俳優・長谷川博己(35)が26日、都内で行われた『映画 鈴木先生』(監督:河合勇人/配給:角川書店、テレビ東京)完成披露試写会に俳優・風間俊介(29)、女優・臼田あさ美(28)、土屋太鳳(つちやたお、17)、富田靖子(43)、原作の武富健治氏(42)、河合監督(43)とともに出席した。
2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した、武富氏による同名漫画が原作。昨年、テレビ東京系で放送されたドラマが好評につき、その続編となる。黒縁メガネとループタイがトレードマークの中学校の国語教師・鈴木先生(長谷川)は、妊娠中の妻・麻美(臼田)がいるにも関わらず、自身の“実験教室”に不可欠なスペシャルファクターとして、女子生徒・小川蘇美(土屋)を重要視するうちに、良からぬ妄想をすることも。二学期がスタートし、天敵の家庭教師・足子先生(富田)が休養から復帰し、ドロップアウトしてしまったかつての教え子・勝野ユウジ(風間)まで現れ、展開は風雲急を告げる…。
主題歌である『androp』の「Rainbows」が流れる中、キャストは劇中の衣装で登壇。まず、富田が「皆さん、なぜかこの台に立っております。ということは、足子瞳、どうやら元気になって帰ってきそうです」と、劇中のキャラそのままの挨拶で、場内の空気をほぐした。
主演の長谷川は、黒縁メガネにループタイの鈴木先生ルック。映画化に喜びもひとしおと思いきや、「とくにないですね…。もう(撮影は)終わってしまったことなので」と、あまり感慨深さはないよう。ここで、風間が「逆に自然すぎて、長谷川さんというより、鈴木先生として受け入れちゃってます。自分的には。普段、こういう格好で長谷川さんいるんじゃないかなっていうぐらいに」と、フォローし、長谷川を立てる。
だが、長谷川の本心は、「嬉しいですよ。撮影中は数字的に無理だろうという雰囲気が漂ってましたからね(笑)。こうやって映画化できて、皆さんの前に立てることが本当に幸せなことだと思います」と、感謝の気持ちを述べた。
鈴木先生の妻・麻美を演じた臼田は、「妊婦さんの役ということで、母性が強くなって、ドラマのときのようなドぎつい感じはないのかなと思ったけど、映画はさらにパワーアップしてまして。妊婦なのに、相変わらず暴走しています」と、ぶっ飛んだ役どころのよう。
制服姿の土屋は、「ドラマの最終回は一学期の終業式で、映画は夏休み明けからのお話。久しぶりに会うと、みんな見かけだけじゃなくて、それぞれの演技も成長していたので、負けたくないなという気持ちと、お互いに切磋琢磨できたんじゃないかと思う」と、同世代の共演者に激しいライバル心を燃やした。
ドロップアウトした卒業生・勝野役の風間は、「普通にドラマのファンだったので、仕事というよりは、撮影現場に侵入できる権利を手に入れたような感じ。素晴らしい作品を作る人たちの空気が完全に出来上がっているので、その空気を汚すことなく、馴染むというよりは異物として混入できたらと思いました」と、ファン気分だったことを告白。
さらに自身の中学生活を振り返り、「実質の中学生活と、架空の中学生活があった」と、ドラマ『金八先生』(TBS系)に出演していたことを引き合いに出し、「僕にとって○○先生という恩師が2人いる喜びを噛みしめています」と、テレビ局に配慮し、もう一人の先生の名前は出さず。
また、撮影中のエピソードとして、長谷川が「命綱をつけるシーンがあるんですけど、それにカビが生えていて。身体にうつってしまって、しばらくここがカビだらけでした。かゆくてかゆくて、しょうがなかった(笑)」と、自身の胸を指しながら苦笑いしていた。
武富氏は、「原作のほうも、元々は一学期編はテレビの連続ドラマを意識して、二学期編は、映画作品をイメージして書いていた。それが叶って嬉しいです」と、喜びのコメント。最語に河合監督が、2013年新春に『鈴木先生』の特番が、テレビ東京系にて放送されることを告知し、「ドラマと映画の間をつなぐ短編作品として、撮り下ろされるので、ぜひ楽しみにしてください」というサプライズで、観客を沸かせた。
2013年1月12日、全国ロードショー。
