魔劇「『今日から(マ)王!』~魔王誕生編~』(脚本・演出:菅野臣太朗)公開ゲネプロが25日、東京・銀座の博品館劇場で開かれた。
喬林知著、松本テマリ挿絵のファンタジーライトノベルシリーズ。過去にはNHKでもアニメ化されるなど、話題にもなった作品だ。本作で初の舞台化となる。
正義感と負けん気が人一倍つよい高校生・渋谷有利は元同級生の村田健を不良から助けようとしたが失敗。不良たちに公衆トイレで便器に顔を突っ込まれた瞬間なぜか異世界へ。美形すぎる臣下が迎えに来ることとなったが、魔王の魂を持つ生まれ変わりという有利は第27代の眞魔国魔王として、敵対する人間たちと戦うことへとなっていく。
舞台は歌とダンスで魅了するミュージカル仕立てで、原作でも序盤の部分が描かれる。フォンヴォルテール卿グウェンダル、ウェラー卿コンラート、フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム、フォンクライスト卿ギュンターの4臣下のキャラクターは変わらずでイケメン設定。有利の気が高ぶった時の時代劇口調で成敗を下す「上様モード」も健在だ。
終演後に、渋谷有利役・聖也(19)、グウェンダル役・兼崎健太郎(28)、コンラート役・加藤慶祐(24)、ヴォルフラム役・樋口裕太(18)、ギュンター役・寿里(32)が囲み会見を開き、聖也は、「座長としてやらせてもらってます。初の舞台化に全力でやっていきます」と、気合を入れる。
本日の舞台を通しての感想を尋ねると、兼崎は「強面な役ですけど、カワイイもの好きで、最後にぬいぐるみを持って出てくるはずだったんです。本番では人形を持ってきます」と、いきなりお詫びすると、4人から「謝罪会見か!?」と、笑いながらからかわれることに。
しかし、兼崎はどうしても人形を持って出たかったそうで、「キャラクターがキャラクターなので抑えて抑えて芝居をしているんです」と話すことも。実際に稽古中に「最後に(人形を持って)テンション上がってはっちゃけてガーッとやってたら、演出家の方にダメだと言われました。どこまで抑えるかが課題ですね」と、苦笑いしていた。
劇中では聖也が相撲をとるシーンで、筋骨たくましい上半身を披露する場面があるが、これは格闘武術の要素を含んだアメリカでは、エクストリームマーシャルアーツとも呼ばれるトリッキングを学んでいるからだそう。特別な筋トレもしているのかと尋ねると、「腹筋は20を3セットだけですね。基本トリッキングで筋肉をつける感じなんです」と、さわやかな笑みを見せていた。
ファンへは聖也は、「歌と殺陣とダンスと盛りだくさんで、今の時代だからこそできることもあると思うし、メッセージ性もある。みなさん楽しんでくれれば」と、メッセージを寄せていた。
魔劇「『今日から(マ)王!』~魔王誕生編~』は25日から5月6日まで同所にて全18公演!