『「サカサマのパテマ」劇場公開記念NOTTV&ニッポン放送「吉田尚記がアニメで企んでる」公開収録トークショー」が15日夜、東京・角川シネマ新宿で開かれパーソナリティーを務める吉田尚記アナ、パテマ役・藤井ゆきよ、エイジ役・岡本信彦、吉浦康裕監督が登場した。
話題作『イヴの時間』に続いて、吉浦監督が原作・監督・脚本を手がけ、今月9日より公開がスタートしたアニメーション映画『サカサマのパテマ』(配給:アスミック・エース)を題材にトークが展開されることとなった
本作は“空”を忌み嫌う世界に生まれた少年・エイジ(岡本)はある日、突然“空”に向かって落ちていこうと必死にフェンスにしがみついていた“サカサマの少女”パテマ(藤井)と出会う。エイジが彼女を助けようと手を握った瞬間、彼女に引っ張られるように、2人は空へ飛び出してしまう。この奇妙な出会いが封じられた<真逆の世界>の謎を解く、禁断の事件へとつながっていくことなる。同じ場所にいながら、立場が変わると見え方が180度変わってしまうことがシンプルながらしっかり表現されていたり、最後には意外などんでん返しと、ぴあによる劇場出口調査の初日満足度ランキングで1位(91.5点)を獲得したり、第7回アジア太平洋映画賞最優秀アニメーション部門ノミネート、北米でも公開決定という話題作となっている。
上映後からの開始となり、拍手のなかレッドカーペットを歩いてくるような感じで迎えられた3人。岡本は、「やっとネタバレができる。舞台あいさつでも言えなくて、つらくて、つらくて。『このシーンはね』といったらダメじゃないですか」と、いきなり本音がポロリ。
吉田アナからは本作へ「実際の地面はどちらだったんだろうって。上も下も本当だったと思うんですよ」と、吉浦監督へ問うと、「『サカサマ人間面白そう』これがすべてです。高いところ怖いよねとかいうところから始まっています。そこで作っていくうちに、テーマとかメッセージって込められちゃうんです」と、返答が。
さらに、重力ということを組み込んだ本作へ吉田アナが「上下って気にならない日はないでしょう?階段上がらない日はないですから。絶対に人間縦の変化をしない日がないのにそれをテーマに作品をつくってすげーなと思ったんです」と、感想を寄せると、吉浦監督は、「重力が変わるというのはあまり珍しい話ではないんです。ゲーム世代なんで昔からよくあるんです。僕でいうとマニアックですけどロックマン5と重力装甲メタルストームとか。ギミックとしては昔からあったんです」と例を挙げたが、これには岡本も「何年の作品ですか?」と、世代ではなかったことから分からず、吉田アナから「アラフォーの楽しみだよ」と、言われてしまうことも。
さらに、吉浦監督が2010年6月30日付で作成した本作の貴重な企画書『アイガの世界(仮)』も公開されることに。吉浦監督が、「ある日全人類サカサマ化をすると考えたんですが、それだとディザスター・ムービーになるじゃないですか。それはさすがに大変かなと思って、ヒロイン1人がひっくり返ってたらいいじゃないか」と、発想を披露。
企画段階のメインビジュアルも公開され、エイジが和装な感じで和風の世界だったり、吉浦監督が「パテマに関しては難産でした。最初は心を閉ざしている卑屈な女の子で、エイジは元気な男の子という感じだった。でも、進めていくうちに『イブの時間』とかぶるから逆にしようかなと。さらに進んでいくと、僕の願望ですかね、女の子に引っ張ってほしいというのがあって…」と、告白することも。
キャスティングについては吉田アナが「岡本さんは絵に描いたような好青年だと思うんですが、やってる役は悪役が多いですよね」と話を振ると、吉浦監督は「それで起用を決めたこともあるんですよ」と話し、これは岡本にとっても初めてだったようで、驚きの表情を浮かべる。続けて吉田アナが「岡本さんはアウトサイダーな匂いを感じる?」と問うと、吉浦監督も「それもありますし、素の中学生みたいな感じもします」と発言し、場内は大爆笑!
これに岡本は「僕は本当に中二病だと思います。声優になれてよかったと思うのは必殺技を叫べるというのがあるので。最高です。この作品は女の子が空から降ってきて抱きしめられるんですよ!」と返し、盛り上がっていた。
一方の藤井は、サカサマのイメージについて、「私空に落ちてないです!」と、天然発言で沸かせたりつつ、「想像するしかないので、逆立ちして天井に足をつけて歩いても分からなくて、空を見たけど分からなくて、絵に助けられました。バンジージャンプに似てると思って」と、様子を語ることとなった。
このほかにも、あるシーンから岡本が死んだ魚のような目をしたり、収録のこぼれ話などさまざまな話題満載の約1時間のトークの模様は19日午後9時からのNOTTV「吉田尚記がアニメで企んでる」にて公開!