俳優・小出恵介(29)が23日、都内・新宿ピカデリーで行われた映画『ボクたちの交換日記』(監督:内村光良/配給:ショウゲート)初日舞台挨拶に俳優・伊藤淳史(29)、ムロツヨシ(37)、女優・長澤まさみ(25)、木村文乃(25)、川口春奈(18)、内村監督(48)とともに出席。思わぬサプライズに感極まり、男泣きした。
人気放送作家・鈴木おさむが雑誌『Quick Japan』に連載していた小説『芸人交換日記～イエローハーツの物語～』を映画化。お笑いコンビ『房総スイマーズ』の田中洋平(伊藤)と甲本孝志(小出)は高校時代から活動を続けているが、30歳間近になってもまったく売れる気配がない。そこで、現状を打破すべく、甲本は田中に交換日記を始めることを発案し…。
ステージには、試写会で同作を鑑賞した一般客のメッセージで作られた桜の木のボードが設置され、主演の伊藤が「絶好の花見日和の中、花見に行かず、この映画を選んでいただき、本当にありがとうございます。やっと初日を迎えられた感じで、感無量です」と、挨拶。
『ピーナッツ』以来、7年ぶりにメガホンをとった内村監督は、「こんにちは。テルルです」とおどけ、「こうやって大勢の方が来てくれて、本当に嬉しいですね。キャスト・スタッフ一丸となって、絶対に損はさせないと頑張って作りました」と、感慨深く語った。
お笑いコンビ『ウッチャンナンチャン』のウッチャンとして、世間に広く知られている内村監督だけに、『房総スイマーズ』役の伊藤、小出には厳しく指導したという。伊藤が「コントのシーンは凄い大変でしたね。稽古からみっちり厳しく内村監督に指導していただいて、不安もあったけど、2人のチームワークで乗り越えたかな」と話すと、隣の小出も「乗り越えたでしょう」とコメント。
だが、観客のリアクションは薄く、伊藤が「自信がないわけじゃないですよ」と念を押すと、小出が「自信しかないです！ この映画に関しては」と、胸を張る。内村監督も「夢を追いかける人、夢を途中であきらめて別の道に行く人。そして、それを支える人々のいろんな群像ドラマだと思っています。皆さんそれぞれの登場人物に自分を映して観ていただければ」と、同作をアピールした。
舞台挨拶途中、内村監督が主演の2人に手紙を読むというサプライズが。
「伊藤君、小出君へ。お笑い芸人という役柄に正面から取り組んでくれて、ありがとう。コントの練習、しつこくてごめんね。何テイクも取らさせちゃって、ごめんね。しつこくてごめんね。あれからちょうど1年、桜を見る度必ずこの映画のことを思い出します。DVD出たら、記念に8枚は買おうと思っています。2人をはじめ、きょう集まったキャストの皆さんとこうして初日を迎えられたことを幸せに思います。ありがとう！ 房総スイマーズ・内村光良」
時折、笑いも入れる芸人の顔をのぞかせたが、内村監督から心のこもったメッセージを受けた2人は、感激。とくに小出は、「宣伝活動をやっていく中で、バラエティー番組も不慣れなところを監督が凄いフォローしてくれて、やりやすい空気を作ってくれて、凄くステキな方だなと思って…そういう方の人間的な魅力が映画に出ていますし、演じるときもパワーになりまして…」と、言葉に詰まり、号泣！ これに内村監督が「いいヤツだな～！」と照れると、場内が拍手に包まれた。
改めて、小出から「『WBC』でも『監督を男にしたい』という言葉がありましたよね。大きな映画というプロジェクトを進めていく中で、人が思いとか努力によって、こんなに変わるんだなというものを感じました。監督がいい気持ちで初日を迎えられてくれていたら、嬉しいです」と感謝された内村監督は、「ありがとう」と、返答。
伊藤は「僕たちの気持ちを最大限にこの映画にぶつけました。皆さんも夢をあきらめていて、現実に向き合っていまも生きている人や、いま夢を追いかけている人、これから夢を見つける人、そういった人それぞれにいろんな思いを感じ取っていただけたら」と、メッセージを送った。
23日より、新宿ピカデリーほか全国公開。
