよう。
自堕落なタマ子を演じイメージのことを質問されると、前田は「雰囲気的にもあまり考えずにそのままの空気感で作っていったという感じがあるので、すごく心地のいい現場でした」といい、お気に入りのシーンについては、「私はちょっと面白い要素が詰まった『春』編が好きですね」と、オススメ。
逆に苦労したシーンへは、前田は「仁のヘルメットをズラすところが大変で、ズレないんですよなかなか。かなり（伊東を）叩きましたね」と明かすと、伊東は「かなり痛かったけど、ずっと耐えてた」と告白し、前田も「言ってー！誰も言ってくれなかったから分からなかった」と、ちょっぴりショックを受けていたようだ。
ほかにも、康から「食べるシーンが多いので、7、8回撮るので本当に食べていくのが大変でした。でも、OKが出てからも前田さんはずっと食べてはりましたけどね（笑）。そんな食べる人だとは知らなくて、この体でええっ！て思って」とエピソードが暴露され、前田は「えへへ…」と苦笑いしつつ、「お父さんのを最後にもらったりしてました。おいしいときには感情も出ちゃうんです」と、食いしん坊キャラをチラリと見せていた。
前田から「私的にはすごく不思議です。CM的なものから始まってこういう形になったのは嬉しいです。時間ができたときに、この作品の空気を味わってもらえたら嬉しいなと。心地いいなと思ってもらえたら嬉しいです」とPRしていた。
映画『もらとりあむタマ子』は23日より同所ほかにて公開中！
■STORY
タマ子は逆ギレが得意なぐうたら大学卒23才。実家の甲府にあるスポーツ用品店で父・善次の仕事を手伝うこともなくひたすら食べまくり、中学生にまで同情されてしまう程の“残念な実家依存娘”として自堕落な日々を過ごしていた。生活をしていく内に芸能プロダクションに履歴書を送ろうとしたり、善次の再婚話などが持ち上がり心を揺らすのだが…。
