女優・有村架純（20）が10月31日、都内で行われたドラマW『チキンレース』（WOWOW、11月10日午後9時より無料放送）の4K試写会・舞台あいさつに俳優・寺尾聡（66）、岡田将生（24）、脚本家・岡田恵和（54）、若松節朗監督（64）らとともに登壇した。
NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で小泉今日子が演じる天野春子の若い頃を演じて、注目を浴びた有村架純と、現在放送中のドラマ『リーガル・ハイ』（フジテレビ系、水曜日・午後10時～）で、さわやかなハンサム弁護士を好演している岡田将生という若手2人を、「自由人」という評判のベテラン俳優・寺尾聡は大絶賛した。
19歳の時に交通事故に遭いこん睡状態が続いていたが45年後に突然、目覚めた心は19歳で体は54歳の飛田譲（寺尾）が、看護師・神谷猛（岡田）と出会い、青春を取り戻す旅に出る。笑いあり涙ありのヒューマンドラマ。WOWOW初の試みとして、フルHDの4倍の解像度を誇る新しい映像品質・4Kで制作され、フルハイビジョン画質で放送される。
寺尾の高校の後輩という岡田氏が、「非常に書きづらい俳優さんで、意に沿わないことはやらない。寺尾さんにしかできない役をつくるためにスタートした」と、苦笑いしながら説明。これに若松監督も寺尾に関しては「『自由人だから大変だよ』と言われていた。前半は寝ているだけなので楽だったが、後半は暴走老人というか…」と、乗っかる。冒頭から、イジられた寺尾は、「イメージを挽回しようと思って」と、舞台あいさつ中、饒舌になるほど。
岡田演じる看護師の先輩看護師役を演じた有村は、寺尾と初共演だったが、「（寺尾さんは）私と一緒のシーンではずっと（演技で）寝てらっしゃったので、芝居上の絡みはなかった」というと、会場から笑いが起きる。
寺尾の印象について、「私はいっぱいいっぱいだったんですが、優しい言葉をかけてくださるすてきな方です。試写を見終わった後に、寺尾さんに『いまの芝居、すっごく良かったよ』と、おっしゃっていただき、とてもうれしかったです」と、はにかんだが、「（寺尾の）お芝居に対する取り組み方、現場での居方を見て、足下にも及ばないと痛感しました」と、先輩役者の厳しい部分も目の当たりにした現場だったようだ。
岡田は、「僕自身、昔からコンプレックスがあって、役柄と共通するところがたくさんありました。今回の役は、ほかの人にやらせたくないという強い思いがあった」と、思い入れを語った。
また、初共演となった寺尾の印象について、「最初は恐いかただと聞いていたので、どうしようかと思いました」と内心怯えていたことを告白。それでも「実際は怖くないし、全然自由な人でもない。作品のために、お芝居に打ち込んでいる姿を間近に見せてもらって光栄でした。充実した夏を過ごせました」と感謝しつつ、「僕は親友だと思っています！」と、キッパリ。
これを受けた寺尾も、「他局のドラマですが、岡田君が出演しているとついつい気になって観てしまって、電話を掛けたこともあります。僕の中では、今でもラストシーンで彼と別れたまんまの友情を感じたまま、このドラマの延長が続いている」と、ドラマでの関係がプライベートでも続いているという。
その一緒に旅をして“深い絆で結ばれていく友”になっていく過程について、「おじいちゃんと孫ほど離れているがそう見えては成立しない。本当に友情を感じる仲間になれるか？最初は岡田君と仲間になれるかが課題だったけど、実際会ったら考えるの止めました」と、不安なく役に入っていけたことが、先の「友情」発言につながっているようだ。
さらに寺尾は、「この人で本当にベストキャストだったという作品はなかなかない。今回出演者は大変少ないですが、すばらしい若い人たちに出会えたと非常に喜んでいます。岡田将生、有村架純、最高だったね！」と、若手の俳優陣を絶賛した。
最後に寺尾は、「今回のような素晴らしいシナリオにはめったに出会うことができないし、キャストも最高でした。僕のセリフにもある『生きているって楽しいな』ということを感じてもらえることができる」と言葉に力を込めた。
同ドラマはWOWOWの無料放送イベント「TOUCH！WOWOW2013」内にて、11月10日午後9時から無料で放送される。
