俳優・堤真一(50)が10日、都内で映画「神様はバリにいる」(監督:李闘士男/配給:ファントム・フィルム)のジャパンプレミアに共演の尾野真千子(33)、ナオト・インティラミ(35)、玉木宏(34)とともに出席。この日を無料の試写会と勘違いした堤は「この作品が公開されなかったらどうしようと思ってた。それくらい力を入れた作品。きょうは”タダ”で観れるので…。あ、やっちゃった…。ここでもお金をとるとは…」とバツ悪そうに舞台あいさつした。
バリ島で暮らす”自称爽やかな”日本人の大富豪・アニキを主人公に、元起業家女性、眼科医、婚活中の男ら、”今”を変えたい人々がアニキとの出会いで人生を変えていく、実話から生まれた笑って泣ける開運ストーリー。
撮影は1年半前にバリで行ったそうで、パンチパーマのチンピラ風の”アニキ”役を演じる堤は、「いつの間にかあんな衣装になっていた。撮影中はいいが、普段の生活がはずかしかった」と苦笑い。尾野は「現場でこの4人が兄弟、家族のように仲良くさせていただいた。寝るとき以外はずっと一緒。濃い〜時間だった」の言葉どおり、現場ではユニークなエピソードがいっぱい。
玉木が「作品のなかでは僕がいちばんクールに見えるかもしれないが、ほかのお三方が濃いのでそう見えるだけ。僕は”エロス”というブランドの洋服を着てます」と茶目っ気たっぷりに話せば、尾野は「玉木宏はこう見るとカッコ良く見えるが、4人のなかで一番イタズラ好き。私のポーチに草をつめたり、男3人で私を海に落とした。しかも、うまいこと言って(私の)服を脱がせて…。やるよね〜ジェントルマン」と恨み節。映画初出演のナオトは「実は幼稚園のころから芝居がやりたいと思っていて夢が叶った。現場では堤さんに「オマエ、もう考えんな!」と言ってもらってラクになった」と喜んでいたが、撮影現場の待ち時間では、自身が持って来た”ウノ”で出演陣を和ませる役割も担当したとか。
また、お題にちなんで、お金や生活に困った苦労話を問われると、堤は「苦労とは思ってないけど、東京に出てきたハタチから27(歳)まで家賃2万円の四畳半に住んでいた。ま〜お金なかったですね。3日間水だけってこともあった。若いときだから当然って感じだけど」。尾野も「24、5(歳)ぐらいまで貧乏生活。奈良で草木や草の実を食べて育ったので、東京に来てからもその辺の草に手を伸ばしそうになった。(お金が)苦しくなったら父母に助け求めて、月1万円弱で生活していた」と告白。
ナオトは「若い頃、お金がないのに旅心が芽生えていて、北海道から青春18号切符で東京に帰ろうとしたら、正月三が日でお金がおろせず、札幌で所持金千円しか残ってなかった。函館で凍死してしまうと思って、駅でホームレスの方に添い寝してもらった」。玉木も「上京して22、3までバイトしてた。お金がないので自炊して、スーパーで賞味期限が近くなったものを安く買って、料理をつくっていた」とそれぞれに若き日の思い出をユーモラスに披露。
最後に堤が「いろんな苦労話なんかしちゃったけど、作品は楽しめる映画なので、観て元気になってもらいたい」としっかりとPRしていた。
来年1月17日公開。