ジャーナリスト・山路徹氏(50)が19日、都内で映画『ルート・アイリッシュ』(監督:ケン・ローチ/配給:ロングライド)シンポジウム付試写会にジャーナリスト・菅原出氏(42)、安田純平氏(38)らとともに登場した。
イラク戦争を軍隊や傭兵とは違った民間軍事会社の民間兵(コントラクター)に焦点を当て、その悲惨さや、野望の中での人間の業を描いたローチ監督最新。主人公と兄弟のように育った男性が、テロなどに襲われる可能性が非常に高い世界一危険なイラクにある道路『ルート・アイリッシュ』で死んだことを不審に思った主人公が、生前に男性が送ってきた動画から、その死の謎に迫り、衝撃的な結末を迎えるというもの。単にサスペンスとしても楽しめる作品だが、根底は民間軍事会社の実態がまざまざと描かれ、その存在に警鐘を鳴らすというローチ監督らしいち密で骨太な作品だ。
以前は、元妻でタレント・大桃美代子(46)との関係や前妻・麻木久仁子(49)との不倫の末の結婚、そして離婚などで世間を騒がせた山路氏だが、本日は自身の本業である戦場ジャーナリストとして、軍事や政治などの話を展開し、同作の設定である2007年のイラクで何が起こっていたかなどを真摯に語ることとなった。
まずは、菅原氏が、「民間軍事会社とは、軍隊が請け負っていたものを請け負っている。具体的には、料理を作ったり、物資の支援とか」と、解説を加える。実際に2007年に民間軍事会社の人間がイラクで民間人を射殺してしまうという事件も発生したが、民間軍事会社の民間兵ということで、重罪には問われなかったという話もあり、「民間軍事会社の車の100メートル以内に近づいたら発砲するというルールがある」という事実も。
さらに、山路氏も、「戦争は一番大きな公共事業で、最大のビッグビジネス。砲弾が飛び交っている、そこで活躍している武器たちは国連の常任理事国5ヶ国で作った武器ですよ。戦争というのはとてつもない額になると思います」と、意見を述べると、「兵器の見本市にいったとき、砲弾がマニュキュアとかが並ぶように並んでいました。ビジネスショーの世界ですよ」と、憤りを。
本作にかんしては、「この映画からすごいリアリティーを感じた。素人はそんなことないと思うかもしれないけど、僕らはリアリティーを感じた。この映画は知らない人に戦争の本当の姿を伝えるというものになっている」と、PRししきりにうなずくと、「イラクの問題ではなくわれわれの問題と考えてほしい。これから先どうなるか分からないですが、何かを判断するとき戦争の本質を分かっていなければいけないと思う」と、示唆していた。
3月31日より銀座テアトルシネマほか全国ロードショー!