
俳優・田辺誠一(43)が9日、都内で行われた『ネオ・ウルトラQ』舞台挨拶付試写会に俳優・尾上寛之(27)、長塚圭史(37)とともに出席した。
円谷プロダクションが制作した伝説のドラマ『ウルトラQ』が1966年に放送されてから半世紀。ユニークな怪獣や宇宙人が続々登場する特撮ドラマとして、その後の『ウルトラシリーズ』の礎となった作品が、円谷プロとWOWOWの共同製作により、全12話のセカンドシーズンとして、いよいよ放送される。
心理カウンセラーの南風原仁(はいばらじん、田辺)、トラベルカルチャー誌のライター・渡良瀬絵美子(高梨臨)、バー『トビラ』のマスター・白山正平(尾上)というまったく異業種の3人が、人知を超えた力に向き合っていくストーリー。
第1話『クォ・ヴァディス』試写終了後、3人が登場し、田辺が「まず、男3人ですいません(笑)」と挨拶し、笑いをとる。渡米していたため、欠席した女優・高梨臨(24)は、ビデオメッセージで元気な姿を見せた。
同作で特撮初挑戦という田辺は、「本当に伝説的なドラマの続編ということで、その話に関われたことを凄く嬉しく思います。地元が世田谷の祖師ヶ谷大蔵なので、小学生の頃から円谷プロさんの倉庫とかで遊んでいた。やっとこの世界に入れると思いました」と、喜びもひとしお。「『怪獣が何メートルです」とか聞いたり、『いま動きました!』とか、とても新鮮だった」と、普段のドラマとは勝手が違ったが、「けっこう自然に受ける自分がいました」と、さほど苦にはならなかったようだ。
超常現象の研究実績のある心理カウンセラー・南風原仁を演じているが、「台本を最初に読んで、ウルトラマンが出てこないから、誰も解決してくれないと思った。でも、それが凄く気持ちいいというか、気持ち悪いというか。ウルトラマンが解決してくれない分、何かが心に残る」と、独特の表現で、『ネオ・ウルトラQ』について説明。
会場には円谷ファンクラブの会員も招待されていたが、「ウルトラマンが出てこないから解決しません。Q&AのAがない状態だから、『ウルトラQ』であって、大いなるクエスチョンの投げかけが毎回起こります。それを受け取って、『何だろうこれは?』というのをじわじわ楽しんでもらえたら嬉しいです」と、メッセージを送った。
バーのマスター役の尾上は、「50年前の『ウルトラQ』は、その時代の政治背景とか国の情勢だったりをしっかり描いていたので、本当に50年前の作品なのかなと思った」と、『ウルトラQ』に感心しつつ、「怪獣だけでなく、人間ドラマを大事にしていたので、今回参加させていただいて、人間の怖さだったり、人間をもっと深く描きたいと思ってやらせてもらいました」と、『ネオ・ウルトラQ』を演じる意気込みを語った。
ナレーションを務める長塚は、「一番心掛けるのは、石坂さんを意識しないということですね」と、『ウルトラQ』でナレーションを担当した石坂浩二(71)を引き合いに。試写での長塚の声は、父親で俳優の長塚京三(67)とそっくりで、報道陣も「似てるな~」と声を上げていたが、「作品ごとに色合いが違うので、監督によってナレーションのあり方も全然違うふうに要求してくる。それが面白くて、監督の欲しいままに試してみて、探りながら作っていくのが面白かった」と、エンジョイしたようだ。
MCに『ネオ・ウルトラQ』で親近感を覚えた怪獣、宇宙人について聞かれ、田辺は「無人島に住んでいるセーデガン。一人は嫌だけど、無人島でのんびりするのはいいなと思いました」、尾上は「本当に世のため、人のために働いているブレザレンという怪獣がいる。本当にいいんですよ~かわいいし。怪獣なんだけど、まったく悪じゃないんですよ。大好きです」、長塚は「ハタ・ギノールという宇宙人。とにかく凄く飲んでいて、面白い。いいな~、飲むな~!って共感した」と、それぞれ返答。
「自分がもし宇宙人や怪獣だとしたら、正体を明かすか? それとも秘密にするか?」という円谷ファンクラブ会員からの質問には、田辺は「言わないですかね。なるべく穏便に生活したいので。技は…なんか料理とかできたらいいですね」と答え、長塚が「それ、宇宙人じゃないんじゃない?」と突っ込む。

尾上が「僕も言わないと思う。でも、探りを入れつつ、自分だけじゃないってわかったら、言うと思います。スパイダーマンみたいに壁にくっつく能力が欲しい」と返答すると、長塚が「僕は絶対言わないって決めて、酔っ払って言っちゃう(笑)。凄いジャンプできる能力があるけど、酔っ払って公園とかでジャンプしちゃって、ばれちゃったりとか(笑)」と、ここでも大酒飲みのハタ・ギノールをネタにして、場内爆笑!
フォトセッション前には、第2話に登場する怪獣・ブレザレンも登場。洗濯が得意で、クリーニング店を経営する怪獣だが、ラブコールを送っていた尾上はもちろん、田辺までも「かわいいですね」とメロメロだ。そして、ブレザレンは、演出家でもある長塚に、なんと「自分を主役にした舞台を作って欲しい」とお願い。
「身体動くの?」と聞いた長塚は、「やる気があるんだったら、最初から稽古してくれればやりますけど、餅は餅屋というか、洗濯しているほうがいいとは思うんですが…」と、一度はつれない態度をとったが、ブレザレンがシュンとなってしまうと、慌てて「いや、応援してるんだよ!」と、まんざらでもない素振りを見せた。
第1話はWOWOWプライムにて、1月12日午後9時~オンエア。第1話は無料放送となり、以降毎週土曜放送される。



