作曲家・新垣隆さん(43)が19日、ニコニコ生放送が19日から20日にかけて放送している『ニコニコ23時間テレビ』内で新曲『交響曲HARIKOMI』を初披露し、その現場に本サイトスタッフも同席させてもらった。
新垣さんは今年2月には18年間にわたり佐村河内守氏のゴーストライターを務めていたことを告白し、新垣さんや佐村河氏による会見など騒動が起こった。その後、先月の『ニコニコ町会議詳細+超会議赤字発表会』で23時間にわたる生放送の特別番組『ニコニコ23時間テレビ』に出演することが発表となり、『週刊文春』(文藝春秋)から新曲『交響曲HARIKOMI』の作曲を依頼され(参照記事:新垣隆さん新曲は週刊文春のテーマで「交響曲 HARIKOMI」!「ニコニコ23時間テレビ」で披露へ)、本日お披露目に至った。
事前のニコニコ生放送では、新垣さんは「緊張はしていますが、自信はあります」と、胸を張る姿が見られることに。午後8時10分すぎに会場内に白の蝶ネクタイに黒のスーツ姿を現した新垣さん。いよいよ楽曲のお披露目へ。新垣さんの呼びかけに応じた大学時代から信頼している仲間という音楽家が集結することに。バイオリン、ビオラ、チェロ、パーカッション、エレキギター、コントラバス、ドラム、アルトサックス、テナーサックス、バリトン、トランペット、そして新垣さんによるピアノという構成。
『週刊文春』からは「人目を避けながら、取材対象が現れるのを息を潜めて待ち続ける。その緊張感、焦燥感、そしてターゲットに直撃する時の高揚感をイメージした曲をぜひ作っていただきたいのです。鮮烈でインパクトのある超絶カッコいい曲!」とリクエストを受けていた通り、文春の記者をイメージしたという曲は、ときに哀愁を帯び、ときに奮い立たせるような勇壮さを感じる構成の約10分間の楽曲で、まさに情景が浮かぶような仕上がりとなり、ニコニコ生放送上でも「想像以上にカッコよくて笑った」「すばらしい」などの弾幕も飛び交うなどした。
演奏を終えた新垣さんは満足そうな表情を浮かべ一礼。視聴者からの声に応えることとなり、ボカロ曲のことを問われると、「知ってます。いいですね。機会があればぜひ作ってみたい」とのコメントも飛び出していた。
終了後の囲み会見では、大きな場所の演奏は今回が初ということを明かしつつ、騒動後も楽曲を作成していたと話す新垣さん。楽曲へは「新作の1つ、代表作の1つです。ぜひ聴いてもらいです」と、胸を張る。
約10分という時間については、「3楽章に分かれていて、インストゥルメンタルなんです。楽器で演奏する曲だということで交響曲でした。クラシック的な、ソナタ形式みたいなのも意識していて、ポップスとしてはちょっと長めです」と解説。苦労した点へは、「ちょっとクラシックの要素を含めたいなというのが少し苦労しました」と、しみじみ。
騒動後の話題となり、作曲家としての仕事も増えていることを話し、「曲を書いたりすることが続けられるようになったということなんです。それが再開できることになったんです。舞台に立って演奏するというのは喜びなんです。その場に戻れたというのは嬉しいです」と、喜びもひとしお。
そこで、報道陣から新垣さんにギャラは増えたという質問がされると、「増えたかもしれないです。収入ももしかしたら増えたかもしれません(苦笑)」と、返答してくれることに。ちなみに「今回ので文春からギャラは?」との質問には、「お仕事として受けておりますので。(ギャラは)これから詰めていきます」と、話していた。
ほかにも、報道陣から「この曲はゴーストではないですよね?ゴーストのゴーストはいない?」との質問が飛ぶと、「たぶん大丈夫です」と、ニッコリと返答しつつ、「文春の方からリクエストの紙を頂いたので、それが指示書といえば指示書ですかね」と、佐村河内氏の“指示書”の話にかけてのコメントも。
また、現在の佐村河内氏とは連絡は取っているのか聞かれ、「直接はしていないです。代理人を立ててます」とのことで、「彼と私でやったことに対しては責任があると思っています」と、真摯な姿勢を見せていた。
今後については、「作曲家としてピアニストとして活動していきたいと思います」と、真面目に語る新垣さんに、男性記者が「有名になって女性からのアプローチはある?」と問いかけると、そこは苦笑いしつつ「そんなことはないです。結婚?作曲という仕事は特殊なところがあると思っているんです。だからいまはちょっと1人でやりたいなと思いますね」と、そこもしっかり対応していた。
最後に、新垣さんは「きょうは披露させて頂いて、みなさんにお伝えできて嬉しく思っています。これからもよろしくお願いします」と、メッセージを寄せその場を後にした。