人気声優・岡本信彦、藤井ゆきよが9日、都内で主演アニメーション映画『サカサマのパテマ』（監督：吉浦康裕／配給：アスミック・エース）初日舞台あいさつに吉浦監督とともに登場した。
話題作のアニメーション『イヴの時間』に続いて、吉浦監督が原作・監督・脚本を手がけた作品。“空”を忌み嫌う世界に生まれた少年・エイジ（岡本）はある日、突然“空”に向かって落ちていこうと必死にフェンスにしがみついていた“サカサマの少女”パテマ（藤井）と出会う。エイジが彼女を助けようと手を握った瞬間、彼女に引っ張られるように、2人は空へ飛び出してしまうことに。恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。この奇妙な出会いが封じられた＜真逆の世界＞の謎を解く、禁断の事件へとつながっていくことなる…。
まずは吉浦監督から「ようやくここまで来たなと感無量です。完成するまでいろんなことがありました。劇場長編として作ったのは初めてですけど、映画館でみんなと映画を観るという体験が好きなので良かった」と、気持ちを。さらに、藤井は10月の東京国際映画祭のときと同じく、胸いっぱいになったのか、「本当にこの日を待ってました…」涙ぐみそうになりながらスタートした。
岡本からは、「台本読んだ瞬間から出演できてよかったと思いました。それで、観てみて、やっぱり出演できて良かったと思います。収録からも結構経ってて2年くらいですから。2年前の自分がいるというか」と、しみじみ。
プロモーションの段階ではネタバレ厳禁だったことに心苦しくもあったようで、岡本は「どこかでネタバレ雑談会をやりたい。インタビューとかでも言えないフラストレーションがあって、すべてがネタバレに直結するのがつらかったです」と、語ることとなった。
本作でパテマをどのように演じたかを尋ねられた藤井は、「脚本が魅力的で、私がとくに何も考えることなく、そのまま演じたらパテマになれる感じで、感情移入できて、受け取ったままに演じました。大切にしたところは、エイジくんと心が寄り添っていくさまです」と、一瞬ネタバレしそうになりつつも、話すことに。
岡本はエイジに「アイガ君主国というところで規則を重んじるばかりに、結構こじつけかってぐらい、ギューギューにエイジくんを縛り付けるところがあります。そのなかで、頭の良くて好奇心があるけど、それを押さえつけらてるという世界です。芯がしっかりしている分、パテマと惹かれ合うことができたのかな」と、思いを寄せた。
そんな2人のキャスティングについて吉浦監督は「初々しさを重視しました。藤井さんはそのままで。岡本さんがいいなと思ったのは芸幅が広くて、2枚目から3枚目までやられているじゃないですか。これで行けるんじゃないかと思って、14歳という設定にすごくはまった。そこがありがたかったです」と、明かす。
すると、劇中セリフをアドリブで演技するということになり、岡本は「“空に落ちることが罪なんですか？”というセリフはエイジだからグッと来るのですが、格好良く言うとクサくなるんです」と、もう一度、格好をつけた声を出し、声優の本領を発揮することとなった。
ほかにも、本作のタイトルにちなみ舞台あいさつでは“サカサマ・ワード”を話すゲームが行われ、「パテマ」を「マテパ」と読むなど盛り上がったが、岡本が藤井に出題するときに「難しいやつを行きますよ」とニヤリ。戦々恐々とする藤井に、「竹やぶ焼けた」と、回文を伝え「優しい！」と言われるほどのジェントルマンぶりを。逆に、藤井は「またエイジ役か」と、岡本の『バクマン。』新妻エイジ役をふまえたかなのような発言も飛び出し歓声が上がることもあった。
最後に藤井から、「この作品を演じた記憶を消して同じく観てみたい。この世界観を楽しんでいってください」とアピールがあったり、岡本は「両親が観てくれて最高の映画と言ってくれました。60、50の父母が言ってくれるのでどの年代の方にも楽しめると思います」と、PRしていた。
映画『サカサマのパテマ』は11月9日より全国劇場公開！
