女優・水崎綾女(23)が12日、都内で行われた映画『ユダ』(監督:大富いずみ/配給:アイエス・フィールド)の完成披露試写会に、『劇団EXILE』の青柳翔(27)・NorA(28)、大富監督、タレントで原作の立花胡桃(31)らとともに登壇した。
リアリティの衝撃と“悪のヒロイン”の圧倒的な魅力で30万部のヒットを放った元カリスマキャバ嬢・立花胡桃の自伝的小説を映画化。
「濡れ場もいとわない」という覚悟を持った一般女性、女優、現役キャバ嬢ら3000人が集まったオーディションで、「1ヶ月で10キロのダイエットをすれば主演」という条件付きの合格ながら、主役を勝ち取った水崎は、「合格と聞いたときは嬉しい気持ちでいっぱいでしたが、10キロ減量しなきゃいけないので、毎日、野菜スープで過ごしました。お勧めしない減量法で痩せました」と、クランクインから過酷な“戦い”が待ち受けていた。
立花も、「(水崎の第1印象は)一番スタイルが悪かったので、最初に見た時はどうなることかと思った。ナンバーワンのキャバ嬢は、ピンとこなかった」と、最悪なものだった。
3月にクランクインし、2週間で撮りきらないといけないという過密スケジュールに加え、主役の水崎が出ていないシーンは台本上でわずか8ページ。ほぼ出ずっぱりで、睡眠時間が1時間、2時間の時もあったほど過酷たった。
さらに、「(自分自身の)過去のトラウマや嫌な思いと向き合っていったので、それは辛かった。カメラが回っている時以外はニコニコして、乗り越えていきました」と、精神的な苦労も味わいながら、大胆な濡れ場も体当たりで熱演した。
そんな精神的にも肉体的にも苦労の連続だったからか、立花の水崎への印象も変わって見え出す。当初は、現場でのあいさつも、どこかオドオドしていたそうだが、撮影が進むにつれ、「自分に自信がついてきたのか、乗り移ってきた。ユダを自分のものにしていた」と、変化を感じ取っていた。
そして、今では、「まだ磨かれていない原石のような部分が良かったです。水崎さんの持ってる暗さ、アカ抜けなさが武器だと感じたし、親近感がわいた」と、満足そうに語った。
しかし、いい意味で、「小説のイメージをとっぱらって見てください。これは原作と違うもの。監督と水崎ちゃんの個性が出ている映画。とっても新鮮な気持ちで見ることができました」と、会場に詰めかけた観客たちにアドバイスも忘れなかった。
映画のタイトル『ユダ』からもわかるように、テーマは「裏切り」。彼氏の「裏切り」により、心に深い傷を負った女子高校生が、キャバクラの世界に脚を踏み入れる。そこは、お客とキャバ嬢、キャバ嬢同士の「欲望」と「裏切り」が交錯する世界だった。
やがて、1 日で1000 万円稼ぎ、No.1 キャバクラ嬢へと上り詰めていくが、それと引き換えに、ヒロインの心のなかには、誰にも見せられぬ怖れと孤独が潜み続けている。ゴールの見えぬ野望に向かって走り続ける彼女が、たどり着いたところとは…。
ライバル美々を演じたNorAは、「撮影中はお互いに一言も口を聞かなかった」と、役作りに没頭したが、「本当は仲いいですよ。でも、途中から、仲いいんだか悪いんだかわからなくなっちゃった」と、役柄に入り込んでいった。
素顔のヒロインと恋に落ちる金融界の若きカリスマ・大野を演じた青柳は、「見ていて、共感してくれるように仕上げてくれた」と、原作の生々しさ、過激さを薄め、心理描写に重きをおいたマイルドな演出に仕上がっているという。とはいえ、「仕事とはいえ、キャバクラに行けるのは楽しい」と、女性だらけで、ハーレム状態だった撮影を思い出し、ニンマリし、本音もチラリ。
最後に水崎は、「女性のための映画なので、女性はもちろん来ていただけたら。男性も女の怖さを知ってドキドキしてもらいたい」。主演はやって行きたい。脇とか関係なく、全力で取り込んでいけたらと。
また、映画公開を記念した「キャバ嬢総選挙」の開催も告知された。全国5467名のキャバ嬢たちが、1日限定でオープンするキャバクラ『ユダ』で“真のNo.1”の座を争うというこの企画。「私も出られるの?」と立花も興味津々。水崎も、「私も出たいです。接客するかもしれません」と、青柳は、「お客として行きたい」というなど、盛り上げた。
同映画は、2013年1月26日よりロードショー。R15+指定。