歌舞伎俳優の中村梅玉(67)が1日、都内の『GINZA KABUKIZA(歌舞伎座と歌舞伎座タワーの総称)』の地下2階『木挽町広場』で行われた記者発表会に出席。同ビルの防災支援拠点としてのネーミングを大塚ホールディングスが取得し、『木挽町 御助蔵前広小路(こびきちょう おたすけくらまえひろこうじ)』と命名した。
『木挽町広場』は東京メトロ東銀座駅とつながったフリースペース。中央の2.7メートルの大ちょうちんを囲むように屋台などが縁日のような賑わいをみせている。同所は災害時に帰宅困難者3000人を受け入れる防災支援拠点として機能し、水や非常食、毛布などが備蓄されている。
10万人以上の犠牲者を出した90年前の関東大震災にちなんだ防災の日に除幕式が行われ、九月花形歌舞伎を観に訪れた観客が足を止めていた。中村は東日本大震災を振り返り、「父の代は震災を経験していたが、(自分は)実感があまりなかった。日頃から災害に対して備え、考えておかないといけない」と語った。
歌舞伎座の地下にできたことに「新しい歌舞伎座にこういうスペースができるということは、我々歌舞伎俳優はもちろん近隣のみなさまにも心の拠り所になるのでは」と話し「普段も楽しんでいただけるスペースになって嬉しい。もしもの時は歌舞伎座にいけば温かいスペースがあるという安心した気持ちを持っていただけたら」と防災を訴えた。