2027年に品川―名古屋間で先行開業を予定し、今年4月に鉄道の有人走行で時速603キロを記録し話題となった夢の乗り物リニアモーターカー。そのミニチュア版の玩具『リニアライナー』が26日、東京・銀座のGATで開かれた『タカラトミー リニアモーターカー玩具新商品発表会』にてマスコミ向けにお披露目され、スケールスピード500キロという驚異的な速さを見せつけた。
今回発表となった『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』は株式会社タカラトミーが約25センチの車体が磁力で浮上し走行するという「磁力浮上」「磁力走行」の両方を実現したミニチュア。特許出願中という。
リニアモーターカーといえば磁石の反発力で浮上し車輪と地面との摩擦が生じなくなることで高速走行を実現している有名だが、本製品もレールに取り付けられた帯状の磁石と、各車両底部の四隅に搭載した4つの磁石の反発力で約2ミリの本体が浮上！高速磁気センサーが前方の円形磁石の磁力を感知し、コイルに電流が流れ磁界を発生させると、レールと車両の磁石同士の反発で推進力が発生し、車両が前進する。
製品ではレールと「コントロールステーション」を配置。「コントロールステーション」では（1）速度感知センサーを搭載し、周回ごとのスケールスピードをモニターに表示。（2）中央レバーで車両の停車・発車をコントロール。（3）音声アナウンス機能を搭載し「まもなく列車が発車いたします」「時速500キロ到達」。（4）専用ケーブルで車両に充電、30分充電で20分の走行が可能となっている。ちなみに、リニアモーターカーの1/90の大きさで作製されているそうで、スケールスピードが500キロであり、その約1/90となる時速6～7キロくらいが実際に製品内で出ているスピードとなり、プラレールの数倍の速さだそうだ。
なおデザインはJR東海の『超電導リニアL0系』がモチーフ。情景は山梨リニア実験線に架かる小形山架道橋やトンネル緩衝工をデザインモチーフにして作製している。
会見には東海旅客鉄道株式会社 広報部 東京広報室 室長の重田洋氏同席のもと開催。会見がスタートすると、「リニアライナーが参ります。白線の内側に下がってお待ちください」というアナウンスがあったり、「発売」と言わず「開通」と言ったりと小粋な感じに。
同社企画部の開発担当 井上拓哉氏は「何とかして磁気浮上式のものを完成させていと思っていました。試行錯誤の結果お披露目できたので嬉しく思います」と、喜びもひとしおな様子。今後へは同社企画部 部長の木村貴幸氏は「磁力で浮いて推進するという機構を使って、今回はL0系ですが、タカラトミーオリジナルデザインの車両を出してみたり、車だったりの乗り物も出していきたい」と意欲を語った。
気になるお値段は3万5000円（税別）を予定しているそうだが、同社の富山幹太郎代表取締役は「玩具というのは時代がかわると技術が変わります。少しお高いですが、これはスタートですから、2027年のリニアモーターカーの開業までにはもっとお安くできるように」と、今後はさらにお手軽な値段になっていくようだ。
「夢のリニアモーターカー、自宅で開通」というキャッチフレーズも伊達じゃないようだ。
『リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット』は2015年9月から全国の玩具専門店、百貨店・量販店などの玩具売場、インターネット、タカラトミー公式ショッピングサイト『タカラトミーモール』などで希望小売価格3万5000円（税別）で発売予定！
