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宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命

宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
古田新太から「日本最後のアングラ女優」と命名された宮沢りえ

女優・宮沢りえ(40)が5日、東京・「Bunkamuraシアターコクーン」で、6日より初日を迎える舞台『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市より」-』(演出:蜷川幸雄/脚本:唐十郎)のフォトコール&囲み取材を行い、古田新太(47)、小出恵介(29)、蜷川幸雄(77)らとともに、意気込みを語った。

 冒頭のシーンから、古田との猥雑なシーンが続き、迫力満点で体当たりの演技を魅せる宮沢は、「古田さんから『日本最後のアングラ女優だ』と、お褒めの言葉をいただいたので、その名に恥じないように、狂気や愛や切なさを吐き出していきたいなぁと思います。熱い熱い舞台になると思いますので、見ていただきたい」と、気合十分。

 本作は、1970年代初期、新宿のコインロッカーの前で、盲人の影破里夫(古田)が“不服従”の盲導犬・ファキイルを探しているところから始まる。そこで、婦人警官サカリノ(大林素子)に補導されかかっていたフーテン少年(小出)に出会い、自分の代わりにファキイルを探すように依頼する。衝突しながらも次第に奇妙な絆が結ばれていく2人。そこへ、開かずのロッカーを開けようとする謎の女・奥尻銀杏(宮沢)が現れる。

 報道陣に公開された冒頭20分のシーンだけでも、次にどういう展開になるのか、グイグイと引き込まていく力強さがある。婦人警官とフーテン少年のやり取りでは「袋」という言葉がさまざまな意味を持って会話が展開されていく。この後も「犬」「不服従」という言葉が、ストーリーが進むにつれて、さまざまな意味を持ってストーリーにかかわってくる底辺を息ながらも高潔な魂を感じさせる剥き出しの登場人物たちなど、普遍的な唐戯曲の神髄が散りばめられている。

宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命

 89年の再演以来、24年ぶり3度目の上演となる同作について、演出家の蜷川は、製作発表会見で、「前回は失敗したけど、今回は理想のキャスティングが出来た」と語っていたが、初日を明日(6日)に控えて、「面白く仕上がっている。近年の若い人の作品と違って、70年代の人の作品は、仕掛けがいっぱいあるので、お客さんがビックリする。今の若い方よりハデな演劇が見られる」と、自信たっぷりにニヤける。

宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
全身アングラにどっぷりと染まります

 さらに、「アングラの魅力は、ドロドロしているんだけど美しい。セクシーで清潔なところが、一番いいかなぁ。僕は楽しんで客席で見ています。何分かに一回、面白く、驚くべきところが出てくる。時間も短いのでギュッと詰まっている」と、アピールした。

 不服従の盲導犬を探している盲人・影破里夫(エイ ハリオ)役の古田は、「『不服従』がテーマになっておりまして、その名に恥じないように、もらったセリフを大切に“服従”していきたい」と、笑わせつつ、「キレイで勢いあるセリフなので、僕の体を通して、チカラ、カロリーになればいい。お客さんにどう伝わるかわからないけど、熱量を感じ取っていただきたい。いまのところ、いい感じで仕上がっています」と、手ごたえを感じているよう。

 かつての思い出をコインロッカーに封印された女・奥尻銀杏(オクシリ イチョウ)役の宮沢は、「毎回、初日はドキドキするんですけど、今回はドキドキに加え興奮もしております。私自身が憧れている60年代、70年代のアンダーグラウンドの世界に近づきたいなと、イヤイヤどっぶり浸かってしまいたいという気持ちです。明日から、全身アングラに染まります」と、宣言も。

 破里夫と奇妙な絆を結んでいくフーテン少年役の小出は、「古田さんから『“良”を取にいけ』と言われましたので、“良”を取りに行きたいです。いまは“可”です」と言うと、蜷川が、「さっきの演技で、注意したところが直ってなかった」と、公開ダメ出し。それに対して、小出は、「それぞれ言うことが違うんですよ。どうしたらいいんですかね」と、笑いながら、誰と話に救いを求める一幕も。

宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
実は「毛の生えた動物はダメ」と犬嫌いな古田

 宮沢は、製作発表会見で、「唐さんの脚本は、最初、読むと“?(はてな)”がいっぱい」と、語っていたが、「発見が怒涛のように毎日あります。本番で劇場の温度が上がって溶けて何かが見えてくるんじゃないか。最後まで発見の嵐」と、まだまだ“化学反応”に期待を寄せているようだ。

 また、舞台では本物の犬も登場するが、古田は、「サカって大変だった」と、本当か嘘かわからないエピソードで笑わせ、自身は、「(犬は)落着きないでしょ。毛の生えた動物はダメです。カメとか落ち着きのあるのを飼ってます」と、笑わせた。蜷川は、「動物は好きだけど犬は怖いです。特にシェパードは」と、怖いと出演者たちから恐れられている蜷川の意外な弱点を吐露した。

 宮沢は、「犬くんたちより怖い獣がいっぱいいるので、犬がいるとホッとします」と、ジョークで笑わせ、小出は、「犬大好きですよ」というも、宮沢から、「初めて聞いた」とい寄れるなど、出演陣から突っ込まれていた。

 同舞台は7月6日~28日までBunkamura シアターコクーンにて。8月3日から11日まで大阪・シアターBRAVA!にて上演予定

 

宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
宮沢りえ
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
古田新太
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
小出恵介
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
演出家・蜷川幸雄


宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
フーテン少年役の小出恵介
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小出恵介(左)と婦警役の大林素子(右)
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
盲人役の古田新太
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
なぜか歯ブラシ登場!コミカルなシーンも盛り込まれている


宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
「狂気や愛や切なさを吐き出していきたい」と宮沢
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
「何分かに一回、面白く、驚くべきところが出てくる」と蜷川氏
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
「“良”」の演技を取りに行きたいと小出
宮沢りえ、猥雑なシーンにも迫力の“艶技”!古田新太から「日本最後のアングラ女優」を拝命
24年ぶり3度目の上演となった「盲導犬-澁澤龍彦『犬狼都市より』-」
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