元AKB48のエースで女優・前田敦子(22)が23日、都内で蜷川幸雄(78)演出の舞台「太陽2068」(作:前川知大)の製作発表に出席。初舞台&初蜷川作品挑戦となるが、「蜷川さんからお話をいただいて、ビックリした。私を遠い世界に連れていってほしいと純粋に思えた。これから自分がどう変わっていくのか、それを見つけられるのか、私も楽しみ」と意気込んだ。前田を舞台に抜擢した蜷川も「事前の知識だと大変だぞとかいろいろ間接的に言われたが、会って大丈夫、仲良くなれると思った。きっと楽しく仕事ができると思う」と太鼓判を押した。
作品は気鋭の劇作家・前川と世界の蜷川がタッグを組んだもの。近未来の世界を舞台に、若く強い肉体を長く維持し、高い知能を得る反面、太陽光の下で活動できない「ノクス」と呼ばれる人間と、古くなってしまった普通の人間「キュリオ」が共存する二分された社会で、両者の対立がある事件をきっかけに動きだしていく…という物語。
この日は、綾野剛(32)、成宮寛貴(31)、大石継太(53)、横田栄司(42)、内田健司、山崎一(56)、六平直政(60)、伊藤蘭(59)ら実力派が勢揃い。
蜷川舞台を初主演することとなった綾野は、「気の狂った前川さんの脚本と怪獣・蜷川さんの演出で戦える。挑戦できて、自分の幅が広がるのであれば、主役をポジティブにとらえたい。2人にとって毒になれるように、2人のエサになりたい。玩具のように扱ってほしい」と気負いなし。
7年ぶりに蜷川作品に登場する成宮も「自分の力で摩耗してきた部分で、そのナイフをもっと尖らせたい。恐ろしい蜷川さんに立ち向かって、猛毒な自分を舞台の上で見せたい。ボクも精いっぱいで挑むことになると思うが、(キャストの)みなさんと同じ熱で負けないように戦いたい。気持ちでつながれたら」とやる気満々だ。
蒼々たる面々の前で緊張気味の前田だったが、作中で親子関係になる蜷川作品常連の六平に「“あっちゃん”と親子になる!きらめくような親子の愛を出せたらいい!」とエールを贈られ笑顔。
「舞台って多分、もっともっとコミュニケーションが必要だと思うので、私はまずそこから。みなさんと仲良くならないと、自分らしくいられないのかなと思う。でも、六平さんに会ったら少し楽になった。楽しいなって思った」と、ホッとした様子だった。
7月7日に東京・渋谷のBunkamura シアターコクーンで開演。チケット発売は5月10日から。