映画監督の吉田恵輔が10月21日、東京。池袋のアニメイト本店で映画『麦子さんと』（監督：吉田恵輔／配給：ファントム・フィルム）試写会＆トークイベント『吉田監督inアニメイト』を行った。
女優の堀北真希が声優志望でアニメイトで働くアニヲタ・麦子を演じていることでも話題となっている同作。亡くなった母の納骨のために母の田舎を初めて訪れた彼女は亡き母が地元のアイドル的存在だったことを知る。劇中で流れるオリジナルアニメ『今ドキッ同級生』をProductionI.Gが制作していることでも注目を集めるハートフルな物語。
着想から8年越しの完成に吉田監督は「そうとう長いですよ。本当は1年目とかに作ろうとしたんですけど、会社が倒産してしまった」と苦笑交じりに振り返り、アニメイトの店員姿の堀北について、起用した理由を「素敵だからですね。僕も漫画が好きなんですけど、『ここに堀北真希さんいたら面白いな』と思ったんです」と振り返った。
作中で登場する完全オリジナルアニメについて「正直、20数カットでこんなに大変だったんだと思いました」としみじみ。「バトルシーンとかはすごいのが出来るんですけど、反対にパーカーひとつ着せるのが大変。アニメで衣装を変えるのがこんなに大変なんだと思いました。打ち合わせをしていても用語がわからない。ちゃんとやってないとコンテを見てもわからない。アニメ監督は夢なんですけど」と話した。ちなみに作中アニメについては「『プリキュ』アと『レールガン』と『まどマギ』を合わせたバッタ物臭がするもの。『レールガン』大好きなんですよ。終わってしまって寂しい」と会場を沸かせた。
また、吉田監督といえば現在『週刊少年サンデー』上で連載中の『銀の匙』の実写監督を務めるが、荒川弘原作の北海道の農業高校を舞台にした作品に「動物は超ヤバいっすよ。帯広は雨が多くて大変でした」と報告。今後の活動について「漫画を映画にするのは大変なんだけど、面白いな。これからもオリジナルの作品と両方いい感じでやっていきたい」と語り「実はやってみたい作品があって、新井英樹さんの『愛しのアイリーン』。死ぬほど泣けるんですよ。いつかやりたいけど、大男とばあさんと、フィリピーナしかいない作品。お金が集まるのか…」と構想を明かした。
『麦子さんと』は12月21日よりロードショー。
