俳優・高良健吾（25）が7日、東京・タワーレコード渋谷店で映画『横道世之介』（監督：沖田修一／配給：ショウゲート）Blu-ray＆DVD発売記念イベントを、『ラバーガール』の大水洋介（30）、沖田監督とともに開き、司会は森麻季アナウンサー（32）が務め約150人が集まった。
本作は1987年の東京が舞台。長崎出身で、大学進学のため上京したばかりの18歳・横道世之介（高良）は、嫌味のない図々しさ、頼みごとを断れない人の良さなどで周囲から慕われていた。誘われるままサンバサークルに入部した世之介は、お嬢様育ちのガールフレンド・与謝野祥子らと出会い、青春の時を過ごすが、その16年後、人身事故のニュースが流れることとなり…。
女性ファンが多く詰めかける中、まずはBlu-ray【スペシャル版】にしか入っていない未公開となった本編の映像を上映しつつ、同イベントのみでしか見ることのできない、3人による生オーディオコメンタリーを展開。地元のおばちゃんがなにげなくセリフを言ってたり、アパートの管理人のおばあちゃんがセリフがあったりという様子に3人は感慨深げながら楽しそうな様子を見せる。
観ながら高良は、「世之介のセリフを言ってる時、寂しくなったことがあったんです。世之介と同じ長崎が故郷なんですが、いつのまにか『東京に帰る』になっちゃってたというのがあるんですよね」と、しんみり。
サンバサークルの先輩である大水がタンバリンを指先で回しながら出てくるシーンも上映されたが、このシーンはカットだったそうで、大水が「指先で回すというのの意味が分からなくて、今回せたという瞬間がきて、それからはなんで回せないのか意味が分からなくなった。その瞬間が気分が良かったですね」と、相当練習していたエピソードを。
独特の雰囲気を持つ沖田監督の作品だが、ほかの監督と違うところについては、高良は、「しょっちゅう言ってるんですけど、なんか違うからもう1回やってみてって言われると、ほかの人だったら恐いことあるんじゃないですけど、沖田さんのなんか違うは、なんか本当に違ってて、もう1回新しい気持ちでやってみて、OKが出るという感じなんです」というセリフを口にする。大水も、「監督が一番腰が低いことってあるんだなって。カットです、OKですと『です』をつけるんだって」と、感心していた。
ファンからは劇中でサンバを踊ることに、心からサンバになったかを尋ねられると、高良は「自分もサンバにならないとサンバに負けちゃうんです。だからそのテンションあると思います」と、ちゃんとした返答。
さらに、役にのまれたりしなかったかを尋ねられると、「この撮影の前の1週間前くらいまでドフトエフスキーの『罪と罰』をやって、舞台自体は楽しかったんですけど、役は本当にきつくて、普段考えなくてもいいことまで考えて何も楽しくなくて。世之介の撮影に入ってからは、気持ちは上がってくるんですよね。なんか優しい気持ちにさせてくれるというか役に影響されるというのは普段ないですけど、されているんだろうなと。『影響されてるんっすよ～』っていうのが嫌なんですけど、影響されたと思います」と、明かすことに。
ほかにも、8回劇場で観たというファンから、「イベント以外で、劇場に会いに行ったことは？」と、問われると、高良は小声になり、「それはない」と苦笑いしつつ、「けど、大好きですよ」と正直に返答。それに大水も乗っかったが、沖田監督から「行けよ～！」と、のんびりした声が飛び、場内は笑いであふれていた。
最後に高良から、「やっぱり世之介は終わってなかっというか、ずっと続いてて、劇場公開されてから手から離れる世之介のイベントがまさにきょうだと思うんですね。自分の手から離れるのはきょうなので来ていただいて嬉しかったですし、DVDだとこれから手にとって世之介を観る人が増えて嬉しいです。常に見なくても何年後に観たくなる映画だと思います。それがずっと続いていけばいいと思います」と、メッセージを寄せていた。
映画『横道世之介』Blu-ray【スペシャル版】は7035円、Blu-ray（通常版）は5040円でDVDは3990円（それぞれ税込）で発売！
